サスティナブルフードとは?サスティナブルシーフードやコーヒーなど具体例を解説

サスティナブルフードとは


「サスティナブルフード」という言葉を聞いたことはありますか?

環境問題に興味を持った方なら耳にしたことがあるかもしれません。 そもそも、「サスティナブル」とは「持続可能な状態」を意味する言葉です。



そこで「フード」を加えた「サスティナブルフード」とは、私たちの日々の食卓、食生活をこれからも持続可能にするために、様々なことに配慮し作られている食べ物のことです。 サスティナブルな社会を作っていくには、生活の中のあらゆる面で地球環境について配慮しなくてはなりません。それは食べ物も同じなのです。

現代社会が抱える食に関する問題とは




ではサスティナブルフードとは、具体的にどのような点に配慮し、作られているものなのでしょうか? サスティナブルフードについてより理解するために、まずは食に関する社会が抱える問題についてみていきましょう。

まず挙げられるのがフードロス問題です。

フードロス(食品ロスともいいます)は、「本来食べられるのに捨てられてしまう食品」のことです。参考元:農林水産省

メディアでも取り上げられることも多く、知っている方も多いのではないでしょうか。

まずはフードロスとサスティナブルフードの関連について考えていきましょう。

フードロスとサスティナブルフードの関係性


フードロスとは、先ほど紹介したように「本来食べられるのに捨てられてしまった食品」のことです。

日本で捨てられている食品廃棄物の量は年間2,250万トンです。参考元:農林水産省

その中で、本来食べられるのに捨てられてしまった「食品ロス」の量は612万トンであると農林水産省が発表しています。

日本人一人当たりに換算すると、年間約48kg、毎日お茶碗一杯分のごはんと同じ量を捨てていることになるのです。

食べ物を作り、販売するには多くのエネルギーを消費しています。



例えばハンバーガーひとつをとってみても、野菜や肉を育てるためのエネルギー、それを工場へ運ぶためのエネルギー、工場で加工するためのエネルギー、工場から店舗へ運ぶためのエネルギー…と、多くのエネルギーを必要としているのです。

食べずに捨ててしまうことは、それだけのエネルギーを無駄にしているということになります。

さらに廃棄することにもエネルギーが必要です。日本で廃棄された食品を償却するのに、年間1兆円近い費用がかかっているほどです。参考元:科学技術振興機構



そしてこれらのエネルギー消費は地球環境に大きな負担となるのです。 地球環境へ与える負荷を最小限にして、これからも私たちが食事をしていく、サスティナブルフードの実現には、フードロスを減らしていくことがとても大切なのです。

    

フードロス以外にも食に関する問題はある


食に関する問題は、フードロスだけではありません。食べ物を作り出すための農業も、やり方によっては地球環境に悪い影響を及ぼすことがあります。

陸上で起こる食に関する問題


例えば野菜の生育を促すための肥料もそのひとつです。 肥料を多量に土壌に投入してしまうことにより、水や土壌が硝酸性窒素に汚染されてしまうことや、河川や湖が栄養過多になることも食に関する問題です。参考元:農林水産省



川や湖、そして海が富栄養化するとどうなるのでしょうか? 富栄養化が進んだ水域では、たっぷりの栄養を使って特定の植物プランクトンが急激に増えてしまいます。参考元:環境省・公益財団法人環日本海環境協力センター

すると、光合成をおこなわない夜間には、これらの生物が呼吸し酸素を消費してしまうことで、水中が酸欠状態となります。

また、異常に増えた植物プランクトンが死滅した後、それが沈殿して水中の環境をさらに悪化させ、魚介類が住めない海や川になってしまうのです。



栽培に必要な水を使いすぎてしまうことで、水資源の減少を招く例や、農薬の過剰な使用により土壌を汚染してしまうことも食に関する問題と言えます。

海で起こる食に関する問題




食に関する問題は、陸上だけでなく海でも起こっています。

土壌汚染や河川の汚染は、そのまま海の汚染へとつながります。

海が汚染されてしまえば、魚や貝などの生態系に影響を与えてしまい、海から得られる食料が将来食べられなくなってしまう可能性があります。

食に関する問題の根底にある国際関係




サスティナブルとは地球環境だけに配慮するものではありません。

例えば、先進国と開発途上国との関係について考えることも大切です。

世界の貿易構造において、発展途上国の生産者は不利な立場に置かれています。そのため劣悪な労働条件で働き、わずかな賃金しか手に入れられないといったこともあるのです。参考元:フェアトレード ジャパン

この不均等をそのままにしておいては、サスティナブルな社会は実現されないのです。不均等の解消に向けて、国連で採択されたSDGsには17のゴールが設定されています。



このように、食に関する様々な問題を現代の社会は抱えています。続いて、この問題を解決するために現在どのような取り組みが行われているのかを見ていきましょう。

サスティナブルフードの実現に向けた取り組み


食に関する現在の問題を解決に導き、サスティナブルフードを実現するために、現在様々な取り組みが行われています。 サスティナブルフードを実現するため、行われている取り組みについていくつか事例を紹介しましょう。

事例1 オーガニックコーヒー


オーガニックコーヒーとは、農薬、化学肥料、殺虫剤を使わずに栽培したコーヒーのことです。化学薬品を使わずにコーヒーを栽培することで、土壌にかかる負担を軽減することができます。



農薬や化学肥料は、作物の収穫量を増やし効率を上げる効果があります。しかし過剰に農薬や化学肥料を使うことは、環境へ負荷をかけてしまいます。



例えば化学肥料を過剰に使うことは、水質汚染や化学肥料へ依存することによる土壌の劣化を招きます。農薬も同じく水質や周辺生態系へ影響を与える恐れがあるのです。参考元:農林水産省

このような環境への負荷を最小限にする取り組みが、オーガニック(有機栽培)です。

農薬や化学肥料を使わずにコーヒー豆を育てることで、環境への負荷を最小限にしていきます。

サスティナブルコーヒーの取り組み




オーガニックだけでなく、これからもおいしいコーヒーを飲み続けるための取り組みとして、さらに大きな枠組みの「サスティナブルコーヒー」というものもあります。参考元:兼松株式会社

サスティナブルコーヒーとは、オーガニックコーヒー、フェアトレードコーヒー、シェードツリーコーヒーで構成されているものです。

フェアトレードコーヒーとは


フェアトレードコーヒーとは、公平で公正な貿易を行ったコーヒーです。

コーヒー豆の産地はいわゆる開発途上国の国々です。参考元:フェアトレード ジャパン



小規模なコーヒー農家の多くは、生産や生活に十分な利益を得られず、不安定な生活を余儀なくされることがあります。 この不平等を解消するために行われている取り組みがフェアトレードコーヒーです。

国際フェアトレード基準で、生産者の持続可能な生産と生活を支えるために必要な「フェアトレード最低価格」が定められています。

シェードツリーコーヒーとは


シェードツリーコーヒーとは、コーヒーの木を覆うようにバナナなど他の樹木を植えて育てたコーヒーのことです。 もともとコーヒーの木は直射日光に弱く、葉が日焼けしてしまいます。参考元:大作商事株式会社大阪スペシャルティコーヒー株式会社

それを防ぐために、直射日光に強い品種に改良され、大規模なプランテーションで栽培できるようになりました。 しかし、単一栽培を行うことで、土壌は痩せていき、コーヒーの木自体も病害虫に弱くなります。そのため大量の農薬と化学肥料が必要になってしまったのです。



シェードツリーを植えてコーヒーを育てると、面積当たりの収穫量は少なくなります。また機械を使っての収穫が難しいため、手摘みで手間をかけて収穫しなくてはなりません。

しかし様々な樹木を植えることで、落ち葉が良質な肥料となり、健やかな土壌を育みます。昆虫や鳥も多く住む、豊かな自然環境を作っていくことができるのです。

手間はかかりますが、農薬と化学肥料が少なく済み、多様な生態系を守ることができるのがシェードツリーコーヒーなのです。

認証機関について


サスティナブルコーヒー自体を認証する機関はなく、オーガニックコーヒー、フェアトレードコーヒー、シェードツリーコーヒーそれぞれが認証機関を持ち、定義されています。

オーガニックコーヒーを認証しているのは、日本ではJAS、アメリカではOCIAです。

フェアトレードは、トランスフェア/フェアトレード、オルタートレード・ジャパンなど、シェードツリーコーヒーはレインフォレストアライアンスなどが認証を行います。参考元:レインフォレストアライアンス



スターバックスやタリーズコーヒーなど多くのコーヒー関連企業は、サスティナブルコーヒーに力を入れて取り組んでいます。 それはコーヒー業界が抱える「コーヒーの2050年問題」という大きな課題があるからです。参考元:KEY COFFEE



コーヒーの栽培地は、北緯25度から南緯25度のコーヒーベルトに限られています。しかし地球規模の気候変動により環境変化が続いてしまうと、2050年には栽培地が現在の50%にまで減少してしまうというのです。

これからも私たちがおいしいコーヒーを飲み続けるには、気候変動を食い止め、サスティナブルな社会を実現することがとても大切なのです。

事例2 サスティナブルシーフード




サスティナブルな食を実現するために行われている事例としてもうひとつ、魚などのシーフードについて行われている取り組みについてみていきましょう。

サスティナブルな社会を実現するために2015年国連で採択された国際指標である「SDGs(持続可能な開発目標)」で示された17の項目の中にも、「海の豊かさを守ろう」として水産資源の保全が謳われています。参考元:サスティナブル シーフド



魚、貝、エビなどの水産資源は、自然に繁殖し成長するスピードを考え、適切な量を獲るようにすればこれからも食べ続けることができます。

しかし適切な量を超えて獲り続けてしまえば、資源状態が悪化し生態系が崩れてしまうことで、将来同じように食べることができなくなってしまうのです。

世界の魚の3割が「獲りすぎ」の状態になっている


国際食糧農業機関が発表した「世界漁業・養殖業白書2018年」によれば、世界で行われている漁業のうち、33.1%が持続可能な水準を超えて漁獲されている、「獲りすぎ」の状態になっているのです。参考元:MSC



またWWFが発表した「生きている地球レポート」によれば、海洋生物の数は1970年から2012年にかけて49パーセントが減っています。つまり世界の魚の量が半減しているということなのです。



魚の量を半減させた原因には、過剰漁獲、違法操業、破壊的な漁業があるとされています。 過剰漁獲は生態系を考えないで魚を獲りすぎてしまうことです。

違法漁業は、国家間で定められた漁獲高などの取り決めを守らず、違法に操業される漁業のことで、過剰漁業の要因となっています。

破壊的な漁業とは、毒を使って魚を獲る、ダイナマイトを用いて魚を獲るなどの漁業のことです。これらは環境に与える影響が大きく、過剰漁獲にもつながります。

プラスチックなどの海洋汚染による影響




水産資源の持続可能性を考える上で、海洋汚染も大きな問題です。

海は人間の社会生活の影響により汚染されており、生態系に大きな影響を与えていることがわかっています。その大きな要因となっているのが「プラスチック」です。参考元:WWF



安価で生産できる上、耐久性が高いプラスチックは私たちの生活のあらゆる面で利用されています。

しかしプラスチックの多くは使い捨てされており、環境中にそのまま流出してしまうものも多くあります。 そんなプラスチックが最終的に行き着くのは海であり、すでに世界の海には合計1億5000万トンものプラスチックごみが流入しているといわれています。



さらに毎年年間800万トンものプラスチックごみが、新たに流入しているのです。

これらの海洋ごみの影響で、魚はもちろん、海鳥、アザラシ、ウミガメなど約700種もの生物が傷つけられ、死んでいます。

そして海の生態系に影響を与え続けているのです。 日本は魚の消費量ランキングで世界第三位の魚消費国です。



私たちが消費している水産物の約半分は海外からの輸入に頼っています。このまま海の生態系に与える影響を考えず、魚を食べていては、近い将来魚を食べることが出来なくなる可能性もあるのです。

サスティナブルシーフードの目的は海洋環境の保全


水産資源を健全な状態に保ち、これからも私たちが豊かな海の恵みを味わうために行われている取り組みが「サスティナブルシーフード」です。



サスティナブルシーフードは大きく「天然」と「養殖」に分けられます。

「天然」はMSC(海洋管理協議会)の認証を取得した漁業で獲られた水産物です。MSCは持続可能で適切に管理された漁業の普及に努めるNPOで、3つの原則を用いて審査を行っています。参考元:MSC



原則1 対象となる水産資源が豊富で、資源管理されている

原則2 生態系に及ぼす影響が最小限に保たれている

原則3 法律や規則などに従って漁業が行われている




これら3つの原則を守ることで、海の生態系を健全な状態に保ち、将来的にも美味しい魚を食べていくことができるのです。

サスティナブルシーフードをライフスタイルに取り入れる方法




サスティナブルシーフードをライフスタイルに取り入れるには、まずはスーパーの鮮魚売り場で「海のエコラベル」が付いた商品を選ぶようにしましょう。 



「海のエコラベル」は、厳格なMSC認証規格を満たし、サスティナブルで適切な管理を行っていると認証された漁業で獲られた水産物に付けられています。

この水産物を選んで購入することで、サスティナブルな社会を実現するためにがんばっている漁業者を応援することができます。 日本でMSC漁業認証を取得しているのは、2018年9月時点で3漁業、5魚種のみとなっています。



MSCの認証を受けるには、とても厳しい取り組みが必要です。 そんな取り組みを行っている商品を選んで購入することで、サスティナブルシーフードをライフスタイルに取り入れることができるのです。

サスティナブルフードを実現するために私たちにできる事




人間が生きていくために、食料は欠かせないものです。

私たちが今だけでなく将来もおいしく食事をしていくため、サスティナブルフードを実現するためにはどうすればいいのでしょうか?

私たち全員がすぐに始められることは、自分が消費するものの選び方を変え、手に取る商品を変えていくことです。

例えば毎朝飲むコーヒーを、オーガニックやフェアトレードのものにする、魚を食べる時はサスティナブルシーフードを選ぶようにするといった消費行動を変えることで、サスティナブルフードを実現することができます。



消費者がサスティナブルなものを選んで購入するようになれば、企業はサスティナブルであることが売上につながると考えます。そしてサスティナブルであるための取り組みが広まっていくのです。

普段の買い物や食事では、私たちは様々な要因を考慮して商品を選びます。その時、「サスティナブルであるか」を考えて選択すること、それこそが、私たちにできるサスティナブルな社会実現のための第一歩となるのです。

海をプラスチックごみで汚染しないためにシャンプーから変えていく




海洋汚染の大きな要因となっているプラスチックごみを減らすために、私たちができる取り組みとしてシャンプーを変えるというのもひとつの手です。

海洋プラスチックの8割以上は、陸上で発生し、川に流れて海にいきついたものです。

特に多いのが、使い捨てられることが多い「容器包装用」であるとされています。

容器包装用に使われているプラスチックは、世界全体のプラスチック生産量の36%、世界で発生するプラスチックごみの47%を占めているのです。



シャンプーも使い捨てられるプラスチック容器を生み出すもののひとつです。 液状のシャンプーはプラスチックのボトルに入って売られています。詰め替え用であってもプラスチックの袋に入っており、使い捨てられていきます。

これらのプラスチックごみの中から、適正に処理されず海に流入する海洋プラスチックが生まれていきます。

エティークはこの問題を解決するために生まれた、原料からパッケージに至るまでサスティナブルなシャンプーバーです。



生分解性が高くプラスチックフリーの包装の中には、サスティナブルに生産される原料だけを使って作られたシャンプーバーが入っています。ひとつのバーでシャンプーボトル3本分を使うのと同じ使用量になります。

3本分のシャンプーボトルが使い捨てられることを防ぐことができるのです。



サスティナブルな社会を実現し、美しく豊かな海の生態系を守るために、まずは身の回りにある製品から変えてみることをお勧めいたします。

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