近年、レジ袋が有料になったりSDGsへの注目が高まったりしたことで、脱プラスチックの動きが加速しています。その中で、マイクロプラスチックという言葉を耳にする機会が増えたと思います。
では、マイクロプラスチックとは一体どのようなものなのでしょうか。本記事では、マイクロプラスチックについて詳しくお伝えします。普段の生活から私たちができることも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
マイクロプラスチックとは
マイクロプラスチックとは、その名の通りとても細かいプラスチックのことです。具体的な大きさは、5mm以下のサイズのプラスチックとされています。
後ほど詳しく説明しますが、マイクロプラスチックは生態系に悪影響を及ぼすと考えられており、近年特に対策が求められるようになりました。
そんなマイクロプラスチックですが、発生する課程によって一次マイクロプラスチックと二次マイクロプラスチックに分けられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
一次マイクロプラスチック
一次マイクロプラスチックとは、普段私たちが使っている化粧品や洗顔料、歯磨き粉などに含まれるスクラブ剤のように、人間が生産した微細なプラスチックを指します。
汚れをしっかり落とせることから人気があるスクラブ剤ですが、顔を洗った後のことを意識することは少ないかもしれません。
顔を洗った後の水は、排水処理施設に流れていきますが、マイクロビーズは5mm以下であるため、完全に除去することはできません。そのため、処理できないマイクロビーズが川に流れ、やがては海に到達してしまうのです。
二次マイクロプラスチック
二次マイクロプラスチックとは、自然の中に捨てられるなどして流出してしまったプラスチック製品が、紫外線や雨風によって細かくなったものを指します。
例えば海に行った際、浜辺を歩いていると、小さくてカラフルなゴミが落ちていることがあります。これらがまさしく二次マイクロプラスチックです。元々は陸上で人間の手によって製造されたプラスチックボトルなどが、細かくなって浜辺に打ち上げられたのです。
マイクロプラスチックの現状
マイクロプラスチックがどのようなものか分かったところで、現状を確認しましょう。
以下の図は、マイクロプラスチックの密度分布をまとめたものです。
出典:環境省
緑から赤、黒になるにつれてマイクロプラスチックの密度が高いことを示しています。
この図を見ると、世界的にマイクロプラスチックが広まっており、とくに東アジアや東南アジアといった途上国地域からの排出が多いことが分かります。
※これは暗に途上国に住む人々のモラルがないからというわけではありません。本筋からずれるため簡単に説明すると、もともと先進国(とりわけ日本)は、廃プラスチックを途上国に輸出していました。その量がとても多く、途上国において処理が追い付かずに海に流出しているという背景もあります。
マイクロプラスチックが発生する原因
ここまで、マイクロプラスチックの基本的な情報を見てきました。では、なぜマイクロプラスチックが発生しているのでしょうか。
一次マイクロプラスチックが発生する原因
近年では、ヨーロッパを中心に一次マイクロビーズを流通させることや製造、販売が禁止されるようになりました。しかし日本を含めいくつかの国では、はっきりとした規制はなく、マイクロプラスチックの仕様は各事業者の判断に任されている状況です。
環境保全に関する意識が高まりつつあるといっても、禁止されている訳ではないため、完全に製品から除去することは困難であるのが現状です。
二次マイクロプラスチック発生する原因
二次マイクロプラスチックは、先ほど少し触れたように、プラスチックゴミが自然環境に流出したことで発生します。
外に流出したプラスチックゴミは長い間紫外線にさらされることで強度が失われていきます。その中で、波に飲まれたり砂で擦れたりするなど時間をかけて粉々になっていきます。
日常生活の中で、洗濯バサミを外に出しっぱなしにしていたとき、ふとした瞬間に粉々になってしまった経験を持つ方もいると思います。これと同じことが自然界で発生し、マイクロプラスチックとなっているのです。
こう聞くと、釣りや海水浴でプラスチックゴミが発生しているのでは?と思う方も多いかもしれません。しかし、海に流れ出るゴミのほとんどは私たちの生活圏から発生していると考えられています。
安易にポイ捨てする人はなかなかいないと思いますが、
・大雨や地震などの災害でまちなかにゴミが出てしまう
・ゴミ集積所でカラスが食い散らかす
などの理由で排水溝にゴミが流れ出ています。
このゴミは川に流れていき、やがて海へと到達しマイクロプラスチックとなるのです。
他にも、田畑で使用する肥料にプラスチックが使われており、それが流れ出るケースも見受けられます。
マイクロプラスチックが与える影響
ここからは、マイクロプラスチックが与える影響を「生態系」「人体」の2つの側面から見ていきましょう。
生態系への影響
最も大きな影響を受けるのが生態系です。海に流れ出たマイクロプラスチックを餌だと勘違いした生物が誤食してしまいます。そして、食物連鎖によってマイクロプラスチックを食べた魚を餌とする魚→その次の魚というように、多くの生物がマイクロプラスチックを体内に含むことが考えられます。
実際、水揚げされた魚の内臓にマイクロプラスチックが大量に含まれていたというケースも報告されています。
また、プラスチックは様々な化学物質を吸着する性質も持っています。はっきりとした研究結果はまだ出ていませんが、化学物質を含んだプラスチックを誤食してしまうと、成長や繁殖などにも悪影響を及ぼすことも考えられています。
人体への影響
人体への影響としては、マイクロプラスチックを含んだ魚を食べることで体内に侵入してくることが考えられます。
※基本的に魚の内臓からマイクロプラスチックが検出されます。そのため、内臓を取り除いた調理方法であれば摂取する可能性も低いと言われています。
こちらも生態系と同様に、マイクロプラスチックが人体に及ぼす影響に関する研究が進められているところであり、はっきりとしたことが分かっているわけではありません。
とはいえ、プラスチックは食べることを想定して作られたものではないため、なんらかの悪影響を及ぼすと考えられています。
マイクロプラスチックを出さないための対策
では、マイクロプラスチックを出さないために、私たちができることはあるのでしょうか。
ノンスクラブ製品を使う
すぐに実践できることは、スクラブが含まれていない製品を使用することです。製品本体や外箱、取扱企業HPなどで判断できるため、購入の際は意識してみてはいかがでしょうか。
また、スクラブ製品を購入しない人が増え、売り上げが落ちれば製品自体の販売も取りやめる可能性があります。「買い物は投票だ」という言葉もあるように、私たちの消費行動で環境を守ることができるのです。
ゴミを拾う
まちなかでゴミを見かけたら拾う習慣をつけるのはいかがでしょうか。
週末を利用してゴミ拾い活動に参加することも良いと思います。ただ、平日に落ちているゴミをそのままにしていれば、週末までの期間で海に流れ出てしまうかもしれません。1度海や川に流れ出たゴミを回収することは大変なことです。海に到達する前にゴミを拾うということが習慣化すれば、マイクロプラスチックを減らせるはずです。
マイクロプラスチック対策としてエティークがおすすめ
エシカミーで取り扱っている固形シャンプー「エティーク」もマイクロプラスチック対策としておすすめです。
シャンプーやトリートメントというと、ほとんどが液体タイプであり、プラスチックボトルに詰められています。このプラスチックボトルは現在、世界で毎年800億個も捨てられているのです。(さらにはその9%しかリサイクルされていません。)
一方エティークは、固形タイプなのでプラスチックボトルである必要がありません。さらには、生分解性(微生物によって分解される物質のこと)でできたパッケージに梱包されています。
そして、髪や頭皮に必要な美容液成分と、必要最小限の洗浄成分が凝縮したシャンプー・コンディショナーであるため、洗い心地も液体シャンプーと変わりません。
ぜひ、この機会にエティークを試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
本記事では、マイクロプラスチックについてまとめてきました。
理解が深まると、なぜプラスチックを削減していく流れとなっているのかが分かると思います。ぜひ今日から身の回りのプラスチックを最小限にし、生態系や環境を守る一歩を踏み出しましょう。