オーガニックやサスティナブルという言葉が定着していく中、「フェアトレード」という言葉も広まってきました。
オーガニックやサスティナブルという言葉が定着していく中、「フェアトレード」という言葉も広まってきました。
この記事では、フェアトレートはどのような意味なのか、仕組みやマークなども合わせてご紹介します!
フェアトレード商品を先に知りたい方はこちらからどうぞ
フェアトレードとは?
直訳するとフェアなトレード=「公正な取引」を意味します。
公正な取引とは、発展途上国の生産者によって作られた製品が適正な価格で継続的に取引され購入することで、生産者の生活を支援するという意味が込められています。
「エシカル」や「オーガニック」「サスティナブル」と同様に、フェアトレードは地球環境を守りながら、労働搾取や児童労働などの社会的な問題を解決するためのスローガンになります。
フェアトレードがなぜ今こんなにも取り上げられているかというと、未だ発展途上国の生産に関わる人々の貧困が解消されず、児童労働などが行われているからです。
子どもが当たり前に教育を受けられるようにしたり、医療制度を整えたり、地域の発展を支援するのがフェアトレードの取り組みの目的です。
フェアトレードが広がった背景
公正な取引、貿易をするフェアトレードが普及し始めたのは1960年代で、それ以降世界的に広がっています。
この背景には、グローバル化によって商品の製造が国や地域を超えて行われるようになったものの、発展途上国の生産者は十分な利益を得ることができないことが問題点でした。
その解決のための仕組みとして、フェアトレードが注目されているのです。
日本のフェアトレードの始まりと市場規模
引用:フェアトレード ジャパン
日本では、1970年代にフェアトレードの動きが始まりました。
開始から約40年経った現在は、非営利団体や一般企業だけではなく、行政による取り組みも行われるようになりました。
国内での市場規模も年々拡大しており、2021年には国内のフェアトレード認証製品の推定市場規模は157.8億円(2020年は131.1億円)となっています。
フェアトレードが必要な理由
フェアトレードが必要な理由は、厳しい労働環境や児童労働により教育を受けられない子どもたちの貧困をなくすことです。
生産者や労働者に適切な賃金が支払われることで、安定した生活を送ることができます。
また、生産者組合も十分な利益が得られることで、生産向上に伴う機材を購入したり、学校や病院を建設することができます。
フェアトレードの仕組み
フェアトレードの基準には、公正な取引の実施や、児童労働や性差別などを行わないことなどが定められています。これらの基準を満たし、フェアトレードによって作られた製品は、「国際フェアトレードラベル」を貼って販売ができるようになっています。
適切な値段で取引されると、そのぶん収入が安定して、生産体制も安定していきます。
その結果、生産環境や品質の向上にもつながっていくのです。
これが、フェアトレードが好循環を生む仕組みです。
最低価格とプレミアム金(奨励金)
また、フェアトレードの仕組みとして、「最低価格」と「プレミアム金(奨励金)」というものがあります。例えば、フェアトレードの代表的な製品であるコーヒーのフェアトレード最低価格は1ポンド140USセントですが、1ポンドあたりに20USセントのプレミアム金(奨励金)が生産者に保証されることになっています。
コーヒー1杯に換算すると1円強程度ですが、コーヒー豆の取引は10トンや100トンなどで取引されるため、生産者組合が受け取る金額は50万円、500万円と、とても大きくなります。
フェアトレードの最低価格とプレミアム金の保証が、生産者の生活を守り、良質な生産作りに生かされていくのです。
フェアトレードの基準
フェアトレードをしていると断言していいのは、国際フェアトレード認証ラベルが付いた製品に限られます。
国際フェアトレード認証ラベルは、社会的、環境的、経済的基準を定めています。
具体的な項目は下記①~③の通りです。
①社会的基準
・安心・安全な労働環境・差別の禁止
・児童労働の禁止 など
②環境的基準
・農薬や薬品の使用削減・有機栽培を奨励
・遺伝子組み換えの禁止 など
③経済的基準
・フェアトレード最低価格を保証・プレミアム金(奨励金)の支払い
・継続した取引の促進前払いの保証 など
これらの基準を設けて、生産者の持続可能な生活や生産を支えます。
また、国際フェアトレード基準には対象地域、認証対象産品があり、主に開発途上国が生産国、産品が認証対象になっています。
認証産品にはコーヒーやカカオ、ナッツ、生鮮果物、スパイス、茶などで、食品以外ではスポーツボールや繊維、花などがあります。
フェアトレード基準はこれだけではなく、生産者、輸入業者などのトレーダーともに守るべき基準があるため、この基準を守っている製品がフェアトレード製品だと断言できます。
フェアトレードのメリット
フェアトレードを進めることのメリットは何でしょうか?大きく3つに分けてご紹介します。途上国が抱える課題を解決に導けるメリットがあります。
メリット①貧困からの脱出
企業の利益優先により、途上国の人々が安い賃金で雇われてしまうと、いくら働いてもわずかな収入しか得られず、貧困状態から抜け出すことができません。フェアトレードが普及することで、生産者の収入が安定し、途上国の人々が自立するつることにつながります。
これまで、多くの支援団体が途上国に対して支援事業を進めています。しかし、一時的な寄付は根本的な解決とはいえません。寄付などの支援がなくても自立して生活できるようにするのがフェアトレードの大きなメリットの一つです。
メリット②環境の保護
カカオやコーヒーを大量生産するためには、大きな土地が必要になります。豊かな森林が伐採され、広大な畑やプランテーションが次々と作られてゆきます。計画性なく切り開かれていき森林面積が減ってしまうと、自然災害による被災や生態系への影響にも及びます。
メリット③質の高い商品が手に入る
フェアトレードの仕組みによって生産体系や収入が安定すると、生産者はより質の高い作物を作れるようになります。農薬をできるだけ使わず、人の手で丁寧に育てられたカカオやコーヒー豆は、私たちも安全・安心でおいしいものを食べることができます。さらに、フェアトレード商品はパッケージのデザインも凝っていてセンスの良いものが多いので、ギフトにもぴったりです。
フェアトレードの問題点
社会的な問題の解決に貢献するフェアトレードですが、フェアトレードの製品にはいくつか問題点があるのが現状です。
製品の価格が高くなる
生産者が一つ一つ丁寧に作られているものもあるため、大量生産が難しいものは価格が高くなってしまいます。前述で解説したように市場価格が下落しても、フェアトレードの最低価格は保証されるので、販売価格も変動することはありません。
品質が一定ではないことも
また、フェアトレード製品は大量生産ではなく、基本的に手作りのため、一つ一つの品質に差が出てしまうというのも問題点です。
特に、日本で販売されるものに関しては、日本の輸入の基準が厳しく、パッケージの傷など品質として問題ないレベルであったとしても、不良品とみなされるケースがあります。
また、日本人の特性上そういったものを敏感に感じ取り、クレームが多発するおそれがあるため、販売できないと判断される場合もあります。
こういった背景からも、フェアトレードの商品の品質の安定は今後の課題です。
フェアトレードは企業や自治体にも広がっている
フェアトレードは世界中で拡大していると先述しましたが、企業や自治体にも取り入れられています。企業の取り組み
フェアトレードは社会貢献度を高める取り組みとして、企業がもっとも取り入れやすい活動と言われています。
普段からコーヒーや紅茶、砂糖など企業内にあるもので、フェアトレードに変えられるものが多くあるからです。
実際に、世の中的にもフェアトレードやサスティナブルの意識は高まってきているので、フェアトレードを徹底する企業は増えています。
フェアトレードを導入する企業は、地球環境の問題や貧困の差に着目し、解決していかなければいけない問題点として取り組んでいます。
ある企業では、「国際フェアトレード調達プログラム」に参加し、2020年までにカカオの取引量を2012年の10倍にするといったフェアトレードの取り組みをしていたり、適正な価格で仕入れた商品を積極的に販売して、購入につなげることで生産者の生活を支えています。
フェアトレードタウンも発生
フェアトレードタウンとは、街全体をあげてフェアトレードを応援する自治体のことを指します。
市民をはじめ、企業や学校、店舗などが力を合わせてフェアトレード製品を販売するイベントを行ったり、お店で販売・購入して、フェアトレードを広める活動を行っています。
フェアトレードタウンは全世界で30か国以上になり、ロンドンやローマ、サンフランシスコなど急速に広がりつつあります。
日本も2011年にフェアトレードタウン運動を推進し、一般社団法人の「日本フェアトレードフォーラム」として認定されています。
フェアトレードマークを探そう
フェアトレードの考え方や取り組みは理解できても、実際にどのように実践していけばいいのかわからない人も多いと思います。
ここでは日々の生活にフェアトレードを反映させていけるように実際の取り入れ方や商品をご紹介します。
フェアトレードラベル運動の始まり
フェアトレードな価格で市場の取引に参入するために生まれたのが「フェアトレードラベル運動」です。
フェアトレードラベル運動は、1988年にオランダからスタートし、1992年にヨーロッパに広まっていきました。
そして1997年には、世界のフェアトレードラベル運動組織がまとまって「国際フェアトレードラベル機構」ができ、統一した基準をクリアした商品のみフェアトレードラベルをつけることになりました。
フェアトレードラベルが与えられた商品は、一般のマーケットシェアの拡大を可能にし、国際フェアトレードラベル機構の加盟国は日本を含めて全30ヶ国になっています。
このように、フェアトレード商品を一般のマーケットに広めて、より多くの消費者に知ってもらい、購入してもらうためにフェアトレードラベル運動ができたことは、貧困の解決につながっていくのです。
国際フェアトレードラベル認証とは?
上記で解説した国際フェアトレードラベル運動を経て、基準をクリアした国際フェアトレードラベルの認証を受けたものが商品に付けられるようになりました。
国際フェアトレードラベルは、コーヒーなりチョコレートなり原料が生産、加工、製造過程などすべての工程の中で、国際フェアトレードラベル機構が定めた基準が厳守されていることを証明するラベルです。
認証原料100%の製品に表示されるようになりました。
国際フェアトレードラベルには1種類ではなく、ラベルの右横に「COTTON」「COCOA」「TEA」「HONEY」などの原料が記載されたタブがあります。
これは国際フェアトレードラベル基準を厳守した製品であることを証明し、フェアトレードとして調達した原料だということを示しています。
国際フェアトレードラベルはフェアトレード製品を見極める際に一つの指標となるのです。
日本ではフェアトレードマークの規定はない?
もともと、フェアトレードには基準となる法律がありません。
実はどんな基準でフェアトレード商品と名乗っても、罰則を受けることがないのが現状です。
日本にあるフェアトレードマークについては、国際フェアトレードラベルやフェアトレード団体(FLO)マーク以外のものを使用していることが多いのが特徴です。
日本で多く見られるフェアトレードマークは、企業や団体が独自でフェアトレードとしての基準を設定したもので、生産者と直接取引をしたり、生産者とのコミュニティを支援する団体が多い背景があるものです。
この中には、国際フェアトレードラベルやフェアトレード団体(FLO)マークよりも厳しい基準を設けている企業や団体もあるということです。
明確な規定がないといえども、日本では90年代から次第に活発化。
多様なフェアトレードが行われながら、その他のフェアトレードマークを使用して大手の企業がどんどん参入していることから、自主的にフェアトレードを名乗っています。
フェアトレード商品を探そう
フェアトレード商品にはフェアトレードマークが付いています。
それを目印に商品を選びますが、実際にフェアトレード商品にはどのようなものがあるのか、ここではご紹介したいと思います。
どんな商品があるの?
フェアトレード商品は食品から化粧品まで多岐にわたります。
前述でも少しご紹介しましたが、ここではもっと詳しく商品のジャンルについてご紹介します。
◆食品
・コーヒー・紅茶
・カカオ製品
・砂糖
・はちみつ
・果物加工果物(缶詰やドライフルーツ)
・ナッツ
・ワイン
・オイルシード、油脂果実
・スパイス、ハーブ
・穀類
◆その他
・スポーツボール・切り花
・コットン製品
・金
・化粧品
などがあります。
ご覧いただいたように、フェアトレード製品は日常で使うものも多く、特に食品や化粧品はすぐに取り入れやすいのではないでしょうか。
コーヒーやチョコレート、果物、ワインなど定期的に買っているという人も多い食品については、意識してフェアトレード商品を取り入れることができます。
また、フェアトレード化粧品には原料にこだわったものも多く、原料を扱う企業では厳しい審査がされていたり、安心して使用できるものが豊富にあります。
おすすめのフェアトレード商品
ここからはethicameで取り扱っているおすすめのフェアトレード商品を紹介していきます!
おすすめのフェアトレード商品①:采茶~SAICHA
こちらは茶の実を使ったフェイシャルオイルです。「采茶〜SAICHA」は、肌質や年齢、性別を問わないので、家族みんなで使えるほか、他にはない魅力が詰まっています。
魅力1:静岡県産の茶の実100%を使用したナチュラルなオイル
「采茶〜SAICHA」に使用されているのは、100%純国産の茶の実です。純国産・無添加なので、敏感肌の方*でも使用できます。
肌が敏感になっている方や、ナチュラルな成分の美容オイルを探している方にぜひ手に取ってほしい商品です。
*パッチテスト済 全ての方に肌トラブルが起こらないといいわけではありません
魅力2:自分史上一番の肌に
「采茶〜SAICHA」は、潤い、肌荒れ防止、はり、ツヤ、肌の引き締め、やわらか肌、きめの整ったなめらか肌を目指すための美容オイルです。また、乾燥による小じわを目立たなくし*エイジングケア**もできます。
種子オイルの独特の青臭さはなく、ナッツのような芳ばしい香りが特徴です。すっと肌になじみ、べたつかずに心地良く使えます。化粧水などでしっかり肌を潤わせた後に使用してください。
*効能評価試験済み
**年齢に応じたケアのこと
魅力3:環境・社会貢献を考えた製品作り
近年、お茶離れや価格低迷、後継者不足などにより、全国で耕作放棄地*が増えています。「采茶〜SAICHA」は、この耕作放棄地で栽培された茶の実を使用し、農家の収入につなげています。
*以前は耕作していたが、過去1年以上作物を栽培せず、この数年の間に再び栽培する意思のない農地のこと。
容器はガラス製、ラベルにはバイオマス接着剤、化粧箱はサトウキビの残渣で作る非木材資源のバガス紙を採用しています。また、印刷はベジタブルインクを使用。資材もサステナブルにこだわっています。美容を通じて環境や社会に貢献できるのもポイントです。
茶の実から得られる自然の恵みを「采茶〜SAICHA」で体験してみませんか。
おすすめのフェアトレード商品②:エティークシャンプーバー
「采茶〜SAICHA」以外にもエシカミーはフェアトレード商品を扱っています。
ここでご紹介したいのは、エティークシャンプバーです。
エティークは、2012年にニュージーランドで設立したブランドです。
プラスチックボトルや環境に悪い化学成分を使用せずにこだわりの成分で作られた固形バーソープのブランドです。
特に、エティークのシャンプーとコンディショナーに関しては、液体製品独特のプラスチックボトルを一切排除して、2025年までには5000万本のペットボトルの製造と廃棄を目標に掲げています。
エティークの製品の主原料はフェアトレードのカカオバターとサモア産のココナッツオイルを使用しています。
また、児童労働が問題になっている化粧原料も使用せず、エティークで使用しているマイカを含む成分はすべて生活に最低限必要な給料を約束するリヴィングウェイジにつながっています。
おすすめのフェアトレード商品③:ハーブファーマシー
ハーブファーマシーは、土壌作りにこだわった広大な自社農園で作るハーブを贅沢に取り入れた製品を作るブランドです。
有機の種子作りから丁寧に育てられたハーブを使用した植物美容は、世界中のエシカル・オーガニックファンから人気を集めています。
ハーブファーマシーは公正な権利と適正な賃金を約束し、再生利用可能な資源を利用することを大切にしています。
土壌や水、自然の力を最大限に発揮させて地球環境に大きく配慮しているのがハーブファーマシの大きな特長の一つです。
おすすめのフェアトレード商品④:ソネット
7種のオーガニックハーブを配合して作られた液体洗剤、SONETT(ソネット)は、ドイツ発の洗剤ブランドです。
石油由来の界面活性剤はもちろんのこと、蛍光増白剤やリン酸塩などを一切含まないお肌に優しい洗剤です。
フェアトレード原料を採用しており、人と自然に優しい成分は、選択後に速やかに微生物によって分解され自然に還ります。
容器には紙、ポリエチレンやポリプロピレンといったリサイクル可能原料を使用していて、原料選びから製造、使用後までこだわり抜いて作られています。
おすすめのフェアトレード商品⑤:ゾネントア
SONNENTOR(ゾネントア)社のハーブ農園は、農薬や化学肥料を使わないバイオダイナミック農法による栽培を実施しています。
手作業による加工を施されたお茶やハーブは質が高く、自然な香りはしっかり強く留まっています。
ゾネントアの製品は包装に至るまでエコロジカルなものづくり、一切の化学処理はしていません。
生産者の契約農家とはフェアトレードシステムを導入しているものの、あえて認証を取得していません。
それは、「生産者に対する対価は当然支払われるもの」というポリシーを大切にしているからです。
契約農家への報酬は適切に支払われているので、品質の良い商品を長く提供し続けることができるのです。
フェアトレードに対して私たちにできること
最後に、フェアトレードに対して私たちにできることを確認していきましょう。フェアトレード製品を取り入れてみよう
フェアトレードは現在、多くの企業が導入し、発展途上国の生産者の生活を支援するため、積極的に取り組んでいます。
フェアトレード商品は日常で取り入れられるものも多く、本記事でご紹介した洗剤や食品だけでなく、トリロジーやエティークなどの美容アイテムも人気です。
ぜひ、簡単に日常生活に取り入れられるフェアトレード製品を選んで、社会問題に貢献していけるといいですね。