今回は、株式会社タカギの代表取締役社長であり、ayameを立ち上げた髙木麻衣さんに、ブランド立ち上げの経緯や商品への想いを伺ってきました。
◆プロフィール
株式会社タカギ 代表取締役社長 髙木麻衣(たかぎ まい)
創業92年の歴史ある会社であり、サニタリーショーツのパイオニアであることから、「温故知新」という四字熟語をテーマに会社経営をしています。また、女性経営者であるからこその視点を日々意識するようにしております。プライベートでは娘が三人おり、仕事と子育てに日々奮闘しています!
女性が活躍しやすい社会を願って立ち上げられた「ayame(アヤメ)」
—今日はよろしくお願いします!まずは、ブランド立ち上げの経緯を教えてください。
髙木 ayame(アヤメ)を運営する株式会社タカギは、1930年の創業以来サニタリーショーツのパイオニアとして女性のカラダに向き合ってきた会社です。近年では創業当時と比べると生理用ナプキンの品質も向上したため、他の女性インナーに力を入れたブランドを展開していました。
その中で、再びサニタリ―ショーツに特化したブランドを立ち上げたのは、2015年に採択されたSDGsがきっかけでした。以前勤めていた職場でジェンダーギャップを感じる瞬間があり、女性がもっと活躍できるジェンダーレスな社会を作りたいと考えていたからです。
—SDGsの目標と、髙木さんの目指す方向が同じだったことがきっかけとなったのですね。
髙木 そうですね。男女が共生する社会を実現するために、私たちタカギの強みを活かしてできることは、月経についての正しい情報発信や、女性の健康に寄り添えるような製品作りです。
そのため、CSR(社会貢献)活動として、2018年に「HAPPPY(ハッピー)プロジェクト」を立ち上げ、小学生の男女を対象とした月経講座を定期的に行い、正しい知識や対処方法を伝えてきました。
このような活動の中で、女性が一生涯付き合っていく「月経」をより快適にし、アクティブで前向きな生活のために応援したいという想いが強くなり、ayameの立ち上げに至りました。
—ayame(アヤメ)というブランド名の由来を教えてください。
髙木 ayame(アヤメ)は、株式会社タカギを創業した私の祖母の名前「髙木アヤメ」が由来です。
祖母の時代の女性は、生理時にごわごわした脱脂綿を使っており、快適とはほど遠かったと聞いています。そのため祖母は、ナプキンの進化に合わせ、糸・生地・パターンを独自に開発し、履き心地にとことん追求したサニタリーショーツを作りました。
また、しんどい日でも気分が上がるように、黒以外のカラーを使ったり、プリント物を採用するなど、当時では考えられない発想にチャレンジしました。
「創業時から力を入れてきたカテゴリーで、そして祖母が女性のために追求してきたモノづくりへの信念を、現代のアイテムとしてつなげたい」と思い、祖母の名前をブランド名にしました。
—「ayame」には、髙木さんのジェンダーレスな社会を実現したいという想いと、創業以来受け継がれてきたおばあさまの想いが込められているのですね。
新スタイルの吸水ショーツayame(アヤメ)の特徴
—ではここからは、製品について詳しくお伺いしていきます。まずは、ayameのショーツの特徴を教えてください。
髙木 ayameのショーツは、マチ部分のポケットから、独自の4層構造の布ナプキン「エコナップ」の取り外しができることが特徴です。
—吸水ショーツというと、ナプキンとショーツが一体型になっていて、取り外しできないものが多い印象です。なぜこのような分離型にしたのでしょう?
髙木 デリケートゾーンの衛生面や肌ざわりに配慮しました。ayameでは、マチ部分に直接ナプキンや吸水パットをつけるのではなく、ポケットに収納して内蔵できる形にしています。肌に触れる部分には抗菌防臭のドライタッチ加工がされており、常にさらっとした状態をキープできるのです。
—吸水後も、さらっと快適に過ごせそうな構造になっているということですね。
生理の日の身体と心に寄り添う3つの工夫
—他にも、ayameのポイントを教えてください。
髙木 一つは、肌あたりの優しさです。
生地にはコットンに加えて、絹のような肌触りや高い吸湿性が特徴のレーヨンが織り込まれているので、柔らかく仕上がっています。お客様からも肌あたりが気持ちいいとお声を頂きます。
髙木 そしてよりサステナブルなつくりにもこだわっています。使用しているレーヨンは木材を利用した再生繊維です。さらに、2022年3月1日より全ての製品でオーガニックコットンを使用するようになりました。※エシカミーでは順次切り替え
—環境にも配慮しながら、優しい肌あたりを実現しているんですね。私も実際に使ってみましたが、温かみも感じられて心地よかったです。
髙木 ありがとうございます。2つ目のポイントは、身体へフィットし、締め付けないことです。
サニタリーショーツに関わらず、インナーは使用頻度が高く、洗濯回数が多くなる分、生地の傷みや型崩れも早いです。その点ayameのショーツは、履いていると自分の身体に合わせて伸び、フィットする一方で、元の形状に戻ってくる「キックバック」の強度が優れています。
さらに生理前後の女性の身体は、ホルモンの関係でどうしても血流が滞ってしまいがちです。そのため、締め付けの原因となるウエストや足回りのゴムをなくし、縫い目が肌に直接当たらないような仕様にするなど、できる限り身体に優しい設計にしました。
—確かに生理前後はむくみが気になるので、締め付けがないのは非常に嬉しいです。
髙木 3つ目は、気持ちが上がるカラーバリエーションです。
髙木 上から時計回りにaloe(アロエ)、susu(スス)、ayame(アヤメ)と、自然から名付けられています。
—穏やかで落ち着きのあるニュアンスカラーが素敵ですね。
髙木 ありがとうございます。また、2021年12月に発売された「hiiro(ヒイロ)」は、日本の始まりの地であり、株式会社タカギの発祥の地でもある奈良からヒントを得ました。古来より太陽や火を表し、自然のパワーを与えてくれるような色です。
髙木 心が穏やかになるようなカラーで、「ブルーデイ」とも言われる生理の日を少しでも前向きな気持ちで過ごしていただけたら嬉しいですね。
体調によってショーツ丈や使い方を変えてより心地よく
—ayameのサニタリ―ショーツには、女性の身体や心に優しい配慮がされていることがわかりました。ここからはayameのショーツの選び方や使い方についてのお話を聞かせてください。
髙木 ayameのショーツは、3つの丈から選べます。定番のスタンダード丈、お腹をすっぽり包み込んでくれるハイウエスト丈、また、アウターに響きにくいショート丈です。
—初めて吸水ショーツを手に取る方にはどのタイプがおすすめですか?
髙木 まずはスタンダードがおすすめです。程よい丈で動きやすい一方、お腹や足口周りがしっかりと包みこまれており安心感があります。
ただ、冷えが気になる方にはハイウエスト丈をおすすめしています。おへそ下までしっかりと温めてくれてることに加えて、締め付け感がないのでとても快適です。
—体調によっても使い分けができそうですね。
髙木 そうですね。例えば、生理初期はお腹を冷やさないようにスタンダードやハイウエスト丈、終わりかけは動きやすいショート丈と、ご自身の身体に合わせて使い分けしていただくのもおすすめですよ。
—使用のタイミングについて教えてください。
まずは、少ない日や終わりかけのタイミングで使用していただければと思います。その場合、エコナップパット一枚で一日中OKです。
また、ショーツのマチ部分自体にも防水布が付いていますので、軽い日や、そろそろ始まるかなというタイミングでは、エコナップパットなしでも使用していただけますよ。
—多い日に使いたい場合はいかがでしょう?
髙木 多い日にはエコナップパットと、他のアイテムを併用していただくことをおすすめします。
—アイテムを活用すれば、生理の時期を通して使用できるのですね。
ayame(アヤメ)のサステナブルな工夫で、持ち運びの心配なし
—外出先で使用する場合はどのように持ち運ぶのがベストでしょうか。
髙木 商品の梱包に使われている不織布のバッグが、エコナップやショーツの持ち運びに活用できるようになっています。以前はビニールで梱包していましたが、サステナブルな観点から、持ち運びに活用できるバッグに変更しました。
バッグはジップタイプになっていて、ニオイ漏れを防ぐ効果のある消臭レーヨンを使用していますので、使用後のパットを入れて頂いても問題ありません。洗濯もできるので繰り返し清潔に使って頂けます。
—繰り返し使えるナプキンの持ち運びは悩むポイントなので、バッグが付いているのはありがたいです!続いて、使用後のお手入れに関して教えてください。
髙木 ショーツもパットも、水洗いで軽く汚れを落としてから、洗剤を溶かしたぬるま湯で20分〜30分程付け置きしてください。汚れが落ちたら、ネットに入れて洗濯機で洗って頂いてもOKです。乾燥機の使用はできないのでご注意下さい。
また、パットとショーツが分離しているからこそ、汚れがしっかりと落としやすく、乾きやすいのも特徴です。
—汚れを落とした後に洗濯機で洗えることに加えて乾きやすいので、清潔に気持ちよく使い続けられますね。
ayame(アヤメ)の商品とともに、ジェンダーレスな社会を実現したい
—最後に、髙木さんからメッセージをお願い致します。髙木 商品の快適さに加えて「ジェンダーレスな社会を実現したい」というブランドに込められた想いもお客様にしっかりと伝えていきたいです。
まだまだ日本ではジェンダーギャップが大きく、男性の育休が取りにくい、女性管理職が少ないなどの現状も見られます。また、生理による体調不良で学校や会社を休む場合も、周囲に理解してもらえず困っている方もいらっしゃいます。
ですから、ayameというブランドや月経の正しい知識の啓発活動を通して、一概に「ブルーデイ」と言われてしまう生理について自分自身で向き合ったり、男女が正しい知識を持って理解しあい、気遣うきっかけになればと思っています。
このようなコンセプトとともに、ayameの商品でより多くの人をサポートしていきたいですね。
—本日は貴重なお話ありがとうございました。ayameのサニタリ―ショーツは当サイト、ethicame(エシカミー)でも取り扱っております。気になる方は是非チェックされてみてくださいね。
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