SDGsのカードゲームを紹介!すぐに取り入れられるゲームの紹介も

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SDGsへの関心が高まっている昨今、企業や教育現場・自治体の市民向けのイベントでも取り組む機会が増えてきました。

しかし、まだまだ世間にSDGsとはなんなのか浸透しておらず、社員や生徒・市民にSDGsの内容を効果的に伝える方法を探している方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、体験しながら学べるSDGsカードゲームや、すぐに取り入れられるゲームを紹介します。

これを読めば今日からでもSDGsを取り入れられますよ。
 

目次
1.SDGsとは
2.SDGsカードゲーム3選
3.SDGsカードゲーム以外にもSDGsを学べるゲームが!
4.SDGsカードゲームと合わせて取り入れたい研修教材
5.SDGs達成に向けた政府や企業の取り組み
6.SDGsカードゲームを上手に使って効果的に認知させよう!

SDGsとは



ゲームの紹介の前にまずはSDGsとは何かのおさらいをしておきましょう。

現在、世界は貧困・温室効果ガスなどに起因する地球温暖化・人種やジェンダーによる性差別などさまざまな問題を抱えています。

これらを解決するために、全員で知恵を絞り協力していこう!というのがSDGsです。

より専門的な表現をすると、SDGsとは「持続可能な開発目標」で、2015年に国連で採択された、全世界で達成を目指す国際目標です。(期間は2016年〜2030年まで)

SDGsには「誰ひとり取り残さない」の共通理念があり、17の目標とそれを達成するための169のターゲットが設定されています。

SDGsは、世界単位で取り組みが見られ、もちろん日本でもSDGs達成に向けた動きが活発になっています。


>>SDGsをさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。


 SDGsとは|概要や背景・日本や世界の取り組みまで 

 SDGs17の目標を1つずつ解説!世界や日本の現状を理解できます 

SDGsカードゲーム3選



SDGsは、アイコンやロゴの親しみやすさとは裏腹に、各目標が複雑に絡み合っていることから、社員や生徒・市民への理解を深めることは難しいという声もよく聞かれます。

そこでSDGsをより親しみやすく簡単に浸透させるきっかけになる、カードゲームを利用するのも1つの手段です。

カードゲームを取り入れることでスムーズにSDGsへの興味を持つことができ、その後の研修や授業を発展させやすくなるでしょう。

ここでは、SDGsを学べるカードゲームを紹介します。
 

2030SDGs【企業・学校・自治体向け】



引用元:「イマココラボ「カードゲーム「2030SDGs」の紹介」

「2030SDGs」は、一般社団法人イマココラボが展開している、現在からSDGsの期間である2030年までの道のりを見ていくカードゲームです。

2030年のゴールに向けて時間・お金を使ってプロジェクトに取り組む内容となっています。

このカードゲームはSDGsの17の目標や169のターゲットについて細かく学ぶのではなく、1つのプロジェクトを達成するために世の中がどのような流れで動いているのかを知り、目標達成には周囲と連携を取っていく必要があることを体感的に把握するのが目的です。

すでに全国の自治体でのイベントや、企業研修で取り入れられています。

イマココラボ利用者の声より引用
“『従来はSDGsの個別の課題それぞれにフォーカスしがちな自分がいた。ゲームをやってみて経済、環境、社会のつながりという全体像を感じられたことが一番大きな収穫。自社内でもやってみたい。またいろんな会社のトップ、経営層に近い人にもぜひやってもらいたい』

『なぜ今SDGsが必要なのかということがよく理解できました。自分たちの力で世界を変えていける可能性を感じました』”


>>参加者の声やカードゲームの詳細はイマココラボHPへ
 

SDGs de 地方創生【企業・学校・自治体向け】



引用元:SDGs de 地方創生「カードゲーム SDGs de 地方創生」

先述の「2030SDGs」は世界目線でのカードゲームなのに対し、「SDGs de 地方創生」は、国内に焦点を当て、地方創生をテーマにしています。

地方創生とは、首都圏への人口の一極集中を改善し、地方の活力維持を目的とした政策で、2014年にスタートしました。

その後、2015年にSDGsが採択されると、地方創生にSDGsの手法を取り入れ、より発展的に持続可能な都市を目指すものへと進化しています。

「SDGs de 地方創生」では、ゲーム内では行政担当と市民に分けられ、まちの状態を「人口」「経済」「環境」「暮らし」の指標で表し、人口減少を防いでよりよいまちをつくることがゴールです。

このゲームは、より身近な問題について考えながら進められるため、学校の生徒や市民には特に取り組みやすい内容なのではないでしょうか。

>>SDGs de 地方創生HPへ
 

SDGsアウトサイドイン【企業向け】



引用元:SDGsアウトサイドイン「カードゲーム紹介」

「2030SDGs」「SDGs de 地方創生」は企業・学校・自治体を対象とした内容でしたが、より企業にフォーカスしたのが「SDGsアウトサイドイン」です。

「SDGsアウトサイドイン」は、世界で起きている環境問題や社会課題をビジネスの力で解決していくカードゲームです。

目的達成のために、お金や事業を生み出すためのノウハウカードが配布され、それをもとに新規事業を立ち上げてプロモーションを行い、成果が出れば対価が得られるという流れになっており、実際のビジネスに近い形でゲームは進行します。

試行錯誤を繰り返してゴールを達成することで、社員のモチベーションアップにもつながるかもしれません。

>>SDGsアウトサイドインHPへ

SDGsカードゲーム以外にもSDGsを学べるゲームが!



ここまで紹介したSDGsカードゲームは、一体となって盛り上がれてSDGsへの理解のきっかけとなりやすい反面、研修担当者がルールを理解したり、開発元に研修を依頼したりと導入までに時間がかかってしまうかもしれません。

そこで、ここでは今すぐにでも取り組めるゲームも紹介したいと思います。

主に学校や自治体のイベント向けの内容ではありますが、使い方によっては企業の研修にも取り入れられるものもあるはずです。
 

長岡技術科学大学が開発したゲーム集【企業・学校・自治体向け】




長岡技術科学大学はSDGs普及のために、さまざまなゲームや素材を開発しています。

【ゲーム一覧】

・塗り絵
・クイズ集
・すごろく


塗り絵やすごろくは、学校や自治体が主催する子供向けのイベントにちょうど良いレベル感の内容です。

クイズに関しては、大人でも悩んでしまうような問題が出されており、参考になるコラムも掲載されているので、SDGsの大枠を理解する導入として使えるのではないでしょうか。

素材は長岡技術科学大学のHPからすべて無料でダウンロードできます。

>>長岡技術科学大学のHPへ
 

ゴー・ゴールズ(8歳〜10歳向け)




「ゴー・ゴールズ」は、ブリュッセルの国連地域広報センターが作成したすごろくです。

遊戯盤にはSDGsの17の目標が書かれており、サイコロを振ってそのマス目に止まると、クイズが書かれたカードが引けます。

そのクイズに正解すると、もう一度サイコロを振れ、2030と書かれたゴールに一番早く到達した人が勝ちです。

クイズは17の目標に応じて17問となっていますが、子どもたちにクイズの内容を考えてもらってもいいかもしれません。

素材は国連広報センターのHPからすべて無料でダウンロードできます。

>>国連広報センターのHPへ
 

長野県考案のすごろく




SDGs未来都市に選定されている長野県が展開しているすごろく(茅野市立永明中学校の先生方からの提供)は、ゴー・ゴールズをさらに発展させた内容で、子供から大人まで取り組めます。

ゴー・ゴールズと同様に、マス目にSDGsの目標が書かれていますが、大きく異なるのは以下の2つの点です。

①始める前にテーマを決める
「難民」「企業」「地方創生」などのテーマを設定し、その達成に向けた具体的なビジョンを話し合います。

②目標のマス目に、自分たちで内容を記入する
目標のマス目に、自分たちで内容を記入するテーマが決定した後は、17の目標のマスに関連する内容を書いていきます。

取扱説明書に掲載されている例で見ると、目標9のマスには「エコカーが支給された。サイコロをふって出た数を進む」目標11のマスには「CO2を排出しない工場が作られ、 空調問題が解決される。うれしい気持ちを表現しよう」といった内容です。

これらをグループで話し合い、記入してからゲームがスタートするので、より17の目標へのイメージを持って取り組める効果が見込めます。

素材は長野県のHPからダウンロードできます。

>>長野県のHPへ

SDGsカードゲームと合わせて取り入れたい研修教材

ここまではSDGsに関心を持つためのカードゲームやすごろくを紹介してきました。

ゲームでSDGsに触れたあとには、社員・生徒・市民が自発的に考え、達成に向けてのアクションを起こす必要があります。

そこでここでは、SDGsカードゲームと合わせて使いたい研修教材を紹介するので、合わせて利用を検討してみてはいかがでしょうか?
 

日本ユニセフ協会によるSDGs学習セット




日本ユニセフ協会が用意しているSDGsを学ぶ教材「私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」は中学生3年生向けに作られたものです。

世界の現状とSDGsの関係性を完結にまとめていて理解しやすい内容で、ワークシートも準備されているのでグループでのディスカッションにも活かすことができます。

現在、政府は学校にアクティブラーニング(受動的ではなく能動的に授業に取り組む学習方法)を推奨していることからわかるように、これからは積極的かつ自発的に物事に取り組む姿勢が求められています。

この学習教材を利用することで、子供のみならず、社員・市民もみずからSDGsの達成に向けて、物事を多角的に考えるきっかけになることが期待できるはずです。

教材はすべて日本ユニセフ協会のHPからダウンロードできます。

>>日本ユニセフ協会のHPはこちら
 

セーブ・ザ・チルドレンジャパンのアクティビティ集




こちらはセーブ・ザ・チルドレンが作成したSDGsについての理解を深めて自分ゴト化し、実際に行動につなげることを狙ったアクティビティ集です。

内容は8つのアクティビティが掲載されており、それぞれ導入からアクティビティ、ふりかえりまでのステップがわかるようになっています。

アクティビティ3の「こうなるであろう未来・こうなってほしい未来を考えよう」を例に見て見ましょう。

これは、SDGsが採択される15年前の世界と現在を踏まえて、2030年の未来がどうなってほしいか考えることが目的です。

①ルールの確認
②テーマの選定
③15年前から現在を描く
④こうなるであろう未来を描く
⑤希望する未来を描く
⑥こうなるであろう未来についてグループで話し合う
⑦発表

と具体的な流れが記載されており、企業や自治体の研修担当者や学校の先生でも準備の負担がなく進行できます。

これらはテーマをそれぞれにあてはめて考えることもでき、例えば企業であればこれまでの会社の歴史を振り返り、未来に向けてどうしていくのかを検討することも可能です。

また、8パターンのアクティビティがあるので、教材選定に時間がかからないのもメリットとして挙げられます。

SDGsカードゲームのあとに取り組むことでより効果を得られるアクティビティ集です。

これらはセーブ・ザ・チルドレンのHPからダウンロードできます。

>>セーブ・ザ・チルドレンのHPへ

SDGs達成に向けた政府や企業の取り組み

ここまで、楽しく「自分ごと」化できるカードゲームやアクティビティを紹介してきました。

SDGsがどのようなものかの理解が進んだあとに、政府や日本企業の取り組みも確認すると、身近でもSDGsが普及していることに気付けるでしょう。

そこで最後に、日本政府と株式会社ピー・エス・インターナショナルのSDGsへの取り組みを紹介します。
 

日本の取り組み



日本では、SDGs達成に向けて、8つの優先課題が設定されています。

これらは政府が作成する「アクションプラン」という実施方針で確認することができます。

【8つの優先課題】
①あらゆる人々が活躍する社会・ ジェンダー平等の実現
②健康・長寿の達成
③成長市場の創出、地域活性化科学技術イノベーション
④持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
⑤省・再生可能エネ ルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
⑥生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
⑦平和と安全・安心社会の実現
⑧SDGs実施推進の体制と手段


これらを達成するために、国では地方の活力の維持を目的とした「SDGs未来都市」制度を立ち上げて地方創生を促進したり、持続可能な開発のための教育(ESD)を推進するなどさまざまな取り組みを行なっています。

>>「SDGs未来都市」に関する詳細は以下の記事をご参照ください。


 SDGs未来都市とは?|過去の選定結果・事例から傾向を知ろう

株式会社ピー・エス・インターナショナルの取り組み




もちろん企業も積極的にSDGsの達成を目指しており、株式会社ピー・エス・インターナショナルが取り扱うエティークは、市場で販売されている美容関連商品が環境に与える問題に着目し、設立されました。

年間800億本廃棄されるシャンプーとコンディショナーのプラスティックボトルは、たったの9%しかリサイクルされていません。

そこで容器のない固形バーを作り、2019年までの7年間で600万本のプラスティックボトルの削減を実現しました。

さらに2025年までに5,000万本削減を目標にしています。

他にも、フェアトレードによる公正な取引で素材を調達・製造することで不当労働に加担しない取り組みをしたり、最低年齢に満たない児童により作り出されたモノの取引をしない、動物実験は行わないなど、SDGsの目標に貢献しています。

このように、着々とSDGs達成への取り組みが行われてきており、今後さらに発展的な活動が展開されていくことが予測されます。

その動きを加速させるためにも、社員や生徒へのSDGsへの認知は最重要課題です。

>>エティークの詳細はこちらから

SDGsカードゲームを上手に使って効果的な認知の向上を!



ここまで見てきたように、社内の研修や授業・イベントなど向けのSDGsカードゲームやすごろくを取り入れることで、受講者にSDGsの認知を効率的に進めることができます。

そして、その他のSDGs教材と組み合わせることで、さらに関心を高められることでしょう。

SDGsの認知を高め、一丸となって目標達成への取り組みを行うためにも、是非とも紹介したゲーム等を取り入れてみてくださいね。

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