スーパーやコンビニのレジ袋が有料化されたり、メディアでSDGsが取り上げられるようになったりすることで、脱プラスチック製品への興味関心が高まってきました。
この記事では、前半で「なぜ今脱プラスチックが求められているのか」を背景をふまえて確認します。
後半では、食事時やオフィスなどのシチュエーション別でおすすめの脱プラスチック製品を紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
プラスチック問題の現状
早速プラスチック問題の現状を確認していきましょう。
プラスチックによる最も大きな問題は、海に流れ出て汚染する海洋ゴミ問題が挙げられます。
将来プラスチックゴミが魚の量を上回る
2016年にダボス会議※で発表された報告書によれば、毎年800万トンのプラスチックが海に流出しており、このままでは2050年に海に流れ出るプラスチックの量は魚の量を上回る計算だといいます。
800万トンといっても壮大な数値のためイメージしにくいですよね。
ちなみにスカイツリーの重さが約36,000トンなので、およそ222本分のプラスチックが毎年海に流れ出ていると考えると深刻な問題であることがわかります。
※世界経済フォーラムが開催する会議。毎年1月に世界各国の政治家や実業家が集まり、世界経済や環境問題について話し合う。
プラスチックゴミが与える影響
では、増え続けるプラスチックゴミはどのような悪影響を及ぼすのでしょうか。ここでは、
②生物への影響
③汚染物質の付着
の3つの観点から見ていきます。
影響①観光・居住環境・船の安全
プラスチックゴミが砂浜に漂着し、積み重なっている光景を目にしたことがある方も多いと思います。
人気の海水浴場や観光地では清掃の予算を組んでいるところもあり、負担が大きくなります。また、全国各地の海岸で清掃予算を確保することは困難でしょう。
さらにプラスチックゴミがそのまま放置されれば衛生環境が悪化したり、怪我につながる恐れもあります。
これは海岸に漂着したプラスチックゴミが原因で引き起こされる問題ですが、海を漂うケースもあります。この場合は船のスクリューに絡まったり、衝突して船体が破損するなど、安全面にも支障をきたすのです。
影響②生物への影響
生物への影響も深刻です。
漂うプラスチックゴミをエサだと勘違いして、クジラやウミガメ、海鳥などが誤食することがあります。
体内にプラスチックを取り込むと、
・体長の低下
・消化器官の損傷
など、さまざまな問題を引き起こすのです。
特にウミガメは2.5グラムのプラスチック編でも消化器官に詰まらせて死んでしまうケースがあります。
砕けたプラスチックも問題に
プラスチックゴミを誤食するのは大型の生物だけではありません。
海を漂うプラスチックゴミはやがて砂浜に漂着します。そのまま長期間放置されると紫外線を浴び、風雨にさらされることでプラスチックの強度が低下。その後、砂と擦れあうことで粉々に砕けます。細かくなって5mm以下になったプラスチックをマイクロプラスチックと呼びますが、サイズが小さいため小型の魚も誤食してしまうのです。
現在、マイクロプラスチックは北極や南極を含む世界中の海に広がっています。その結果、アジ、サバ、貝やエビ、さらには動物プランクトンまで複数の生物の体内からプラスチックが検出されているのです。
これらの魚たちが水揚げされ、市場に出回れば私たちの体内にも取り込まれる可能性もあります。
基本的にはプラスチックは内臓にとどまるため、私たちが摂取する可能性はそれほど高くはありません。とはいえ、実際に海外の研究チームによれば、人間の便からプラスチックが検出されたと発表しています。※
※人間の体内からプラスチックが検出される理由は、魚を食べることだけが原因ではありません。化学繊維や細かく砕けたプラスチック片が風に舞い、体内に侵入しているケースも考えられます。現在までの研究では、人間がプラスチックを体内に取り込むことと健康被害の因果関係は証明されていません。しかし、プラスチックは食べることを目的として作られているわけではないので、今後なにかしらの影響がでることも考えられるでしょう。
影響③汚染物質の付着
海には人間の活動から出た汚染物質が流れ出ていますが、多量の海水により汚染物質も薄く広まっているため、環境への影響も微量のようです。
しかし石油が原料で、油性の物質を吸着しやすい特性を持つプラスチックには、薄く広まった汚染物質が付着してしまいます。
汚染物質を蓄積したプラスチックゴミを魚が誤食してしまえば、体内に汚染物質を取り込んでしまうのです。
また、プラスチックゴミの種類によっては汚染物質が溶け出すケースもあるようです。
例えば漁業で使用されるウキには鉛が含まれていることがあります。なんらかのきっかけでウキが海洋ゴミとして漂流すると、その間に表面に傷がつき、その後海岸に漂着することで鉛が土壌に溶け出し、汚染につながるのです。
とはいえ、汚染物質が溶け出していてもすぐにわたしたちの生活や海岸の生物に重大な影響を与えるわけではありません。
しかし、今後プラスチックゴミが増えれば加速度的に汚染は広がっていくことが予想されます。
このように、プラスチックゴミはさまざまな場面で悪影響を及ぼしており、削減しなければなりません。では、このプラスチックゴミはどこからやってくるのでしょうか。
海を漂うゴミのほとんどが街からやってくる
海のプラスチックゴミというと、
・釣り人
・漁業関係者
が捨てているイメージを持つ方も多いと思います。
しかし実は、海に漂うゴミの発生源のおよそ7割は街です。
街を歩いているとポイ捨てされたゴミや、カラスにゴミ袋を破られ散乱するゴミを目にしますよね。
これが風で飛ばされる、雨水に流されるなどの要因により側溝に侵入。そこから巡り巡って川にたどり着き、その後、海へとやってくるのです。
ここまでが脱プラスチックに関心が高まってきた背景です。近年メディアで取り上げられる機会が増えたSDGsでも、プラスチックゴミを削減して環境の保護を重要視しています。(主に目標14「海の豊かさを守ろう」)
SDGs・目標14についてさらに深く知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
【関連記事】SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」2つの重要キーワードを解説!企業や個人の取り組みも
海外における脱プラスチック
今後プラスチックゴミ問題を解決するためには、わたしたち一人ひとりの心掛けが大切になります。
ゴミをみかけたら拾うことはもちろん、脱プラスチック製品を選択することで、そもそもの使用量を減らすことが求められているのです。
その一環として日本では2020年7月よりレジ袋が有料化されました。
今後はプラスチック製のスプーンやフォークも有料化が検討されるなど、プラスチックゴミ削減に向けた動きが加速しています。
とはいえ実は日本の脱プラスチックの取り組みは世界と比較すると遅れをとっています。
今後は海外の事例を参考にしながらさらなる行動を起こす必要があるでしょう。
そこで次は、海外の脱プラスチック事情を、実際にカナダで生活を送るルミカさん(バンクーバー在住)に聞いてきたので、インタビュー形式で紹介します。
カナダの脱プラ事情
---バンクーバーに住んでどのくらいですか?
ルミカさん 3年目になります。
---バンクーバーはどのような街ですか?
ルミカさん バンクーバーは都市と自然が上手に共存している街です。住んでいる方々の環境に対する意識も高いように感じています。
もちろんさまざまな方がいるので考え方はそれぞれです。なので「プラスチックかどうかはあんまり気にしないよ!」という方も一定数はいると思います。
---プラスチック製品事情はいかがでしょう?
ルミカさん 日本と同様にプラスチック製品はたくさんあります。ですが減らしていこうと考えている企業、人も多くいると感じます。
---具体的には?
ルミカさん レジ袋は日本と同じように有料です。買い物をするとどこのお店でも必ず「プラスチックのレジ袋は有料だけど必要?」と確認されますね。
ホールフーズのようないわゆる「意識高い系」と呼ばれるスーパーでは特に脱プラが進んでいると思います。レジ袋も紙袋ですしね。
ある環境に配慮したスーパーではお魚やお肉を入れる小さい袋?も「compostable bag」という土に還せる袋に入れてくれる徹底ぶりです。
レジ袋以外でいうと、バンクーバーにはプラスチック製品に代わるものが色々な場所に売っている印象があります。
---というと?
ルミカさん 食品を保存するためのチャック付きのプラスチック製袋ってあるじゃないですか?あれって便利でついつい使っちゃっていたんですけど、もったいないなと思っていました。
そのタイミングでふらっとドラッグストアに立ち寄ったら、繰り返し使えるシリコン製の保存袋をみつけて、しかもいろいろな種類が揃っていたんです。
日本で自分のライフスタイルに合わせたサイズのものが欲しいとなると、東急ハンズやロフトのようなお店にわざわざ探しに行かなければなりませんでした。
でもこちらに来てから、多くの場所に脱プラスチック製品が売っていることに驚きましたね。
最近ではbeeswax wrap(蜜蝋ラップ)もいろいろなお店で見かけるようになりましたよ。
---いたるところで脱プラスチック製品が揃うのはいいですね。ちなみにペットボトル事情はいかがでしょうか?
ルミカさん ペットボトルの飲み物はお店に普通に売っているんですが、みんなマイボトルを持ち歩いている人が圧倒的に多いですね。私も最後に買ったのがいつだったか思い出せないくらいです。
---購入しない理由は環境意識の高さからですか?
ルミカさん バンクーバーには自動販売機がほとんどないんです。コンビニはありますが、日本ほど品揃えが充実していないですし…。
これが購入頻度が低い理由につながっているのか、環境意識が高いからなのかは正直わかりませんが、マイボトルに飲み物を入れて持ち歩くことがなんだか当たり前なんですよね。
---バンクーバーの徹底ぶりに驚きますが、不便さはないですか?
ルミカさん 住み始めた当初は少しだけ不便だなと感じたことはあります。でもすぐに慣れましたね。プラスチック製品を使わなくても代わりになるものがたくさんあるし生きていけるなと。
---バンクーバーで生活してみて、日本でさらに脱プラスチックを加速させるには何が必要がと思いますか?
ルミカさん こちらの人たちは「プラスチック製品を減らさなきゃ!」と意気込む人ってあんまりいないと思います。使うのを減らすのは当たり前みたいな考え方ですね。日本でも脱プラスチック製品がもっとライフスタイルに溶け込むことが大切かなーと思います。
---ありがとうございました!
脱プラスチックを始めてみよう
海外事情を知ったところで、わたしたちが脱プラスチック生活を始めるために、製品を選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
脱プラスチック製品を選ぶポイント①すべてを脱プラする必要はない
脱プラスチック生活を始める上で重要なポイントとなるのは、「すべてを脱プラする必要はない」ことです。
海洋プラスチックごみを研究する磯部篤彦さんの著書「海洋プラスチックゴミ問題の真実 マイクロプラスチックの実態と未来予測」には、生活のなかのすべてのプラスチックを排除することは不可能ですし、さまざまなリスクが発生する可能性もあると書かれています。
理由をペットボトルやプラスチックフィルムを例に考えてみましょう。
ペットボトルに入った水は清潔で安全であるため、誰でも飲むことができます。また、軽いので輸送コストも抑えられ、保存もききます。ペットボトルがあるおかげで貧困地域や被災した地域へ大量に水を送ることができるのです。
食品の包装に使われるプラスチックフィルムも安全な食事を人々に届けることができます。
プラスチックは安価であるため、立場に関係なく平等に安全で快適な暮らしを提供してくれているのです。
また、すべてを脱プラスチック製品に切り替えることはコストもかかりますし、手間がかかる場合もあります。
脱プラ=プラスチックをゼロにするということではなく、できるところから減らしていくという意識を持ち、少しずつ自分のペースで切り替えていくことが大切です。
脱プラスチック製品を選ぶポイント②長く使えるものを選ぶ
長く使えるものを選ぶこともポイントです。
レジ袋が有料化されたことで注目を集めているマイバッグを例に見ていきましょう。
環境省と経済産業省が運営している「レジ袋チャレンジ」に以下の記載がありました。
“国連環境計画(UNEP)によると、マイバッグは綿製で50回以上、厚手のプラスチック製で10回以上使用しないと、一般的な薄手のプラスチック製レジ袋を1回で使い捨てる場合に比べて、温室効果ガスの排出量が多く、環境負荷が高くなる”とのことです。
つまり、たとえエコバッグを利用したとしても
・サイズ感が違った
・紛失
などの理由で新しいモノを次から次へと買ってしまうと、かえって環境に悪影響を与えてしまいます。これはマイバッグ以外にも同じことが言えるでしょう。
ぜひ商品を探す際には、
・自分の生活スタイルに合っている
・耐久性に優れている
などの長く使える商品を探すようにし、
・紛失しない
・常に持ち歩く
ための工夫も合わせて考える必要があります。
脱プラスチック製品を選ぶポイント③使用しているイメージをする
商品を選択する際は、自分が使用している姿をイメージすることも大切です。
せっかく脱プラスチック製品を購入しても、
・使い勝手が悪い
・うまく使いこなせない
となると、日々少しずつストレスが溜まり、継続することが難しくなります。
実際に私たちエシカミー編集部でも脱プラスチック製品の選択を心掛けていますが、はじめのうちは何度も失敗しました。
→サイズが大きい・重いため持ち運びに苦労
・大容量マイボトルを購入(2リットル)
→こちらもサイズが大きい・重いため持ち運びに苦労
など、特に重さとサイズの選択ミスが多発しています。これはネット通販で購入したため、実物を見ていなかったのが原因でした。
これから脱プラスチック製品の購入を検討している方は、なるべく実物を確認してから選択することをおすすめします。
また、商品の知識不足により失敗したケースもあります。
→ストローを使用後、洗うための専用ブラシの購入忘れに気付く。しばらく洗えず。
脱プラスチック製品を購入する際は、洗う方法や保管方法などにも気を配る必要がありますね。
脱プラスチック製品を選ぶポイント④代替え素材を知る
脱プラスチック製品かどうかを見極めるためにも、代替え素材を知っておくと便利です。
【代替え素材例】
・ダンボール
・木
・竹
・ガラス
・ステンレス
・鉄
・コルク
・シリコン
また、化学繊維(アクリル・ナイロン・ポリエステルなど)でできた衣服もプラスチックになります。天然繊維(コットン・ウールなど)を選択することも脱プラスチックにつながります。
もし商品の表記を見てもよくわからない場合は、日本プラスチック工業連盟がまとめている「主なプラスチックの特性と用途」で確認しましょう。
脱プラスチック製品を選ぶポイント⑤パッケージにも配慮する
せっかく購入した脱プラスチック製品でもパッケージにプラスチックが使われていては台無しです。
脱プラスチック製品はパッケージにも配慮されているケースが多くありますが、まれにプラスチックで包装されていることも。ぜひ紙や生分解性のパッケージを選択するようにしましょう。
また、通販を利用すると過剰に梱包されて送られてくることもあるので、配送にも配慮されているかを確認できるとベストです。もしわからない場合は取り扱い店に問い合わせてみるのも良いですね。
※本サイトエシカミーでは、梱包材を99.9%生分解性のものを利用しています。
シチュエーション別!脱プラスチック製品
ここからは、エシカミー編集部がおすすめする脱プラスチック製品をシチュエーション別に紹介します。
※紹介している商品は、店舗状況や注文時期によっては梱包材にプラスチックが含まれているものもあります。
食卓編
まずは食卓で始められる脱プラスチック製品をご紹介します。
天然木のお箸
毎日使うお箸ですが、一見すると木に見えるものでも実はプラスチックで作られているモノがあります。
また、マイ箸を持ち歩いてスーパーやコンビニでプラスチックスプーン・フォークを使わないようにしたいところです。
そこでおすすめなのが、クァントバスタ|無添加箸です。
クァントバスタ|無添加箸
継続のしやすさ:★★★★★★
こちらは昔ながらの製法にこだわり、2年の歳月をかけて木曽の職人たちが作るお箸です
日本の森や職人技を守り、かつ無添加。使う人に安心を届けます。
男女兼用大人用(中学生以上推奨)23cm。
ヒノキ間伐材の台紙入りパッケージ。
軽さは今までのお箸1本分ほどの軽さも特徴です。
竹製カトラリー
カトラリーとは、食卓で使うスプーンやフォーク、ナイフなどを総称する言葉です。
特にお子様のカトラリーにはプラスチックが用いられていることが多いため、竹製品に切り替えてみてはいかがでしょうか。
甲斐のぶお工房
継続のしやすさ:★★★★★
甲斐のぶお工房は大分県の由布院で営む木・竹カトラリー専門店。
地元の孟宗竹、島根県のミズメ材を使い、1つ1つ手作りしています。デザインもさることながら、注目すべきは使い勝手です。
日常で使うものは使いやすくなければ意味がないという職人である甲斐さんの考え方のもと、徹底的に試行錯誤を重ねて商品化しています。
そのためリピーターも多く、特にお子様がこちらのカテラリー以外は使いたくないと言うほどなんだとか。
竹・木製品はカビやすいため手入れが面倒なのがネックですが、甲斐のぶお工房のカテラリーには表面に体に害のないウレタン塗装が施されており、お手入れも簡単です。
※ウレタン塗装なしの商品もで注文可。
また、修理にも対応しており、長く使い続けられる心遣いもポイントです。
使用頻度が高いものだからこそ、脱プラスチック製品である木・竹カテラリーを検討してみてはいかがでしょうか。
食品保存
使い捨てのナイロンラップから繰り返し使えるものに切り替えてみてはいかがでしょうか。
カナダでの脱プラスチックの章で「蜜蝋ラップ」を紹介しましたが、自作するのはちょっと面倒…と感じる方におすすめしたいのが、シリコンフードカバーです。
シリコンフードカバー
継続のしやすさ:★★★☆☆
こちらの商品は食品、食器のカバーなど幅広い用途で使用できます。
伸縮性に優れており、
・お椀やボールなどのカバー
・残った缶詰のカバー
にと、様々な用途で使用できます。
また保存用だけでなくコーヒーカップなどのグラスへの虫・ほこり除けカバーとしても使える優れもの。
隙間なく密着するよう高品質シリコンを使用しています。日本国内で食品衛生の検査を受け安心安全も折り紙つき。
洗って繰り返し使用できる、衛生的でサスティナブルな商品です。
【継続できるかのポイント】
大量に作り置きする場合、複数セットが必要になります。繰り返し使えるのでランニングコストはかかりませんが、初期投資がネックになる場合も。
そんな場合は無理せずに一部をシリコンフードカバー、一部を使い捨てラップにしてみるのも十分プラスチック削減に貢献できますよ。
キッチン編
続いてはキッチン・洗濯で使える脱プラスチック製品の紹介です。
フライパン
継続のしやすさ:★★★☆☆
テフロン加工のフライパンも実はフッ素樹脂と呼ばれるプラスチックが含まれています。
国連開発計画(UNDP)によれば、
“テフロンは、マイクロプラスチック(5mm以下の細かいプラスチック粒子)に分解されていきます。それを食べてしまうことになるだけでなく、下水システムを通って水路や海洋に流出します。そして、それらの細かいプラスチック粒子を食べた魚を私たちが食べるのことになるのです。”
引用元:プラスチックを使わず生活する20の方法
そこでおすすめしたいのが、鉄やステンレス製のフライパンです。
ここではエシカミー編集部が実際に使用し、使いやすかったものを紹介します。
【鉄製フライパン】リバーライト 厚板フライパン 極 ジャパン 28cm
写真:リバーライト
鉄製というと、中華料理屋で使われる中華鍋や洋食屋のフライパンを目にしたことがある方も多いと思います。
料理上級者向けなのでは?と購入するにはハードルが高いイメージです。
しかし今回使ってみたところ
・普段使っているテフロンフライパンと調理方法にほとんど差がない
と感じました。
そして何より炒め物がおいしいんです。
メーカーのHPには鉄フライパンの特徴として以下のようにまとめられていました。
鉄フライパンは放熱特性(どれだけ効率よく熱を放出できるか)に優れている。ゆえに食材に素直に熱を伝えられる。これにより餃子はパリッと焼き上がり、野菜もシャキッと水が出ない仕上がりに。
他にもさまざまな理由があるので、ぜひこちらからチェックしてみてください。
【継続できるかのポイント】
鉄フライパンは初めて使う際には「油鳴ならし」という作業が必要になります。
この作業自体は特に手間に感じませんでしたが、継続するためのポイントがいくつかありました。
→調理に入る前に、あたためたフライパンに油を入れて馴染ませる必要があります。
→予熱が残っているうちに洗わなければコゲが落としにくくなる。洗剤を使わずに洗いフライパンを火にかけ、再び油を馴染ませなければならない
これまでテフロンは調理後すぐに水につけるとフッ素樹脂が落ちてしまうため、洗う習慣がありませんでした。
そのため、最初のうちは鉄フライパンの洗い忘れが多発。コゲを落とすのに苦労したので注意が必要です。
→鉄でできているだけあって重いです。中華料理屋さんになったつもりで手首を返しながら痛めていましたが、しばらく握力を失いました。
とはいえ
・プラスチックが台所経由で流れていかない
・体内に摂取する心配がない
・洗剤を使わないため環境にも優しい
とメリットが多数あります。
IHにも対応している製品もあるので、どなたでもご利用いただけます。
【ステンレスフライパン】ジオプロダクト
写真:ジオプロダクト
ステンレスフライパンはジオプロダクトをおすすめします。
プラスチックが使われていないことに加えて錆びにくいのが特徴です。
また、ジオプロダクトは
・熱伝導と保湿性が高い
構造となっているため、料理がおいしく仕上がるようです。
実際に使ってみた感想は、
「野菜が柔らかく味が染み込んでいる」
「焼き物・炒め物・煮物など基本的にどれもおいしく素材の味を引き出している気がする」
ことです。
普段使っていたテフロンフライパンでは感じたことのなかった味の深さが出たことに驚きました。
【継続できるかのポイント】
→しっかり温めてから調理を始めないと食材がくっつきます。初めに卵焼きを作ってみましたが、べったりとくっついてしまい、スクランブルエッグになってしまいました。
慣れるまでに何度か試行錯誤が必要です。
→熱伝導が良いので、弱火から中火での調理を推奨しています。しかし慣れるまでは、火が弱すぎてなかなか火が入らなかったり、火が入りすぎてしまったりと苦労しました。
→鉄フライパン同様、テフロンフライパンと比べて重量感があります。初めの頃は料理が完成して皿に盛り付ける際に、腕がパンパンになりました。
ですが、これらを超越するほどのおいしさに感動すら覚えるので試す価値はありますよ。
【セラミック・ノンスティック・コーティング】グリーンパン
写真:グリーンパン
鉄・ステンレスの重さが気になる方は、セラミック・ノンスティック・コーティングのフライパンをおすすめします。
グリーンパンは、世界で初めてフッ素樹脂を使わないノンスティック加工のフライパンを開発したベルギー発のブランドです。
※ノンスティック加工とは、フライパンに施されるコーティングのことで、食材とフライパンがくっつかないようにするもの。テフロンはフッ素樹脂によるノンスティック加工。
グリーンパンはフッ素樹脂の代わりに砂由来のサーモロンという素材でコーティングされているため、プラスチックフリーです。
グリーンパンを使ってみた感想は、鉄・ステンレスと比べて最もテフロンフライパンに近い使い勝手であることです。
重さも気にならず、フライパンに食材がくっつくこともありません。
【継続できるかのポイント】
→調理を始める際には、30秒から1分の予熱が必要。調理中も弱火〜中火が推奨。「これくらいで大丈夫かな?」と毎回不安になる。
・金属製器具の使用を極力ひかえなければならない
→コーティングを長持ちさせるために、フライ返しなどの調理器具は木製やシリコン製などを利用する必要がある。
慣れれば忙しい朝や短時間で調理を済ませたいときに便利なフライパンです。
スポンジ
食器を洗うために毎日使うスポンジ。実はこれもプラスチックでできた製品です。
そこでおすすめしたいのが、セルロースで作られたスポンジです。
エシカミー オリジナル ポップアップスポンジ
継続のしやすさ:★★★★☆
セルロースは木の端材からとりだした繊維素のこと。土に埋めれば100%生分解する天然素材です。
初めて使うときはカードのように薄いスポンジに水を含ませるとあっという間にふくらみ、ふわふわになります。
天然素材でできているため、ガラスや漆器などのデリケートな素材も傷つけず、やさしく洗い上げることができて安心です。
手に馴染みやすいサイズも使いやすいポイント。
◆吸水力・速乾力・抗菌効果も抜群!
エシカミー オリジナル ポップアップスポンジは、綿100%素材に比べて吸水力が2.5~3.2倍、自重の約10倍もの水分を吸収します。一度にたくさんの水をサッと拭き取れて、拭き跡も残しません。
また、乾きが早いため雑菌が繁殖しにくく衛生的。
乾くとパリパリ、濡らせばすぐにやわらかくなり、たくさんの水を吸います。
洗濯編
洗濯時にも脱プラスチックを意識できます。
洗濯バッグ
先述したように、衣服にもプラスチックでできた繊維が使用されていることがあり、洗濯するたびにマイクロファイバー(合成繊維の一種)が流れ出ています。
「でも全部を天然繊維の服にするのはコストがかかる…」と悩む方が多いと思います。天然繊維製品は長く使えるとはいえ家計への影響は大きいですよね。
エシカミー編集部でも、一度にすべての衣服を天然繊維に切り替えることは難しいので、余裕がある時に少しずつ買い揃えるようにしています。
しかしプラスチックの削減にできることはしたい。
そんな時におすすめなのがドイツの非営利団体「LANGBRETT」が開発した洗濯バッグ「グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ」です。
グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ
写真:グッピーフレンド
継続のしやすさ:★★★☆☆
グッピーフレンド・ウォッシング・バッグは、洗濯によって抜け落ちる合成繊維をキャッチし、外部への流出を削減します。
公式HPによれば、ウォッシングバッグで洗うと合成繊維が平均86%も減少するようです。壊れた繊維は、洗濯後に洗濯袋の隅に集まり、簡単に取り外して廃棄することができます。材質はポリアミドというプラスチックの一種ですが、モノフィラメントという化学繊維が流れにくい生地で作られています。
50×70のワンサイズのみの展開ですが、意外に量が入ります。
何度か使っているうちにゴミが確認できるようになるため、プラスチックを削減している実感も味わえます。
【継続できるかのポイント】
→1枚約4,000円ですが、どの程度の期間使えるのかが気になるところです。
エシカミー編集部員は使い始めて5か月経ちますが、今は購入当初と変わりなく使えています。しかし使用頻度はそれぞれ異なるものの、1年〜2年程度で穴が空いてしまったと書かれている商品レビューやSNSへの書き込みが見られ、都度購入しなければならないことに悩んでいる模様。
洗濯後の衣服のヨレなどが今までよりも少ないと実感しているようです。
服持ちが良くなり衣服の購入頻度が減るかもしれないことを考えると、コスパは良いかもしれません。
洗濯バサミ・ピンチハンガー
継続のしやすさ:★★★★★
これはプラスチックの洗濯バサミやピンチハンガーをステンレス製に切り替えるだけなので、非常に継続しやすい脱プラスチック製品です。
プラスチック製の場合、洗濯物を外に干していると紫外線を長時間浴びるため強度が落ちます。しばらく使っていると欠けたり粉々になった…なんて経験をした方も多いのではないでしょうか。
地面に落ちた細かく砕けたプラスチックをすべて回収するのは困難です。拾われなかったプラスチック片はやがて川や海へたどり着くことでしょう。
それに対してステンレス製は砕ける心配なし、使用していて気になるデメリットもありません。
ここでは編集部員が使っているステンレスハンガーを紹介したかったのですが、購入から何年も経っており、商品名が不明でしたのでぜひインターネットやお店で商品を探してみてください。
ここでの脱プラスチックのポイントは、パッケージにプラスチック素材が使われていないものを選ぶことです。
浴室編
シャンプー・コンディショナーなどのボトル容器、カミソリの柄、体を洗うボディタオルなど、浴室はプラスチック製品で溢れています。
ここではリラックスできるお風呂タイムにストレスなく始められる脱プラスチック製品を紹介します。
シャンプー・コンディショナー
まずはシャンプー・コンディショナーの脱プラスチックについてです。
液体シャンプーやコンディショナーのプラスチックボトル容器・詰め替え用パッケージは年間でおよそ800億本廃棄されると言われています。しかし、そのうちの9%しかリサイクルされていません。
そこでおすすめしたいのがシャンプー・コンディショナーバーのエティークです。
エティーク
継続のしやすさ:★★★★★
エティークは固形化に成功したことで、プラスチックパッケージから脱却。2012年の発売から2019年までの7年間で600万本のプラスチックボトルの削減を実現しました。さらに2025年までに5,000万本を削減することが目標です。
◆とにかくサスティナブル
エティークはプラスチックの削減以外にもサスティナブル、いわゆる地球を持続可能なものにしていくためにさまざまな基準を設けています。
① 健康に害を与えるリスクがないこと。
② サスティナブルに生産され、生分解性※1であること。
③ 動物実験を行っていないこと。
④ 人工香料を使用しないこと。
⑤ フェアトレード※2、リビングウェイジ※3であること。
使えば使うだけ地球の持続可能に貢献できる魅力があります。
◆使い勝手も◎
一見するとカラフルなせっけんのようにも見えますが、泡立ちが抜群。また、髪や頭皮に必要な美容液成分を豊富に配合しているためきしむこともありません。
◆パッケージも環境に優しい
すべてのパッケージは生分解性(微生物によって分解される物質のこと)によるもので作っており、土に還ります。
なおかつインクも植物からとれるベジタブルインクを使用しているため、燃えるゴミとして処理する以外にも、開けたパッケージに土とタネを入れて、植物を育てることもできるのです。一定の大きさに植物が育ったあとは、庭にパッケージごと埋められるのでゴミの削減につながります。
ボディタオル
ボディタオルも種類によっては合成繊維がつかわれているものがあります。
そこでここでは、へちまから作られたへちま美人を紹介します。
へちま美人
継続のしやすさ:★★★★☆
富山県射水市(旧大島地区)で30年来、農薬や化学肥料を使用していない畑で育った純国産のへちまを使い、一つ一つ手作業で作られたボディタオルです。
へちまは生分解性、抗菌性、吸湿性、防虫効果がある自然素材の植物繊維です。
こだわりの製法でつくられたへちま美人は、
・維の目のつまりがしっかりしている
・速乾性、防臭効果がある
・余分な漂白を施しておらず自然のままの色
であることが特徴です。
無農薬栽培へちま繊維がお肌を守りながら優しく洗え、気持ちのいい刺激を与えてくれるため、手放せなくなる程の心地良さ。
へちま繊維は、使い始めは少し固さがありますが、徐々に身体に馴染んでいくのでご安心ください。
【継続できるかのポイント】
→へちまアレルギーの方は使用をお控えください。また、自分では気づいていない隠れアレルギーの方もいると思います。肌に合わない・炎症が出た場合は使用せずに別の素材のものをお選びください。
→通常のボディタオルに比べて少々価格が高いのが気になるところ。とはいえ手洗いをすれば半年から1年ほど使えるので交換頻度が少なくて済むため、トータルで見ればコスパも良い製品です。
カミソリ
カミソリは基本的に柄の部分はプラスチックです。使い捨てのものだとかなりの頻度でプラスチック廃棄物を出してしまいます。
そこでここで紹介するのは、貝印から発売された紙カミソリです。
紙カミソリ
継続しやすさ:★★☆☆☆
紙カミソリは貝印から2021年4月に発売されました。
現在販売している貝印の3枚刃カミソリに比べて98%ものプラスチック使用量を削減しています。
紙製ですが、水やお湯に濡れても使用可能です。気になる切れ味もさすが刃物のプロ貝印だけあって抜群でした。
【継続できるかのポイント】
→商品は5枚セットで1,100円とプラスチック製カミソリよりは割高です。毎日使うには家計への負担が大きくなりそうです。
そのため、自宅では繰り返し使えるカミソリを、紙カミソリは出張や旅行にと使い分けがおすすめです。薄くて軽いため手軽に持っていくことができますよ。
お風呂のフタ
お風呂のフタは長く使っていると劣化して破損することがあり、砕けたプラスチックが排水溝から流れ出るケースもあります。
買い換える機会は少ないと思いますが、ヒノキのフタを検討してみてはいかがでしょうか。
ヒノキのフタ
継続しやすさ:★★★☆☆
既存のプラスチック製のフタがあると導入までのハードルが高くなりますが、一度購入すれば長く使えるヒノキフタ。
ヒノキにはカビを防ぐ効果があるため、お風呂でも使用できるのです。
さらにはフタを変えただけなのに浴室いっぱいのヒノキの香り広がりリラックス効果も。
エシカミー編集部員はこちらを購入しましたが、角取り加工がされているので触り心地が抜群!
既製品を購入せずに、ホームセンターに売られているヒノキを買ってきてお風呂のサイズに合わせて自作するのも◎
切り口をやすりがけする必要はありますが、自作で愛着も湧きそうです。
【継続できるかのポイント】
→アレルギーをお持ちの方は、無理に「お風呂のフタも脱プラスチックしなきゃ!」と考えなくても良いと思います。体の異変を我慢しなければならないのが脱プラスチックではありません!マイペース・自分に合った選択をしてくださいね。
→プラスチック製の場合はお風呂から出る際は何も考えずにフタを閉めるだけです。その一方でヒノキのフタは、
・使い終わったら一度洗い流す
・お湯を抜いて湿気を溜めないようにする
・窓を開ける、換気扇をまわすなど浴室内の湿度に注意
など、管理が必要になります。
とはいえ、実際にヒノキフタを使用しているエシカミー編集部員によれば、
・疲れて帰ってきた日にはこの作業を忘れてしまうことが多々
・換気扇が故障しているので小さい窓を少し開けるだけ
と管理が少々甘くなることも。しかし1年以上使用経ってもヒノキフタにカビは生えていないようです。
ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
トイレ関連
トイレにも意外にプラスチック製品が溢れています。ここではトイレ周りの脱プラスチック製品を紹介します。
掃除グッズ
継続しやすさ:★★★★☆
掃除に使うブラシは柄の部分に。水に流さないタイプのウエットティッシュも合成繊維と掃除にまつわる製品にプラスチックが使われているケースが多くあります。
そこでおすすめしたいのが、ステンレス製スポンジトングとセルロース製スポンジです。
ステンレス製スポンジトング・セルロース製スポンジ
木製ブラシを試してみたものの、買い換えるタイミングがいまいちわからず悩んでいたエシカミー編集部員。
そこでSNSで発見したステンレス製のスポンジトングにセルロース製スポンジを挟み込んで使ってみたところかなりでした。
①セリアで「ハンキングステンレススポンジトング」を購入
②アマゾンでセルローススポンジを購入
③合体して使用
木製ブラシでなんとなく気になっていた衛生面。
その一方でスポンジトングはステンレス製ということもあって、汚れたら拭き取ればオッケーです。また、自分が気になるタイミングでスポンジを交換できるのも◎ですね。場所を取らずに収納できるのもポイントが高いので、ぜひお試しください。
オーガニックナプキン
生理用品にもポリエチレンやポリエステルなどのプラスチックの繊維が含まれています。そこでオーガニックナプキンを検討してみてはいかがでしょうか。
ナトラケア
イギリス発のオーガニック&ナチュラル生理用品「ナトラケア」は、オーガニックナプキンのパイオニア。30年以上の歴史を持ち、世界中で愛用されています。
肌なじみのよい表面のコットンとパルプ素材をしようした吸収力の高い吸収機能によって、使用後もサラッとした手触りのナプキンです。
薄型のナプキンにも関わらず量の多い日も不快感なく過ごすことができると口コミでも評判の紙タイプのオーガニックナプキンです。
また、オーガニックナプキンは化学的な高分子吸収剤は使用しておらず、布の吸収作用やパルプなどの植物由来の成分で水分を吸収させます。
これにより冷えを予防することもできると言われています。
オーラルケア編
ここでは歯磨きなどのオーラルケア時に取り入れられる脱プラスチック製品を紹介します。
歯ブラシ
毎日使う歯ブラシもプラスチックでできていますが、1年間の間に世界中で約36億本が廃棄されていると言われています。その内、日本では年間で約4.5億本(全体の10分の1弱)が消費・廃棄されています。この現状を踏まえて、プラスチックフリーなものに切り替えてみましょう。
バンブー歯ブラシ(竹歯ブラシ)
バンブー歯ブラシ(竹歯ブラシ)は、家族で使えるような日用品が、環境に優しくおしゃれで使いやすい、オリジナルの歯ブラシを発信していきたい!と言う想いから誕生した歯ブラシです。商品発売のためにクラウドファンディングを行い、多くの方からご支援いただきました。
そんな想いがつまったバンブー歯ブラシ。開発者のこだわりを紹介します。
こだわり①ブラシが女性の顎でも入るように調整
1回目の試作品を自分で試した時に、ヘッドが大きく奥歯までうまく磨けませんでした。他のスタッフにも試してもらい、工場と何度もやりとりをして、ヘッド先の厚み・幅を何度も修正。これ以上は無理!というところまでヘッドのバランスを調整してもらいました。
こだわり②肢〜ブラシまで環境に配慮
地球からいただいたものは、なるべく地球に返したい。その想いから、肢部分はエシカル素材のバンブー・ブラシの部分も、何度も調整し可能な限り生分解性成分を使用しています。
こだわり③家族で使えるように4種の柄を用意
焼印で「星・月・リーフ・魚」の柄を用意しています。一目で自分の歯ブラシがわかる工夫がされています。価格もプラスチック歯ブラシと変わりないので、続けやすい商品です。
フロス
持ち手がプラスチックで、糸状になっている部分がポリエチレンであることが多いフロス。これも脱プラスチック製品に切り替えてみましょう。
活性炭デンタルフロス
以下取り扱い点HPより引用
“この活性炭デンタルフロスは、竹繊維と活性炭からできており長さが30mあるので長持ちします。
少々のペパーミントオイルの自然なミント風味のみで、合成香料、保存料や着色料の添加物も一切使っていません。
ペパーミントオイルに含まれるメンソールは殺菌、抗菌、抗ウイルスに優れていると言われており、虫歯の原因となる細菌を抑制し、歯茎にある細菌も除去します。自然な心地よいスッキリ感が続きます。
毎年数億個が捨てられているというデンタルフロスのほとんどは糸がナイロン、ケースはプラスチックでできていて、大きな問題になっています。
デンタルフロスは、ステンレスとガラスの容器、そして小さなクラフトボックスに入っています。”
耐久性を維持するために少量のポリエステルが含まれていますが、それでも普段使っているフロスよりプラスチックの量が少ないのは明らかです。
処分する際はコンポストではなく、燃えるゴミに出すようにしてください。
【継続できるかのポイント】
・持ち手のあるスティックタイプを使用していた場合は慣れが必要
→スティックタイプのものは口を大きく開けなくても歯の間に滑り込ませられます。こちらの商品の場合は、大きく口を開けないと手が入らないので最初はうまく取れないこともあるかもしれません。
とはいえ、4〜5回練習すれば感覚をつかめるので慣れれば継続しやすいと思います。
オフィス・学校編
ここではオフィスや学校で取り入れられる脱プラスチック製品を紹介します。
マイボトル
継続しやすさ:★★★★★
やはりなんといってもマイボトルは外せません。環境省の調査によれば、海を漂うゴミの1位がペットボトルのフタで、4位がペットボトル本体です。ペットボトル飲料を飲む機会を減らすことは、海を守るために不可欠なアクションといえるでしょう。
最近ではお店にも特設コーナーができるなど商品の種類も増えてきました。そのなかでもエシカミー編集部が利用しているマイボトルを紹介します。
Hydro Flask(ハイドロフラスク)
Hydro Flask(ハイドロフラスク)は、アメリカオレゴン州で生まれたステンレス製の断熱ボトルです。メーカーサイトよれば、ボトルは二重壁断熱構造となっており、
・冷たい飲み物は最大24時間冷たいまま
・暖かい飲み物は最大6時間、湯気が出る状態
を保ちます。
また、人体に悪影響を及ぼすといわれるビスフェノールA(BPA)を含まない素材を使用。
※ビスフェノールA(BPA) ビスフェノールAは、主にポリカーボネート、エポキシ樹脂と呼ばれるプラスチックの原料として使用される
引用元:厚生労働省 「ビスフェノールAについてのQ&A」
実際に使ってみて、24時間とまではいかないものの、朝7時に入れた水が15時頃まで冷たいんです。温かい飲み物もランチタイムまで保温されているのがうれしいところ。
容量が小さいものから大きなものまで幅広く揃っているので、ライフスタイルに合わせて選択できるのも◎です。
そして世界的な取り組みである、使い捨てプラスチックによる環境汚染への問題喚起「Plastic Free July(プラスチック フリー ジュライ)」に合わせ「Refill For Good(リフィル フォー グッド)キャンペーン」を実施中しているのも素敵ですね。
マイコーヒーカップ
最近ではコーヒーチェーン店でもプラスチックストローの廃止など、脱プラが進んでいます。マイタンブラーを持参すれば値引きされるお店も多いため、お得に利用できるのもうれしいですよね。
とはいえタンブラーってちょっと重いし、気軽に持ち歩けない…なんて方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、マイコーヒーカップ「エコーヒーカップ」です。
エコーヒーカップ
継続しやすさ:★★★★☆
エコーヒーカップは繰り返し使えるコーヒーカップです。カップ本体は、バンブーファイバー(竹の繊維)、トウモロコシ繊維、コーンスターチ、アミノ酸由来の樹脂などから出来ています。プラスチック製品に多く含まれ人体への有害性が指摘されているBPA、BPS、フタル酸エステルは含まれていません。
ホルダーやフタはシリコンで出来ているため、温かい飲み物も持ち運びやすくなっています。
使い捨てカイロ
冬の寒さをしのぐために欠かせない使い捨てカイロ。夏もオフィスの冷房による冷え対策に使っている方も多いのではないでしょうか。
使い捨てカイロは1つ1つプラスチック製のパッケージに包まれているため、毎回ゴミが出てしまうのが悩みどころ。
そこで繰り返し使える「米ぬかカイロ by ethicame」を紹介します。
米ぬかカイロ by ethicame
継続しやすさ:★★★★☆
米ぬかカイロ by ethicameは、電子レンジで温めることで繰り返し使える“ぬか袋カイロ”です。中身は「煎り糠」「お米」「塩」と、「乾燥ハーブ類」のみで作られており、化学的なものは一切使用していません。
ぬか袋は、熱と水分を放出するだけの自然な作りで、お米と塩の保温力でうるおいを保ちながら、ゆっくり放熱。じっくりと体を温め、糠とハーブの優しい香りでリラックスできます。
また、冷凍庫で凍らせることで暑さ対策にも。
カバー※は取り外し可能なので洗濯できるので衛生面も安心です。
※「米ぬかカイロ by ethicame」は、外袋(カバー)にオーガニックコットン100%使用。
エシカミーでは、このコットンを使用することでNGOのACE(エース)が運営する、コットン生産地での危険な児童労働から子どもを守り、就学を徹底することを目的としたプロジェクト「ピース・インド プロジェクト」に参画しています。
マイペースに脱プラ生活を始めよう
ここまで、
・脱プラスチック製品を選ぶ際のポイント
・シチュエーション別おすすめ製品
を見てきました。
繰り返しになりますが、プラスチック=悪ではなく、わたしたちは必要に応じて上手に付き合うことが求められています。
最近では脱プラスチック製品が増え、選択の幅も広がりました。
ぜひここで紹介している商品以外にも自分のライフスタイルに合ったものを探して、マイペースに脱プラ生活を始めてみてはいかがでしょうか。