紫外線が肌に与える影響を考え、日焼け止めを毎日塗る女性も多いのではないでしょうか?毎日塗るものは、少しでも肌に優しいものを選びたいですよね。
オーガニック日焼け止めを使いたいと思っても、
オーガニック日焼け止めは本当に肌に優しいのか?
紫外線をきちんと防いでくれるのか?
と不安に感じますよね。そんな方のために、今回はオーガニック日焼け止めが通常の日焼け止めとどのように違うのか、オーガニック日焼け止めを選ぶメリットやデメリットについてご紹介します。
まずはオーガニック日焼け止めとはどんな日焼け止めなのかについて見ていきましょう。
オーガニック日焼け止めとは
オーガニック日焼け止めとは、有機栽培の植物を原材料として作られた日焼け止めのことです。オーガニックコスメのひとつで、紫外線から肌を守る働きをします。
オーガニックとは
そもそもこのオーガニックとはどういったものを指すのでしょうか。
オーガニックとは日本語で「有機栽培」といい、農薬や化学肥料を使わずに作物を育てる農法のことです。
ただ農薬や化学肥料を使わなければすぐにオーガニックと認められるわけではなく、認定機関に届出た農場で3年以上農薬や化学肥料を使わない状態で栽培し、やっと認められます。
農薬や化学肥料を使わないことで、土壌や水源への負担を減らし、環境にも優しいという特長があります。
オーガニック認証は国によって異なりますが、日本では農林水産省が認定している「有機JAS認証」があります。
その他アメリカではUSDA、ヨーロッパではECOCERT、EU有機などの認証機関があり、それぞれの認定基準によってオーガニック認証を行っています。
>>オーガニックについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
オーガニックとは人体にも環境にも優しい?意味や認証機関についても解説
オーガニックコスメとは
オーガニックコスメとは、有機栽培で育てられた植物を主な原料として作られている化粧品です。
海外のオーガニック認証機関には、化粧品に対する認証を行っているものもあります。
アメリカのUSDA、フランスのECOCERT、オーストラリアのACO、ドイツのBDHIなどが化粧品に対する認証を行っているオーガニック認証機関です。
>>オーガニックコスメについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
おすすめのオーガニックコスメブランド11選| 国産・プチプラ・海外で人気のオーガニック化粧品を紹介
オーガニックコスメの認証基準とは
それぞれの認証機関によって、その認証基準は異なります。
代表的な2つの機関の認証基準を見てみましょう。
◆アメリカのUSDA◆
3年以上農薬と化学肥料を使っていない耕地で栽培されたオーガニック原料を使っていること、100%有機栽培で育てられた原料を使っていること、水分と塩分を除き、重量ベースで95%以上がオーガニック原料を使っているといった基準で認証されます。
◆フランスのECOCERT ◆
ECOCERTの化粧品に対する認証には「COSMEECO」と「COSMEBIO」があります。
COSMEECOの基準は、
・完成品の5%は化学原料を使っても良い
・完成品の5%はオーガニックでなければならない
・植物原料の50%はオーガニックでなければならない
・化学香料は使ってはいけない
の5点です。
COSMEBIOは、
・完成品の5%は化学原料を使っても良い
・化学香料は使ってはいけない
・完成品の10%がオーガニックでなければならない
・植物原料の95%はオーガニックでなければならない
とさらに厳格になっています。
その他の認証機関でも認定基準は少しずつ異なりますが、基本的には、
・鉱物由来成分や化学原料はなるべく使わないこと
・動物由来成分は使わない
ことがオーガニックコスメと認定される条件と言えます。
日本には化粧品に対するオーガニック認証はない
日本の有機JASの対象となるのは有機農産物、有機加工食品、有機畜産物、有機飼料の4種類で、残念ながら化粧品は含まれていません。
そのため原材料のごく一部にオーガニック植物原料を使用しただけでも、オーガニックコスメと表示することができてしまいます。
そのため、国内ブランドのオーガニックコスメの良し悪しを判断する場合は、どの認証機関のオーガニックコスメ認証条件を満たしているのか、どんな点がオーガニックと言えるのかをきちんと判断する必要があります。
海外ブランドのオーガニックコスメであれば、信頼できる認証機関に認定されたものを選ぶとよいでしょう。
オーガニック日焼け止めと普通の日焼け止め、成分の違いに注目しよう
ここまでで、オーガニックコスメの認証基準等について理解できたと思います。
この章では、オーガニック日焼け止めと通常の日焼け止めの違いについて見ていきましょう。
違いを一言で言うと成分です。
オーガニック日焼け止めは、オーガニック植物などの成分を”出来るだけ”使って作られています。
これは、日焼け止めとしての機能を果たすには、必要な成分もあるためです。
では日焼け止めに使用される代表的な成分についてみていきましょう。
日焼け止めとは紫外線が肌に与える影響を防ぐもの
そもそも日焼け止めとは、紫外線が肌に当たってメラニンが作られるのを予防し、コラーゲンなどの真皮成分が破壊されて肌が老化するのを防ぐためのものです。
紫外線にはA波とB波の2種類があります。
紫外線B波が肌に当たるとメラノサイトが活性化し、黒い色素であるメラニンが肌の中で作られて日焼けしたり、シミができるなどします。
また波長の長い紫外線A波が肌の真皮まで入ることで、コラーゲンやエラスチンなどの真皮成分を破壊し、肌の弾力を失わせて老化させてしまうのです。
日焼け止めはこれら紫外線が肌に与える影響を少なくするため、紫外線を反射させる、吸収させるなどの働きをしてくれます。
肌の老化を防ぐためには正しく日焼け止めを使うことが大切なのです。
SPFとPAとは
日焼け止めを選ぶ際気になるのは、SPFとPAの数値ではないでしょうか。
ではこれは何を意味しているのでしょう。
日焼け止めが紫外線から肌を守る力の強さを表しているのがSPFとPAです。
SPFはシミの原因となる紫外線B波を、PAはしわやたるみの原因となる紫外線A波をそれぞれ防ぐ力を表します。
◆ SPFは数字が高いほど、PAは+が多いほど紫外線防止効果が高い
SPFは数字が高くなるほど効果が高く、日本での最高値はSPF50+です。
PAは「PA+」「PA++」「PA+++」「PA++++」の4段階で表示され、「PA++++」が日本での最高値です。
ただしSPFとPAは強ければ強いほどいいという訳ではなく、使用する場面に合わせて選ぶのがおすすめです。
散歩や買い物などの日常生活ではPSF20、PA++くらいあれば十分です。
しかし炎天下でレジャーをするならSPF50+、PA++++といった防止効果が高いものが必要になります。
一般的にオーガニック日焼け止めは肌に優しい分、通常の日焼け止めよりもSPFやPAが低くなりがちです。
普段使いはオーガニック日焼け止め、マリンレジャーなどアウトドアを楽しむときは効果の高い通常の日焼け止めなど使い分けるのもよいでしょう。
紫外線防止に必要な成分、紫外線散乱材と紫外線吸収剤とは
紫外線が肌に当たるのを防ぐ成分は、大きく分けて紫外線散乱材と紫外線吸収剤の2種類に分けられます。
紫外線散乱材は物理的に紫外線を散乱、反射させて紫外線が肌に影響を与えるのを防ぐもので、オーガニック日焼け止めで利用されているものです。
一方紫外線吸収剤は、化学的な仕組みでエネルギーを吸収し、熱などのエネルギーに変えて紫外線が皮膚に浸透するのを防ぎます。
紫外線散乱材には酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、紫外線吸収剤には、パラメトキシケイサン2-エチルヘキシル、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ヒダントイン誘導体などの成分があります。
紫外線吸収剤が肌に与える影響とは
紫外線吸収剤は先ほど紹介したように、化学的な仕組みで紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変えることで肌を守ります。
しかし熱を生み出すことで、肌が敏感な方にとっては肌荒れの原因となることがあるのです。
もちろん肌にはっきりと悪影響を与える成分は化粧品に配合することが禁じられています。
日本では厚生労働省が紫外線吸収剤として使用できるものや100g中の最大配合量を定めており、基準を満たしたものでなければ販売できません。
しかしオキシベンゾンは内分泌に影響を与える可能性があるとして、ヨーロッパや日本では他の成分に置き換えられています。
オキシベンゾンが使われている日焼け止めはかなり少なくなっていますが、あらかじめ表示を確認してくと安心です。
また比較的安全とされている紫外線吸収剤でも、紫外線を吸収する上で熱などを発生させ、肌に刺激を与える可能性があります。
特にデリケートな肌の方は、なるべく紫外線吸収剤を使わない日焼け止めを選ぶと良いでしょう。
サンゴ礁に悪影響を及ぼす紫外線吸収剤もある
肌だけでなく地球環境について考えた時に避けたい日焼け止めもあります。
それがオキシベンゾンとオクティノセイトを含む日焼け止めです。
オクティノセイトはメトキシケイヒ酸オクチル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルとも呼ばれます。
オキシベンゾンとオクティノセイトはどちらも紫外線吸収剤ですが、サンゴ礁の白化などの原因になっていると研究者から指摘されており、ハワイやフロリダ、カリブ海、パラオなどでは使用が禁止されているのです。
パラオではより厳しく、さらに多くの成分が禁止されています。
日本では禁止されているわけではありませんが、海への影響を考えた時、なるべくこれらの成分を使わない日焼け止めを選ぶのもよいでしょう。
オーガニック日焼け止めは紫外線吸収剤フリー(=ノンケミカル)が多い
オーガニック日焼け止めは通常の日焼け止めと比較した場合、肌や地球環境に与える影響を考えて紫外線吸収剤を使用していないものが多いことが特徴です。
植物由来で紫外線防御機能を持った成分を配合することで、紫外線吸収剤だけでなく紫外線反射材を減らした日焼け止めもあります。
油分や保湿成分をオーガニック植物由来のものにすることで、肌になるべく優しく作られているのも特徴です。
香料も天然由来のものにすることで化学物質を減らしています。
ただしすべてのオーガニック日焼け止めが肌に合うとは限りません。
植物成分によっては、その方の肌に合わない場合もあります。
また先述のように、日本には公的なオーガニックコスメの認定基準がないため、ほんの一部オーガニック植物由来成分を入れただけでオーガニック日焼け止めを謳うことができてしまいます。
そのため、購入前に情報を集めきちんとした基準で作られているオーガニック日焼け止めかどうか確認したうえで購入するのが良いでしょう。
オーガニック日焼け止めを選ぶメリットとデメリット
オーガニック日焼け止めと通常の日焼け止めには、それぞれ良い点と悪い点があります。
そこで、この章ではオーガニック日焼け止めを選ぶメリットとデメリットについてみていきましょう。
オーガニック日焼け止めのメリット
オーガニック日焼け止めを選ぶメリットは、比較的肌に優しく安心して使えることと、地球環境への負荷を減らせることです。
オーガニック日焼け止めは紫外線吸収剤を使わず、主にオーガニック植物成分を配合して作られています。
そのため肌に優しく、またサンゴ礁の白化原因にもならないため、地球環境にも配慮することができるのです。
オーガニック日焼け止めのデメリット
オーガニック日焼け止めを選ぶデメリットは、紫外線防御機能が通常の日焼け止めよりも劣る可能性があることと、日焼け止めが落ちやすいことなどです。
紫外線吸収剤を使わないことや、オーガニック植物由来の紫外線防止成分をメインに使うことで、通常の日焼け止めよりも紫外線防御機能が少なくなる傾向があります。
ただし日常生活であれば十分な日焼け止め効果を発揮するものも多いですから、普段使いとレジャーの日など紫外線の影響を受けやすい日で上手に使い分けするのがおすすめです。
また紫外線散乱材は紫外線吸収剤よりも流れやすく、落ちやすいという特徴があります。
そのため紫外線吸収剤フリーのオーガニック日焼け止めは通常のものよりも汗や皮脂に弱く、流れやすくなってしまうのです。
こまめに塗りなおすことである程度カバーできますが、忙しくて塗りなおしができないという方は通常の日焼け止めを選ぶのもよいでしょう。
おすすめのオーガニック日焼け止め8選!
最後にオーガニック日焼け止めのおすすめを8点ご紹介します!オーガニック日焼け止めのおすすめ①:WELEDA(ヴェレダ)
引用元:WELEDA
植物原料の約75%はオーガニックまたはバイオダイナミック農法で育てられたものを使う、自社ハーブ農園や認証された期間を通じた野生種を採取するなど植物原料のクオリティの高さに定評があるオーガニックコスメブランドです。
日焼け止めである「エーデルワイスUVプロテクト」は紫外線吸収剤を使わず、肌にうるおいを与えて守るエーデルワイスエキス配合です。
>>WELEDAの詳細はこちらから
オーガニック日焼け止めのおすすめ②:MAMA BUTTER(ママバター)
引用元:MAMA BUTTER
アフリカ大陸原産のシアの実から作られるシアバターにこだわって作られているスキンケアブランドです。
シアバターは人の肌がもともと持つ皮脂膜とよく似た成分が含まれており、しっかりと保湿してくれます。
「UVケアクリーム」は、紫外線吸収剤はもちろん、シリコン、鉱物油、合成香料なども使わず小さな子どもにも使えると評判です。
>>MAMA BUTTER(ママバター)の詳細はこちらから
オーガニック日焼け止めのおすすめ③:naturaglace(ナチュラグラッセ)
原料は100%天然由来にこだわり、オーガニック植物やミネラルを使った石けんだけで落とせるコスメで知られるブランドです。
「UVプロテクションベース」はSPF50+、PA+++と高いUVカット効果を持ち、さらにブルーライトもカットしてくれます。
紫外線吸収剤や鉱物油、シリコン、石油系界面活性剤も使っていません。
オーガニック日焼け止めのおすすめ④:SHIGETA(シゲタ)
引用元:@cosme
フランスと日本で美容家として活躍するチコシゲタが提案するコスメブランドです。
植物の力にこだわったコスメ作りをしており、ECOCERTによるオーガニック製品の認定を受けています。
「UVスキンプロテクション」はザクロオイル、ラズベリーオイル、ローズヒップオイルが配合されています。
>>SHIGETA(シゲタ)の詳細はこちらから
オーガニック日焼け止めのおすすめ⑤:WELINA(ウェリナ)
引用元:WELINA
「妊娠中のお母さんと生まれたての赤ちゃんが安心して使えるものを」というブランドコンセプトで作られたオーガニックコスメブランドです。
ハワイの各島々から集めた厳選オーガニック植物原料と海洋深層水を贅沢に配合しています。
赤ちゃんや敏感肌でも使えるハワイアン海洋深層水と100%天然植物主成分の「キスフォータウン」を始め、3種類のオーガニック日焼け止めが販売されています。
>>WELINA(ウェリナ)の詳細はこちらから
オーガニック日焼け止めのおすすめ⑥:サンゴに優しい日焼け止め
引用元:ethicame
60%以上が保湿美容成分で乾燥、シミシワの原因を強力にブロックしてくれます。
バームタイプで液漏れの心配なく、コンパクトなのでフェスやアウトドアにもおすすめですよ。
お手持ちのナチュラルな植物オイルと混ぜると伸ばしやすく使うことができます。
ラベンダーやユーカリ等、4種の精油配合でリラックス効果も。
オーガニック日焼け止めのおすすめ⑦:シンクベイビー
引用元:iHerb
赤ちゃんにも安心して使える成分だけを配合しながらも、SPF50で紫外線も強力にブロックしてくれます。
クリームに近いテクスチャーですが、伸ばせば白浮きすることもありません。
ココナツの甘い香りも特長の一つです。
>>シンクベビーの詳細はこちらから
オーガニック日焼け止めのおすすめ⑧:ALOBABY(アロベビー)
引用元:ALOBABY
アロベビー UV&アウトドアミストは、これ一本で日焼け止め&虫よけ対策ができるオーガニックUVミストです。
無添加で肌にやさしく白浮きせず、顔・全身に使用できます。
ミストタイプなので、動き回る赤ちゃんにもシュっと吹きかけるだけのお手軽なところも嬉しいポイント。
>>ALOBABYの詳細はこちらから
自分に合ったオーガニック日焼け止め選びを
オーガニック日焼け止めは、肌に優しい成分で作られていることが多く、地球環境にも優しいアイテムです。
デリケート肌でなるべく肌に優しい日焼け止めを探している方や、地球環境について考えながらコスメを選びたい方は、ぜひ選択肢にいれてみてはいかがでしょうか?
ブランドにより使う成分にも様々なこだわりがありますから、ぜひ成分もチェックした上で自分に合ったオーガニック日焼け止めを見つけてください。
>>スキンケアにもオーガニックを取り入れたいかたはこちらをチェック!