今回は、吉祥寺にあるサステナブルを身近に体験できるカフェ「yacore cafe(ヤコアカフェ)」のマネージャー新藤昂也さん(写真左)にお話をお伺いしました。
◆プロフィール
新藤昂也(しんどう たかや)
yacore cafe(ヤコアカフェ)のマネージャー。
大好きなカフェを通してサステナブルなライフスタイルを体験してほしいという想いから、2021年11月1日、東京都吉祥寺にヤコアカフェをオープン。
お店のすべてが「やさしい」yacore cafe(ヤコアカフェ)
---今日はよろしくお願いします!早速ですが、yacore cafe(ヤコアカフェ)について教えてください。
新藤 「やさしさのプラットフォーム」をコンセプトに、環境・社会・人にやさしいプラントベースcafeとして、2021年11月にオープンしました。
---なぜこのコンセプトを掲げられているのでしょうか。
新藤 最近「エシカル」「サステナブル」といった言葉の認知度が高くなってきました。「地球や環境が危険な状態だ」と、なんとなく認識している人が増えている証だと思います。
その一方で、「具体的に何をすれば良いのかわからない」と悩んでいる人も多いと感じています。そういった方々に向けて、「エシカル」「サステナブル」を実感していただきたいなと。
「知る」ことも大切ですが、やはり体験することで、より「自分ごと化」できると思っています。そこでyacore cafe(ヤコアカフェ)では、食やインテリア、お店の制度など、すべての面において人・社会・環境に配慮したやさしい空間を提供し、お客様に体験していただきたいという想いがあります。
---あらゆる面から「やさしさ」を実感できるお店なんですね。
新藤 はい。私たちは、お店を訪れるお客様に、それぞれが気になる「やさしさ」をみつけ、深掘りしていただきたいという想いを持っています。とはいえ、人によって「やさしさ」の定義や興味のある分野も異なります。幅広いニーズに応えるためには、ありとあらゆる部分をやさしくする必要があったんです。
---確かに、食に興味がある人もいれば、インテリアが好きという人もいますしね。
新藤 そしてお店での体験を通して、例えば食に興味が湧いたのであれば、プラントベースの料理教室に通ってみるとか、「モノ」であれば長く使えるものを購入するとか、自分に合ったやさしい行動を起こしやすくなるんじゃないかなと思っています。
---だからこそ「インテリア」「食」「小物」など、お店にあるものすべてにおいて「やさしさ」を体験できる設計になっているんですね。では、1つずつこだわりを教えてください。
新藤 まずはインテリアについて紹介します。全体的には、私の大好きな北欧のカフェをイメージしており、トレンドの淡い色味も取り入れてデザインしました。また、人はグリーンが目に入るとやさしい気持ちになれると言います。そこで、お店でも全体的にグリーンなものを多く取り入れています。
---テーブルも素敵ですね。
新藤 ありがとうございます。このテーブルは廃材を購入してつくったものです。
---捨てられるはずだった木材を活用したんですね。
新藤 はい。yacore cafe(ヤコアカフェ)では、廃棄されるはずだった素材をいたるところに使用しています。テーブルの上にあるこのお花も、廃棄予定だったものを買い取り、伝票として再利用しています。
---お花も捨てられるはずだったものとは驚きです。
新藤 コロナ禍で結婚式が減少する中、捨てられる花を何とかしたいと思い考案しました。各テーブルごとに異なる花を挿していて、これをレジに持っていくと会計ができる仕組みです。
---お手洗いにあるディフューザーも素敵ですね。
新藤 あれは千葉県にある菅原工芸硝子さんのもので、職人さんの手作りです。大量生産大量消費が一般的になっている今、手仕事で丁寧につくられているものにもスポットライトを当てていきたいと考えています。
---まさに環境・社会・人にやさしい発想ですね。
yacore cafe(ヤコアカフェ)のメニューは全てプラントベース
---続いては、食のやさしさへのこだわりについて教えてください。
新藤 メニューは全てプラントベースです。食材は可能な限り地産地消/オーガニックにこだわり、ワインや紅茶などはトレーサビリティが明確なものを取り扱っております。例えばyacoreで取り扱いのあるワインの一つには山梨にあるA型就労支援農園で作られているものを取り扱っております。自分も現地に実際に行き、視察も兼ねて体験してきました。
また、アレルギー対応も行っており、安心して食べられるので、家族連れも多いですよ。
---その中でもおすすめのメニューを教えてください。
新藤 おすすめは「yacoreバーガー」です。非遺伝子組み換えの大豆から作られたソイミートを使用しています。さらに、栄養バランスも考えて小麦をさらに育成させた「発芽小麦」のバンズです。
---話題のソイミートを使っているんですね。さらに栄養価も考えられているなんて嬉しいです。
新藤 ありがとうございます。他にもドリンクメニューが充実しているので、ぜひご覧ください。
---「あの人産スムージー」とはどのようなものでしょう?
新藤 使われている材料が、「誰がどこで作った」のかが分かるスムージーです。
味に問題はないのに、形が不揃いなだけで廃棄されてしまうフルーツを引き取り、凍らせてから流通している会社があり、そちらのものを使用しています。
---産地が分かって安心ですし、フードロス削減にもなっているんですね。
新藤 はい。他にも、障害がある方が働ける場を提供している施設からワインを仕入れたり、同じ食材をメニュー間で活用してフードロスを減らしたりなどの工夫もしています。
---同じ食材をメニュー間で活用とはどのようなことでしょうか。
新藤 例えばアボガド。アボカドってすぐに傷んでしまうんです。そのため、アボカトのメニューをいくつか用意しておいて、傷む前にすべて消費させるようにしています。
「やさしさ」を体験したあとに継続できる取り組み
---お店では雑貨の販売もしているんですよね?
新藤 はい、カフェと併設して雑貨の販売スペースを展開しています。自社のオンラインショップ「buddys」で扱ってるサスティナブルな商品や、エシカルなアイテムがそろっています。
私たちは、お客様が体験したことを生活に活かすと同時に、継続していただきたいという想いがあります。
取り扱っている商品は、人・社会・環境にやさしいものしかありません。つまり、ここで雑貨を購入し、日常生活に取り入れるだけで、自然とエシカルな取り組みを続けることになるんです。今後は、さまざまな企業の商品を取り扱ってバリエーションも増やしていきたいですね。
さらに体験して実感できる空間を目指して
---最後に、今後の展望を教えてください。
新藤 ぜひ一度、「人、環境、社会へのやさしさ」を体験しに来ていただきたいです。今、環境問題やSDGsなどが話題になっていますが、知っているのと体験してみるのとではまた違った発見があります。
yacore cafe(ヤコアカフェ)でのエコやサステナブルなポイントも今後増やしていく予定なので、実際にライフスタイルに取り入れられそうなものをみつけてもらえたら嬉しいです。
---今後は、どのような取り組みをしていく予定ですか?
新藤 例えば、メニューに点字を導入する、デリのテイクアウトではお弁当箱持参で割引など、さまざまな取り組みを考えています。メニュー内容もさらに充実させていく予定です。エコと利便性のいい塩梅を見つけながら、やさしさを追及していきます。
---本日は貴重なお話ありがとうございました。
yacore cafe(ヤコアカフェ)店舗情報
電話番号: 0422-26-7410
営業時間: 11:00~19:00
定休日:なし
>>>yaore cafe(ヤコアカフェ)公式Instagramはこちら