【SDGsの取り組みインタビュー】新宿区のゴミ拾いを続ける人材育成サークル「ワセカープ」【後編】

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毎日、高田馬場周辺のゴミ拾いを続けるワセカープさん。前編に引き続き、代表の村枝さんにお話を伺っています。

>>前編はこちらから

【後編】人材育成サークル ワセカープ

後編では、村枝さんがワセカープに入るきっかけから、ゴミ拾い活動を継続するためのポイントや便利グッズなどを紹介します。
 
早稲田大学 人材育成サークル ワセカープ
早稲田生を中心に約40名が活動しているインカレサークル。
“ために生きる“利他の精神と“私が変われば世界が変わる”をサークルのモットーに新宿区を中心としたゴミ拾い、定期的なSDGs勉強会などを開催。
その活動が評価され、2020年に行われた全国各地の社会的価値のある活動をしている学生団体や、特色のある活動をしているサークル・部活動を表彰する第6回学生団体総選挙の部活動・ゼミ・サークル部門のファイナリストに選出。
 

「誰」とやるかを大切にしている


---引き続きよろしくお願いします!後半では、これからゴミ拾いに限らず、ワセカープさんのような社会に貢献できる活動をしたいと考えている方々が参考になるようなことを聞いていければと思います。
早速ですが、質問です。村枝さんはなぜワセカープに入ろうと思ったんでしょう?


村枝 もともと法律サークルとフットサルサークルに入っていました。
入りたての頃は楽しかったんですが、メンバーとの距離間に戸惑ったんですよね。サークル活動中は話すものの、学内で会ったら挨拶をかわす程度の「よっ友」が多いといいますか。高校の友達のような深い関係ではなくて。

大学で「何」をやるかも大事だと思うんですが、それ以上に「誰」とやるかを自分は大切にしていました。また、大学では楽しいと同時に社会に出る準備になるような活動もしたいと考えていたのですが、そのタイミングで仲の良い友達にワセカープに誘われたんです。
そして雰囲気を見たら、そこには自分が求めていた人間関係があり、活動も楽しくやりがいを感じたので入会を決めました。

---入ってみて実際にそういう友達はみつかりましたか?

村枝 そうですね!みんな将来のことを真剣に考えていて、真面目に取り組むときはとことんやる一方で、遊ぶときは思い切りはっちゃけるので一緒にいて本当に楽しいです(笑)
またいろいろな考えを持ったメンバーがいるので、勉強になることがたくさんあります。
ゴミ拾い以外にも定期的にSDGsなどの勉強会を開催しているのですが、それぞれの専門分野から見た問題点であったり、経験に基づいた話が聞けてとてもおもしろいですし、モチベーションも上がりますね。
教授も協力してくださって、勉強会に参加してお話を聞かせてくれることも多くあります。
 

参加しないメンバーの意見を大切に


---それだけ志が高いメンバーが集まれば、ゴミ拾いも率先して参加してくれそうですね。

村枝 それがですね、今でこそほとんどのメンバーが参加してくれていますが、実は最初はそんなこともありませんでした(笑)
もちろん参加率は高かったですが、その一方であまり参加できないメンバーも少なからずいたんです。

---参加率の低いメンバーが参加してくれるようになるために何か工夫したことってありますか?

村枝 一番大事にしたことは、そういうメンバーの意見に耳を傾けることです。
「ゴミ拾いのやる気が出ないな」とか「サークル行きたくないな」と感じている人の意見を聞けば、プロジェクトが抱える課題点も見えてくると思いました。

---どんな意見が出ました?

村枝 色々ありましたよ(笑)
例えば、
・手が汚れるのに抵抗がある
・人目が気になってしまう
・拾っても結果が見えないから達成感がない
・拾っても捨てる人は減らないからやっても意味がないんじゃないか
などが多かったですね。
これって実はそれまで参加している人も大なり小なり感じている部分だったので、じゃあ1つずつ改善していこうとなりました。

---具体的にどうやって改善したんですか?

村枝 まず「手が汚れるのに抵抗がある」という意見に関しては、それまではビニール手袋やトングなどの用具をすべて自費で買い揃えていたのを定期的にサークル費で購入するようにしました。
もちろんすべてはまかないきれないので、企業さんからご提供いただいたものを計画的に使ったり、それでも足りない部分は自己負担で買い揃えている部分はあります。でも「道具まで準備してくれるならやってみようかな」とクリアできましたね。

人目が気になるという点は、個別で拾うようになってからは時間帯や場所を変えることで改善しています。
それまでは昼間に集まっての活動がメインでしたが、夜に活動してみたり。違う時間帯にみんなで集まって作業するのも普段と違って新鮮でした。

拾っても結果が見えないことに関しては、集計システムを導入しました。
拾ったゴミを数えるのは手間ではありますが、ゴミ拾いが終わるタイミングでどれだけ拾ったかを各自で報告してもらってエクセルにまとめています。自分たちが拾ったゴミの量が「見える化」すると、達成感に加えていい意味で競争心が湧くのも良かったと思います。



最後の「拾っても捨てる人は減らないからやっても意味がないんじゃないか」ということに関しては、自分は先ほど言ったように「拾う人を増やす」という考え方なので悩みました。
そこで楽しみながら拾えるようにしよう、モチベーションを上げられるようにしようとメンバー全員が参加するオープンチャットを開設しました。



ここでは主にゴミ拾い活動を始めるタイミングを報告したり、拾ったゴミを写真で送ったりしています。
このような場を作ったことで、「あ、あの子がやり始めたから自分も散歩がてらやってこようかな」と思えたり、スタンプやメッセージを通してお互いにリアクションできる環境ができて、メンバーのやる気も上がったように感じますね。また毎日拾う個数の目標も立てているのですが、そこに向けてみんなで戦っている意識も生まれて楽しいです(笑)

---改善の結果、いまいち気乗りしないメンバーの参加率も高くなった?

村枝 そうですね。みんな仲良いので元々サークル活動の参加率は高いのですが、ゴミ拾いに関しては参加率がかなりわかりやすく上がりました(笑)
 

ゴミ拾いが自分の糧に


---これが最後の質問です。これからワセカープさんのように何か活動を始めようと考えている、特に学生の方に向けてアドバイスをいただけますか?

村枝 アドバイスというより、自分がこの経験を通して感じたことを。大学の授業は深い内容も多いので、知識や実力を身につけられます。ただ、人間性を教えてくれる場ではない。
知識ももちろん大切ですが、自分は人生において人格も大事な要素だと考えています。
ただそういった内面性を高めるためには、自分からアクションを起こして人と関わらなければいけない。サークル活動もその大きな役割を担う一つです。

自分はワセカープの活動を通して、人に寄り添うことの大切さを学びました。
これまで「ちょっと苦手かも…」と感じる人と向き合うことってあんまりしてこなかったんです。距離を置くことがお互いのためかなと。
でもワセカープではそういう人とも逃げずに話し合うようにしました。すると自分自身の課題が見えてきたり、意外と分かり合えて深い関係が築けたりします。そういうことを繰り返すうちに、誰とでも分け隔てなく人間関係を形成する喜びに気づけました。

もちろん人間関係以外にも、組織を運営する難しさも分かりますし、課題を解決したときの達成感も味わえます。ゴミ拾い活動も地域のためになっていると思っていたら、実は自分の成長にもなっていました。
これから始める方は、自分の能力も伸ばせるチャンスだと思ってぜひチャレンジしていただきたいですね!
そして未来の世代にきれいな環境を残せるよう、これからも毎日わせまちPJを続けていきたいと思います。

---ありがとうございました!さらにワセカープさんの活動内容を詳しく知りたい方は、Twitter・Instagram・公式HPをチェックしてみてください。

>>Twitter
>>Instagram
>>公式HP

【付録】ワセカープさんおすすめ!ゴミ拾いグッズ


※画像はイメージです。

ワセカープさんは毎日ゴミ拾いを続けるいわばその道のプロ。そんな彼らがおすすめするゴミ拾いグッズを紹介します!
 

永塚製作所 ゴミ拾いトング マジップ(MAGIP)


永塚製作所は、新潟県三条市にある清掃用品のゴミ拾いトングや園芸スコップなどの金属雑貨の製造メーカーです。

ワセカープさんによれば、この永塚製作所のゴミ拾いトング マジップ(MAGIP)は、持ち手と先端にシリコン製のグリップが付いていて、
・細かいゴミでもつかみやすい
・挟むのにそこまで力を入れる必要がない
ため長時間拾っていても疲れないとのこと。

ワセカープさんがマジップ(MAGIP)を知ったのは、全国のゴミ拾いや環境に関するイベントの情報が集まるポータルサイト「BLUE SHIP」から特製のトングをプレゼントされたことがきっかけだったといいます。

BLUE SHIPは、全国のゴミ拾い活動を行っている団体やイベントを簡単に検索できるので、自分でサークルを立ち上げたり企画する前に、まずはゴミ拾いに参加しておきたいという方はぜひチェックしてみてください。

>>永塚製作所 ゴミ拾いトング マジップ(MAGIP)はこちらから

>>BLUE SHIPはこちらから
 

ゴミピッカー


ゴミピッカーは、手元のレバーを引くと先端のマジックハンドがゴミを挟んでくれる優れものです。手が汚れないことに加えて、商品は80cm前後のものが多いため、手が届かない場所に落ちているゴミも拾えます。

また、立ったまま拾えるのもポイントです。ゴミを見つけるたびにかがむ必要がなく、疲労軽減にも。

>>ゴミピッカーはこちらから

プラスチックゴミ削減に効果的なエティークのご検討も!

ゴミを捨てない・ゴミを拾う人を増やすことに加えて、ゴミを出さないことも環境を守るための行動の1つです。

そこで本サイトエシカミーが取り扱っているプラスチック削減を目指すシャンプー・コンディショナーバー「エティーク」をチェックしてみてはいかがでしょうか。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

 

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