近年、化粧品の商品説明で見かける「クルエルティフリー」という表記。日本ではまだなじみが少ない言葉ですが、世界、特に欧州においてはクルエルティフリーコスメは当たり前になっています。
この記事では、クルエルティフリーコスメの基本知識を説明するとともに、おすすめクルエルティフリーコスメブランドや商品を紹介していきます!
クルエルティフリーコスメとは
クリエルティフリーコスメとは、動物実験を行わずに製造・開発された化粧品のことです。
世界で広まりつつある化粧品の動物実験廃止
現在流通している化粧品の中には、残酷な動物実験を行って製造されたものが存在しており、年間約2億匹の動物が犠牲になっていると推測されています。
しかし化粧品の既存原料の多くは、これまでのデータからその安全性・有効性が確認されているため、新たな動物実験は必要ないとされています。
また、現在は動物実験に置き換わる試験として、培養細胞や人工的に作られた皮膚モデル、コンピューター・モデリングなどが使用されつつあります。
こうした流れを受けて、近年、世界では化粧品の動物実験を禁止する国や地域、企業が増えてきているのです。
例えばEUでは、2013年から化粧品の原料から完成品の製造過程での動物実験を禁止し、さらに、動物実験した化粧品の輸入・販売も禁止しています。
イギリス、スイス、ノルウェー、インド、イスラエル、メキシコ等の国々でも化粧品の動物実験が禁止されている他、完全禁止には至らなくとも、多くの国や地域で法規制が進められています。
しかしその一方で、日本では化粧品の動物実験禁止に関する法律は制定されていません。
日本で販売されている化粧品がクルエルティフリーかどうかは1つ1つ個人で確認する他ないのが現状です。
参考元:・Cruelty Free International
・EUで化粧品の動物実験が禁止されるまで | 動物実験の廃止を求める会(JAVA)
・化粧品の動物実験を禁止する国の一覧
「クルエルティフリー」についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてください!>>>クルエルティフリーとは
ヴィーガンコスメとの違いは?
クルエルティフリーコスメと混同されやすいのがヴィーガンコスメです。
ヴィーガンとは、「あらゆる動物搾取を避ける」という考え方・行動です。
一般的には食事の面が有名ですが、衣類や日用品などにおいて動物由来の物を取り入れないこともヴィーガンです。
化粧品においても同様で、
といった条件をクリアした化粧品がヴィーガンコスメと言えます。
一方で、クルエルティフリーコスメは「動物実験をしていない」ことに焦点をあてているため、原料に動物由来成分が含まれていることもあります。
つまり、ヴィーガンコスメとクルエルティフリーコスメの違いは、原料に動物由来成分が含まれているか否かであると言えるでしょう。
動物に特に優しい化粧品を選択したい方は、クルエルティフリー&ヴィーガンなコスメを選ぶことをおすすめします。
「ヴィーガン」についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてください!>>>ヴィーガン(ビーガン)とは?ベジタリアンとの違いや実践者が感じたメリット・簡単レシピを紹介!
代表的なクルエルティフリー認証マーク
ここからは、代表的なクルエルティフリー認証マークを紹介していきます。
Cruelty Free International「リーピングバニー」
1898年に設立されたCruelty Free Internationalは、世界中の動物実験を廃止するための活動を行っている団体です。
そんなCruelty Free Internationalが認証する「リーピングバニー」は、消費者が日常的に扱う製品(化粧品やパーソナルケア用品、家庭用品、クリーニング用品)が動物実験を行わずに作られた製品であることを保証するクルエルティフリー認定マークです。
なお、リーピングバニーを取得するには、企業は自社ブランドの全商品の承認を受ける必要があります。
PETA(ペタ) 「Beauty Without Bunnies」
動物の権利を擁護する国際的非営利団体「PETA(People for the Ethical Treatment of Animals )」は、世界中のあらゆる動物搾取・虐待をなくすために活動しています。
PETAのクルエルティフリー認証マークである「Beauty Without Bunnies」は下記の2種類があります。
なお、PETAのHPまたはスマホアプリ(iPhone版、Android版)では、企業が動物実験をしているか否かを調べることができます。
愛用しているコスメブランドがクルエルティフリーであるかどうか、一度調べてみるのも良いかもしれませんね。
IHTK 「IHTK認証」
IHTKは、動物や環境、消費者の保護を目的とする国際的製造業者団体です。
IHTK認証は、化粧品の開発・製造・テストといった全ての過程での動物実験を禁止しています。さらには、
などといった基準が設けられており、とても厳しい認証システムとなっています。
日本で手に入る!おすすめクルエルティフリーコスメブランド&商品9選!
続いては、数あるクルエルティフリーコスメの中でも、日本の店舗やオンラインストアで購入できるブランド・商品を一覧で紹介します。
おすすめブランド&商品一覧
基礎化粧品部門 |
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カテゴリー |
ブランド名 |
商品名 |
クレンジング |
MARTINA |
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洗顔料 |
Herbivore Botanicals |
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化粧水 |
PRIMAVERA |
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保湿クリーム |
herbfarmacy |
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カテゴリー |
ブランド名 |
商品名 |
ファンデーション |
bareMinerals |
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ハイライト |
rms beauty |
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カテゴリー |
ブランド名 |
商品名 |
シャンプー・ |
ETHIQUE |
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カテゴリー |
ブランド名 |
商品名 |
ネイルポリッシュ |
manucurist |
|
除光液 |
manucurist |
おすすめクルエルティフリー基礎化粧品
クレンジング 「MARTINA ローズクレンジングミルク」
MARTINA(マルティナ)は、ドイツ生まれの自然化粧品です。
すべての原料が自然素材かつ高品質であることにこだわりを持っており、石油系合成界面活性剤を使用していないばかりか、植物エキスを抽出する際にも石油溶剤を使いません。
そんなマルティナの「ローズクレンジングミルク」は、保湿・柔軟成分としてオリーブ果実油、肌荒れを抑える成分としてダマスクローズが配合されています。
肌に負担をかけずにクレンジングを行いたい方、敏感肌や乾燥肌の方におすすめの商品です。
洗顔料 「Herbivore Botanicals ピンククラウドクリームジェルクレンザー」
アメリカ・シアトル生まれのHerbivore Botanicals(ハービヴォアボタニカルズ)は、スキンケア用品やバスソルトなどを販売しています。
商品は植物や鉱物由来の原料100%で作られており、動物由来成分やパラベン、化学薬品、石油由来成分などは含まれていません。
「ピンククラウドクリームジェルクレンザー」はジェルクリームタイプのメイク落とし&洗顔です。
こちらの商品は、ノンコメドジェニック※オイルであるヴィーガンスクワランが使われており、ニキビ肌や毛穴の黒ずみなどが気になる方に特におすすめです。
※ノンコメドジェニックとは...毛穴が詰まったニキビの初期の状態(コメドまたは面皰〈めんぽう〉)が出来にくい成分・製品のこと。
化粧水 「PRIMAVERA ラベンダーウォーター bio」
IHTK認証を取得しているPRIMAVERA(プリマヴェーラ)は、ドイツのヘルスケア施設で使用されているほどの高い品質を保つアロマ・スキンケア用品ブランドです。
化粧水「ラベンダーウォーターbio」は、精油を抽出する際に得られるラベンダー花水から作られており、合成香料や保存料は使用されていません。
顔だけではなく、体や髪へのケア、手作り香水の基材としても使用できる、汎用性が高い一品です。
保湿クリーム 「herbfarmacy マロービューティバーム」
イギリスで誕生したherbfarmacy(ハーブファーマシー)は、全ての商品がソイルアソシエーション(英国土壌協会)の認定を取得しているオーガニックスキンケアブランドです。
ハーブファーマシーの代表商品である「マロービューティーバーム」は、保湿力に優れており、1品5役(フェイスマスクやマッサージオイル、クリーム、アイクリーム、美容液)をこなします。
全ての肌タイプの方に使えますが、乾燥肌や目もとケアを行いたい方に特におすすめの商品です。
おすすめクルエルティフリーメーキャップ化粧品
ファンデーション 「bareMinerals オリジナル ファンデーション」
「スキンケアのようなファンデーション」で有名なbareMinerals(ベアミネラル)は、肌にも環境にも負担をかけない製品作りに取り組む化粧品ブランドです。
この「オリジナルファンデーション」は、5種類のミネラル成分で作られているクルエルティフリー&ヴィーガンなファンデーションです。
紫外線吸収剤不使用ですが、紫外線カット効果(SPF15・UA++)もあるので、外出時だけではなく、室内での日焼け対策としての使用もおすすめですよ。
ハイライト 「rms beauty ルミナイザークワッド」
rms Beauty(アールエムエスビューティー)は、有害な成分や合成した原料を使用しないことや、原料に含まれる酵素や栄養素を破壊しない加工方法を採用するといったこだわりの製品作りを行うブランドです。
そんなrms beautyのおすすめは、1つのパレットに4色のハイライトが詰まった「ルミナイザークワット」。ハイライトとしてはもちろん、他の化粧品と混ぜても使える万能コスメです。
主な原料はヒマシ油やヤシ油、ミツロウ、ローズマリー葉エキス。適度な艶感で潤いのある肌に仕上げられます。
おすすめクルエルティフリーシャンプー系
シャンプー&コンディショナー 「ETHIQUE ヘアケアセット」
ニュージーランドのブランドETHIQUE(エティーク)は、Cruelty Free InternationalやPeTAの認証を取得し、クルエルティフリー&ヴィーガンを証明しています。さらに、パッケージや輸送におけるプラスチックフリー化や、ダイレクトトレードによる生産者との公平な取引を実現した、人・動物・環境の三方に優しいブランドです。
エティークの代表商品であるシャンプーバー・コンディショナーバーはともに単品で購入できますが、初めて購入する方は髪のお悩み別に組み合わせてあるヘアケアセットの購入をおすすめします。
・髪の広がりやダメージが気になる方、パーマや癖毛の方におすすめ→
・髪の乾燥が気になる方、ボリュームアップしたい方におすすめ→
・オイリーヘアでお悩みの方におすすめ(ノーマルヘアの方にも◎)→
おすすめクルエルティフリーネイル用品
ネイルポリッシュ 「manucurist green」
manucurist(マニキュリスト)は、フランスで生まれた化粧品ブランドです。
「green」は、主成分がキャッサバや綿、じゃがいもなどから作られたクルエルティフリー&ヴィーガンのネイルポリッシュです。
原料は、トルエンやDBP(フタル酸ジブチル)、ホルムアルデヒドを含む9つの有害成分を使用せず、体に優しい商品となっています。
除光液 「manucurist ポリッシュリムーバー」
同じくマニュキリストから、セルフネイルには欠かせない除光液を紹介します。
こちらのポリッシュリムーバー(除光液)は原料にアーモンドオイルが使用されているため、爪の潤いを保ちつつネイルオフできる優れもの。
アセトンフリーで爪が白くなりにくいのも嬉しいポイントです。
クルエルティフリーコスメを選んで動物に優しい世界を作ろう
世界ではクルエルティフリーコスメはスタンダードな選択になってきています。
しかし、日本では化粧品に対する動物実験の法規制はなく、多くの動物たちが動物実験で苦しんでいます。
企業の行動を変えるのは私たち消費者の選択にかかっています。
クルエルティフリーコスメを使って、動物に優しい社会を作っていきませんか。