家庭内でできるSDGs!|長期休暇中に親子で一緒に考えよう その1

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近年、SDGsに関する授業が小中学校で行われるようになりました。その中で、お子さんが家でSDGsについて説明するという機会も増えてきたという方もいるかもしれません。とはいえ、カラフルでポップなアイコンやロゴとは裏腹に、内容が難しくて何を話したらいいかわからない、と悩む方も多いはず。

 

そこでこの記事では、SDGsを家族で話し合うためのヒントとなるよう、概要から家庭でできるSDGsまで取り上げ、詳しく見ていきます。

 

まず簡単にSDGsの概要を確認してみましょう。

 

SDGsとは

SDGsとは、SustainableDevelopmentGoalsの頭文字を合わせた言葉で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。2015年9月、ニューヨーク国際本部にて開かれた国際サミットで、150を超える加盟国首脳の全会一致で採択されました。

 

これは、2016年から2030年の15年間で達成する目標を記したもので、17の目標と169のターゲットから構成されています。

「地球上の誰一人取り残さない」という強い意志のもと、地球を保護しながら、あらゆる貧困を解消し、すべての人が平和と豊かさを得ることのできる社会を目指し設定されました。

 

SDGsが採択されるまでは、「持続可能な社会」についての話し合いは、どちらかというと「環境」と「社会」に重きが置かれていた傾向があります。 それに対してSDGsは「環境」「社会」に「経済」が加わったことで企業も取り組みやすくなったことで、これまで以上に関心が持たれるようになりました。これがSDGsが普及してきた背景の一因です。

 

SDGs17の目標と169のターゲット

次に、17の目標内容を見ていきましょう。

 

17の目標は、

・1〜6 人間らしい生活を送るための目標

・7〜12 社会経済に関する目標

・13〜15 環境に関する目標

・16〜17 1〜15を達成させるための手段

と大きく分けることができます。

 

この目標それぞれに具体的な行動指針であるターゲットが設定されており、その数は全部で169にのぼります。ここではターゲットがどのように書かれているのかを把握するために、目標1「貧困をなくそう」のターゲットを例に確認してみましょう。

 

1.1

2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。

1.2

2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。

1.3

各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。

1.4

2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。

1.5

2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。

1.a

あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。

1.b

貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。

 

本来であれば、ターゲットに目を通し理解を深化させる必要がありますが、一旦ここでは「こんなことが書かれている」程度の認識で話を進めましょう。

 

家でSDGsについて話し合うためのヒント

ここまででSDGsの構造や方向性をある程度理解できたと思います。ここからは、各目標の概要と、会話を始めるきっかけや理解の深め方のヒントとなるポイントを、国内と国外に分けてご紹介していきます。目標は全部で17個もあるので、まずは興味のある目標から見ていくのもいいでしょう。

 

目標1「貧困をなくそう」

目標1「貧困をなくそう」は、途上国で起きている貧困はもちろんのこと、世界中の貧しい生活を送っている層の保護、支援に取り組んでいこうというのが概要です。

【国外】会話のヒント

◆どこの地域に貧しい生活を送っている人が多いのかを一緒に調べる

南アジアとサハラ以南のアフリカに集中しています。世界銀行HPにて詳しい情報が読めるので、参考にしてみてください。

 

◆なぜ貧しい生活が解決されないのかを考える

世界で貧しい生活を送っている人々の大半が農民です。水、電気、道路、インターネットなどのインフラを満足に使えないことで、収穫した食料を保存、加工ができないことが貧困に陥る原因の1つだと言われています。他にも、近年の気候変動によって長期にわたる干ばつや集中豪雨も、彼らの生活には大きな影響を及ぼします。

 

◆貧困地域ではどのような生活を送っているのかを考える

食べることはもちろん、医療・教育などを受けられる環境が整備されていません。貧困が加速することで子どもを売ったり、暴力が蔓延したりと深刻な影響を及ぼします。

 

【国内】会話のヒント

◆日本でも貧困があるのか一緒に調べる

貧困は海外だけで起きているものではありません。日本を含めた先進国でも貧困はあり、具体的な定義が定められています。(日本では2017年の数値で、1人世帯であれば年収127万円未満の世帯が貧困とされています。)

特に高齢者・山間部の過疎地域・ひとり親世帯が貧困に陥りやすいというデータが出ており、例えばひとり親世帯であれば本が買えない、学校行事に参加できないといったこともあります。

 

貧困問題は、テレビや新聞でも目にする機会が多いため、これらの現状を把握しておくと親子間の会話に発展させられるでしょう。

 

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目標2「飢餓をゼロに」

目標2「飢餓をゼロに」は、目標1の貧困に関連して飢餓で苦しむ人たちを支援しつつ、根本にある食料の生産体系(農業)を持続可能なものに変えていこう、というのが概要です。

 

【国外】会話のヒント

◆飢餓とは何かを話す

飢餓の解決というと、どうしてもお腹いっぱい食べられるようになることをイメージしてしまいますが、そこには栄養も伴わないといけません。

2019年時点で飢餓に苦しむ人々は6億9,000万人もおり、これは世界人口の10人に1人です。

普段の家庭での食事が世界では当たり前ではないことや、食べ物の大切さなどを家族で話し合いましょう。

 

◆なぜ飢餓に苦しむ人々が減らないのかを考える

飢餓で苦しむ人々は目標1「貧困をなくそう」と同様に、サハラ以南のアフリカと南アジアに集中しており、近年は増加傾向にあります。

飢餓が減らない原因としては、主に⑴貧困⑵自然災害⑶紛争が挙げられますが、増加している原因は⑶紛争によるものです。

紛争が起こると、人々は難民キャンプでの生活を強いられることになります。難民キャンプでは配給システムの問題により、公平に水や食料が行き渡らないことも多く、飢餓に陥ってしまうのです。

この課題について話し合うことで、飢餓問題に加えて平和について考えるきっかけにもなるでしょう。

 

【国内】会話のヒント

◆食品ロスについて考える

食品ロスとは、まだ食べられるはずなのに捨てられてしまうことを指します。SDGsではこの食品ロスは目標12「つくる責任 つかう責任」で取り上げられていますが、目標2「飢餓をゼロに」が食料についての問題ということもあり、こちらの方が身近な問題として考えやすいでしょう。

 

 令和2年4月に農林水産省・環境省から発表された「食品ロス量(平成29年度推計値)」によると、1年間の食品ロスは612万トンとされています。これを国民1人あたりに換算すると、「お茶碗約1杯分(約132g)」の食べものが「毎日」捨てられていることになります。

 

近年では、コンビニの恵方巻きの大量廃棄なども問題となっているため、日常生活と関連づけて物事を考えることができます。

 

また、普段の食事から食品ロスについての会話を広げることで、食べ残しが減ることも期待でき、自然と目標達成に向けた行動をとることもできるでしょう。

 

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目標3「すべての人に健康と福祉を」


目標3「すべての人に健康と福祉を」は、健康で人間らしい生活を送れるよう対策を講じていこう、というのが概要です。

【国外】会話のヒント

◆十分な医療が受けられない国があることを知る

目標3「すべての人に健康と福祉を」は、妊産婦や子どもの死亡率に言及しており、家族で話すには少し重いテーマになるかもしれません。

 

そのため最初の切り口として、十分に医療を受けられない国があるといったところから話してみてはいかがでしょうか。 

 

妊産婦や子どもの死亡率が高い地域は、貧困に苦しむ国と同様サハラ以南のアフリカや南アジア(南アジアは改善傾向)です。

亡くなる主な原因は、感染症や出産時に適切な医療を受けられないことにあります。これは、医療施設が整っていないことに加えて、技術を持った医師が少ないといった現状も影響しています。

 

「病気になったときに病院に行けない国があるんだけど、その国の人たちはどうやって治療しているんだろう?」

「どうすれば高い技術を持った医師が増えるだろう?」などと疑問を投げかけることで、途上国の医療に目を向けることができるのではないでしょうか。

 

【国内】会話のヒント

◆交通事故について考える

目標3「すべての人に健康と福祉を」では、交通事故による死傷者を減らすことにも言及しています。

 

普段から交通安全について話している家庭は多いと思いますが、事故が起きた後の遺された家族の生活の変化について触れることでより安全への意識が高まるかもしれません。

 

◆中山間部などの過疎地域の医療を考える

近年、中山間部の過疎地域に住み、運転もできなくなった高齢者の方々が、バスの減便なども重なり、病院や福祉施設に通いにくいという課題を抱える自治体が多くあります。

現在、解決に向けた取り組みとして、民間によるオンライン診療や訪問医療の動きが加速しつつあるので、これらの事業を一緒に調べてみるのも、考えるきっかけづくりになるかもしれません。

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目標4「質の高い教育をみんなに」

目標4「質の高い教育をみんなに」は、生まれた国や地域・家庭・性別に関わらず、効果的な教育を平等に受けることができる機会を提供しよう、というのが概要です。

 

【国外】会話のヒント

◆途上国の教育状況を知る

近年は改善傾向にあるものの、2018年時点で学校に通えていない子どもの数は2億6,500万人おり、うち22%が小学校就学年齢の子どもたちです。

 

日本では当たり前とされる通学も、それが未だ重点課題となっている国々があります。学校は子どもたちにとって非常に身近な存在であるため、そこから会話を進めるのが効果的でしょう。

学校に通えない理由の1つに、家に水道や電気がないことが挙げられます。水汲み・家事の燃料となる木材拾いなどは子どもの仕事で、それが終わる頃には疲れ果てて学校に行けないそうです。

 

これは貧しさによって引き起こされる問題であり、貧困は負の連鎖が続いてしまうことを理解すると、より視野が広がるかもしれません。

 

【国内】会話のヒント

◆アクティブラーニングを意識する

新しい学習指導要領は、これまでの能動的な授業体系から対話重視のアクティブラーニングに重きが置かれています。

その対話重視の教育に備え、日ごろから家庭でその練習をしておくことが大切だと言われています。

この記事に掲載しているSDGsの各目標を普段から家族で話すことで、子どもみずからが、さまざまな問題について考え、発言できる力を養えるのではないでしょうか。

 

SDGsについて考えることは、「質の高い教育をみんなに」の達成に加え、アクティブラーニングを意識した教育にもつながることが期待されるのです。

 

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目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

目標5「ジェンダー平等を実現しよう」は、これまでの社会で築き上げられてきた性別に関する価値観を撤廃し、すべての人が平等に生活できるようにしていこう、というのが概要です。

 

【国外】会話のヒント

◆立場の弱い女性がどれだけいるのか調べる

ジェンダーを考えるにあたり、世界にはどれだけ辛い思いをしてきた女性や子どもがいるかを知ることが大切です。

 

特に途上国では、子どもの売買・妻への性暴力・児童労働・児童婚など、人権を無視した問題が数多く発生していました。

先進国では近年、少しずつではあるものの女性の社会進出が進んでいますが、一方の途上国では宗教・文化的な理由により男女平等への理解が受け入れられていないのが現状です。

家族の日常的な会話に取り入れるには少し重いテーマになるかもしれませんが、ジェンダーの根本を理解するためにもその機会をもうけても良いのではないでしょうか。

ユニセフやJICA、ワールドビジョンに詳しい事例などが掲載されているので一度目を通してみてください。

 

【国内】会話のヒント

◆なぜ日本は女性の社会進出が遅れているのかを考える

日本では世界で起きているような女性や子どもへの迫害の例はあまり見られません。その一方で課題となっているのが女性の社会進出の遅れです。

先進国のなかでも順位が低い理由の1つに、出産や子育て、介護に対する理解が進んでいないことが挙げられます。

「家事は女性がするもの」といった考え方がいまだ根強く残っているため、家族での会話の中でこの意識を持たせないことが、将来ジェンダー平等を実現するために必要でしょう。

 

政府がまとめた資料の中には、その具体的な数値が盛り込まれているので、一度目を通し、また、ジェンダー平等に力を入れているとされる企業の取り組みを見てもいいかもしれません。

 

◆多様化を考える機会を持つ

ジェンダー平等を実現するためには、LGBTQへの理解も求められています。

SDGsには文化・宗教上の理由によりLGBTQへの理解を持てない国が存在するため大々的に課題を掲げていませんが、日本では近年頻繁に取り上げられる課題です。

2021年3月17日には、札幌地裁にて日本で初めて「同性婚を認めないのは違憲である」という判決が出ましたが、このような時事問題も家族で話すきっかけとなることでしょう。

 

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