これからの季節、手のかゆみやひび割れによる痛みに悩まされる方も多いと思います。また、手元は自分からも人からも見えやすいパーツなので、赤みや乾燥を防ぎたいですよね。
そんな手荒れ対策に欠かせないのが、ハンドクリームです。とはいえ、成分もテクスチャーもさまざまな種類が発売されているため、どのハンドクリームを選べばいいか迷っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ハンドクリームの選び方と手荒れにおすすめのアイテムをご紹介します。ぜひ、自分に合ったハンドクリームを探す参考にしてください。
ハンドクリームについて知る前に、手荒れが起こる原因について理解を深めておきましょう。
手荒れが起こる原因は大きく分けて「手の皮膚のつくり」と「物理的刺激の多さ」の2つです。
手の皮膚は皮脂腺が少ないため、肌の水分が出ていきやすくなっています。また、皮膚を守るために角質層が厚くなっていますが、弾力性に欠けるのが難点です。そして乾燥すると、より弾力性が失われてしまい、ちょっとした刺激でもひび割れを起こしてしまいます。
手は物に触れる機会が多いパーツです。洗剤のような化学物質による刺激のほか、指先を使った作業による物との摩擦は避けられません。そういった肌の刺激が、乾燥を進行させたり炎症につながったりして、手荒れが起こってしまいます。
ここからは、ハンドクリームの主な成分やそれぞれの効能についてご説明します。
ハンドクリームは、主成分によって大きく「保湿系」「バリア系」「尿素系」「ビタミン系」の4種類に分類できます。1つずつ見ていきましょう。
1つ目が「保湿系」と呼ばれるタイプです。肌の角質層に働きかけて水分を補い、バリア機能を高める効果が期待できます。グリセリンやセラミド、ヒアルロン酸などがこれにあたります。
グリセリンは、塗ると肌がしっとりとした感触になる粘性の高い液体です。吸水性が高く、外部から水分を引き寄せて肌にうるおいを与えます。
セラミドは肌のうるおいを保つ働きをしています。もともと皮膚の角質層に存在しており、肌の細胞と細胞の間にある水分を抱え込んで、蒸発を防いでいるのです。ハンドクリームからセラミドを補給することで、この働きをサポートできるでしょう。
ヒアルロン酸は、1gで6リットルもの水分を抱えられるほどの高い保水力が特徴です。この保水力によって、角質層内の水分を抱え込んで乾燥を防ぎます。また、水がたっぷりと入った水風船のようにハリのある肌へ導いてくれます。
2つ目はバリア系です。油で肌の上に膜を張ることで、水分の蒸発を防いだり刺激から肌を守ったりする役割があります。バリア系のハンドクリームに含まれる代表的な成分は、ワセリン、スクワラン、シアバターです。
ワセリンは、石油から精製された保湿材です。肌の表面に油膜を張って、水分の蒸発を防ぎます。油膜を張ることで、ひび割れや赤切れなども保護できるでしょう。
スクワランは粒子が小さく、角質層まで浸透するといわれる成分です。肌に膜を張るだけでなく、角質層まで浸透して肌のターンオーバーを整えます。炎症が起きにくい肌へ導くことで、手荒れ防止にも効果が期待できます。
シアの木から採れるシアバターは、肌表面を覆ってうるおいを保ちながら、外部刺激からも守ってくれます。オレイン酸が豊富で、体温でとろけて肌によくなじむことから人気の成分です。リノール酸やトコフェロールなど、シアバターに含まれている栄養を補給することもでき、ふっくらとハリのある肌づくりにも繋がるでしょう。
3つ目は「尿素系」です。乾燥でごわついた肌を柔らかくする効果が期待できます。尿素の含まれる濃度によって、保湿や手荒れ防止など効能が変わります。
4つ目は「ビタミン系」です。名前の通り、ビタミンEやビタミンCが配合されたハンドクリームです。ビタミンの種類によって肌のハリやツヤ、肌荒れ防止など効能が異なります。
ビタミンCは、肌にハリを与え維持する成分です。これによって肌の弾力性が増し、ひび割れを起こしにくくなります。肌荒れを事前に防ぎながら、つややかで滑らかな肌へと導いてくれるでしょう。
トコフェロールと呼ばれることもあるビタミンEは、角質層をイキイキとさせ、健やかな肌に整えると言われています。ターンオーバーの整った肌に導くため、乾燥や炎症が起こりにくくなるという仕組みです。
肌の状態に合わせて、必要な成分を配合したものを選ぶことが大切です。
ここからは、ハンドクリームの選び方について見ていきましょう。ここでは、「手荒れに合った成分」「伸ばしやすく過ごしやすいテクスチャー」「心地いい香り」の3つに着目した選び方を紹介します。
最も大切なのは、手荒れの状態や解決したいお悩みに合った成分が含まれているハンドクリームを選択することです。
手荒れを事前に防ぎたいという方におすすめの成分は、ビタミンEと尿素、グリチルリチン酸です。
まだ赤みやひび割れが起きていない、または軽めの症状である場合は、ビタミンEと高濃度の尿素が含まれているハンドクリームが適しています。手荒れがひどいときは、グリチルリチン酸を取り入れてケアしましょう。
肌の乾燥を防ぐ方法は、「肌に水分を補給すること」と「水分が逃げないようにすること(保湿)」の2つがあります。
肌に水分を補給したい場合は、周囲から水分を取り込む効果を持つグリセリンや低濃度の尿素がおすすめです。
肌の保湿には、細胞内の水分を抱え込むセラミドやヒアルロン酸がいいでしょう。また、水分が逃げないように油でフタをするなら、ワセリンやシアバターが適しています。スクワランやホホバオイル、また「○○油」と書かれている成分にも同様の役割があります。
肌のツヤやハリなど、美容面のお悩みにはビタミン類やヒアルロン酸などでアプローチしましょう。肌の乾燥によるくすみが気になる場合はビタミンC、ビタミンEがおすすめです。ふっくらとハリのある肌を目指したい場合は、ヒアルロン酸やコラーゲンが適しています。
肌質によって、必要な成分も変わってきます。カサカサしていて粉が吹いたように白っぽくなる乾燥肌には、グリセリンや尿素で水分をチャージしましょう。
ひび割れのある肌には、肌荒れ防止成分のビタミンEや、グリチルリチン酸がおすすめです。
赤みやかゆみの出やすい敏感肌は、刺激の少ないヘパリン類似物質やセラミドでケアしましょう。
ハンドクリームは、手洗いや家事のたびに塗り直すことも多いからこそ、テクスチャーも重要です。伸びがよく、すんなりと肌になじむタイプであれば、仕事中や外出先でもサッと塗り直せるでしょう。
さらに、ハンドクリームを塗った後の肌の質感も重要です。日中に使うものであれば、塗った直後にスマートフォンやパソコンに触れられるよう、サラッとしたタイプがおすすめです。一方で、寝る前にしっかりと保湿をするなら、重めのテクスチャーを選びましょう。
見分け方のひとつとして、ここでも成分に注目すると良いでしょう。グリセリンやスクワランのような角質層に届きやすい成分はべたつきが残りにくい軽やかな質感と言われています。反対に、肌表面に留まるワセリンやシアバターを多く含むハンドクリームは重めな傾向があります。成分表には含有量が多い順に表示されるため、購入前にどの成分がメインになっているかを確認してみましょう。
心地よく使えるような香りのハンドクリームを選ぶことは、ハンドケアを習慣化して手荒れを防ぐことにもつながります。フローラル系やシトラス系、ウッディ系など自分が心地よく感じる香りを見つけましょう。また、「ハンドクリームの香りが強すぎて職場では使えない」といったことを防ぐために、香りの濃さもチェックしておくと安心です。強い香りが苦手な人や普段から香水を使う人は、無香料タイプもおすすめです。
手荒れを防ぐためには、ハンドクリームの適切な量や回数を守ることも重要です。そこで、ここでは「ハーブファーマシー ハンドクリーム」を例に、実際の画像を交えながら効果的なハンドクリームの使い方を説明します。
小さじ1/2程度を手に塗り、優しくマッサージするようになじませましょう。強く擦りすぎると、肌への摩擦がダメージになってしまう可能性があります。
また、塗り過ぎは乾燥につながると心配する方もいますが、一般的にそのようなことはありません。とはいえ、塗り過ぎるとべたつきの原因にもなるので、適量をこまめに塗布することをおすすめします。
成分や選び方を押さえても、ハンドクリームの種類が多すぎて悩んでしまうことがありますよね。そこで、手荒れ防止におすすめのハンドクリームを10点ご紹介します。自分用にはもちろん、ギフトにもぴったりなアイテムが豊富なのでぜひ最後までチェックしてくださいね。
「ハーブファーマシー ハンドクリーム」は、自社農園のハーブがたっぷりと使用されたハンドクリームです。カレンデュラ*¹やマーシュマロウ*²、コンフリー*³などのハーブによって、肌を柔らかくするほか炎症を鎮める効果も期待できます。イギリスの第三者機関、ソイルアソシエーションの厳しい基準をクリアして認定を受けた製品なので、安心して使えるうえに環境保護にも貢献できることもポイントです。
また、ハンドクリームを肌に乗せるとペパーミントのすっきりとした香りが漂います。時間とともに、ラベンダーの優しい香りに移り変わっていく様子も楽しめます。肌に栄養をチャージしながら、手荒れを防ぎたい人におすすめですよ。
*1トウキンセンカ花エキス(整肌成分)*2アルテア根エキス(整肌成分)*3コンフリー葉エキス(整肌成分)
ハーブファーマシー|HF ハンドクリーム 30ml 通常価格:3,300円(税込)
(画像出典:シア ハンドクリーム 30mL|ハンドケア|ロクシタン公式通販)
「シア ハンドクリーム」は、名前の通り保湿成分のシアバターがたっぷりと含まれたロクシタンの代表的なアイテムです。グリセリンも配合されているため、肌にうるおいを与えながらシアバターでフタをできるのが魅力。「シア ハンドクリーム」を中心に、ローズやチェリーブロッサムなどの香りも展開されており、幅広いバリエーションから香りを選べます。
シアバターのたっぷり入ったハンドクリームは、はじめは硬めですが体温でとろけて肌になじみます。しっとりとした仕上がりなので、寝る前の保湿や水仕事の前後に使いたい人におすすめです。
ロクシタン|シア ハンドクリーム 30mL 通常価格:1,595円(税込)
(画像出典:HACCI公式オンラインストア/ハンドクリーム マドモワゼル-PRODUCT)
ハッチの「ハンドクリーム マドモワゼル」は、保湿成分としてはちみつやミツロウ、ローヤルゼリーエキスが配合されています。グリチルリチン酸を豊富に含むカンゾウ根エキスのほか、トコフェロールも含まれていて、肌荒れを防いでくれるでしょう。さらに、UVカット効果があると言われるメトキシケイヒ酸エチルヘキシルが入っており、紫外線による刺激からも肌を守れるのが特徴です。
カンゾウ根エキスやトコフェロールによる抗炎症作用が期待できるため、ひび割れが気になる人には特におすすめ。また、はちみつ由来の成分やヒアルロン酸などで、ハリのある肌にアプローチすることもできます。
ハッチ|ハンドクリーム マドモワゼル 25g 通常価格:2,860円(税込)
(画像出典:キールズ ハンド サルブ | ハンドクリーム | キールズ公式オンラインストア)
「キールズ ハンド サルブ」は、保湿成分としてグリセリンや人工油脂が多く含まれるのが特徴です。さっぱりとしたテクスチャーで塗った直後から作業ができます。アラントインやトコフェロールなど、肌荒れ防止が期待できる成分も配合されているのが嬉しいポイントです。
クリーム自体は硬めですが、肌になじませていくうちにシルクのような滑らかな質感へと変わります。ハーブ系の清涼感がある香りで、ハンドケアをしながらリフレッシュしたい人におすすめです。
キールズ|キールズ ハンド サルブ 74g 通常価格:2,200円(税込)
(画像出典:アンドラム アロマティック ハンドバーム | Aesop 日本)
「アンドラム アロマティック ハンドバーム」は、植物由来の保湿成分を中心に作られています。マンダリンオレンジ果皮油やローズマリー葉油といった香りのある保湿成分も含まれており、シトラスハーブの心地よい香りが人気です。
柔らかいクリームでサッと肌になじむため、軽いテクスチャーのハンドクリームが好きな人におすすめ。ナチュラルな香りとスタイリッシュなパッケージで、年齢や性別に関係なく使いやすい点も魅力です。
イソップ|アンドラム アロマティック ハンドバーム 75mL 通常価格:3,850円(税込)
(画像出典:uka hand cream 18:30 | uka公式オンラインストア ukakau)
ウカの「hand cream 18:30」は、単体でも化粧水に使われることもあるネロリウォーターをベースに作られており、高い保湿効果が期待できます。ビタミンEを豊富に含むインカインチオイルも含まれているため、手荒れ防止にも使えるハンドクリームです。
肌に水分や栄養を届けるタイプのハンドクリームで、テクスチャーは軽め。また、オーガニック由来成分が80%を占めているので、安全で良質な成分にこだわりたい人にもおすすめです。
ウカ|hand cream 18:30 50mL 通常価格:3,630円(税込)
7. スリー「バランシング ハンド & アーム クリーム COSMOS ORGANIC」
(画像出典:THREE バランシング ハンド & アーム クリーム COSMOS ORGANIC)
「バランシング ハンド & アーム クリーム COSMOS ORGANIC」は、ボタニカル成分が豊富に使用されたハンドクリームです。ビタミンA、B、Eが豊富なアルガンオイルやホホバ油を配合することで、肌荒れしにくい肌づくりをサポートします。
さらっとしたテクスチャーの植物脂を中心に使われているため、べたつきにくく仕上げられているのも魅力です。肌にうるおいを与えながらフタもできる、多機能なハンドクリームを探している人に適しています。
スリー|バランシング ハンド & アーム クリーム COSMOS ORGANIC 50g 通常価格:3,520円(税込)
(画像出典:ハーバルハンドクリーム – MARKS&WEB)
スクワランとマカデミア種子油をベースに作られた「ハーバルハンドクリーム」は、肌に油膜を張ることで水分の蒸発を防ぎます。どちらも浸透性の高い保湿成分なので、しっかりとフタをしながらもべたつきが残りません。
また、尿素が含まれているのも特徴です。そのため肌に水分を補給したい人や、手荒れが起こる前にケアするためのハンドクリームを探している人におすすめです。
マークスアンドウェブ|ハーバルハンドクリーム 65g 通常価格:1,500円(税込)
(画像出典:スキンコットン)
「濃厚リペアデイクリーム」は、セラミドやヒアルロン酸が豊富に含まれています。これらの成分を、独自処方により角質層まで浸透させることで肌内部に水分を留める仕組みです。うるおいが持続するため、塗り直しが少なく済ませることが期待できるので、日中は忙しい人におすすめ。
また、トコフェロールとグリチルリチン酸も配合されていて手荒れのケアにも効果が期待できます。無香料なので、香りの強いハンドクリームに抵抗がある人でも使いやすいでしょう。
スキンコットン|濃厚リペア デイクリーム 60g 通常価格:1,320円(税込)
(画像出典:薬用ハンドクリーム 医薬部外品 | ボディ&パーツケア | 製品情報 | Avene)
アベンヌの「薬用ハンドクリーム」は、厚生労働省が認めた有効成分が配合されている医薬部外品です。有効成分のグリチルリチン酸モノアンモニウムと、酢酸DL-α-トコフェロールがひび割れや赤切れを防ぎます。
また、温泉水とミツロウをベースとした「アベンヌコールドクリーム成分」によって、肌にフタをして水分の蒸発を防げるのも魅力です。ひび割れをはじめとする、手荒れの症状が出てしまったときにおすすめのハンドクリームです。
アベンヌ|薬用ハンドクリーム 51g 通常価格:990円(税込)
成分も香りもさまざまなハンドクリームは、種類が多いからこそ自分に合うものがきっと見つかるはずです。今回ご紹介した成分や効果を参考に、肌の状態と相談しながらマッチするものを選んでみてくださいね。
また、手荒れを防ぐにはこまめなケアが不可欠だからこそ、何度でも使いたくなるお気に入りのハンドクリームを見つけるのがハンドケアの第一歩です。香りやテクスチャーも心地よいものを選んで、楽しくハンドケアを続けましょう。