SDGs169のターゲットを目標1から5まで紹介!企業の取り組み内容もわかる!

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この記事はSDGs目標1〜5のターゲットの詳細です。

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「SDGsの17個の目標はなんとなくわかったけど、正直ピンとこない部分が多い…」

そんな方も多いのではないでしょうか?

SDGsには、各目標を達成するための具体的な考え方や対策をまとめた169のターゲットが設定されており、これを読むことで、SDGs17の目標への理解をより深めることができます。

そこでこの記事では、ターゲット表の読み方から、実際にSDGs17の目標に設定されたターゲットの内容まで詳しく紹介していきます。

企業であれば取り組み内容に反映するきっかけとなり、個人であれば自分でもできるアクションがみつかるはずです。

では早速ターゲットの基本事項から確認していきましょう。
 

目次
ターゲットの基本事項
目標1
目標2
目標3
目標4
目標5
・すべてのSDGsターゲットはつながっている

ターゲットの基本事項

まずはターゲット表の読み方を確認しましょう。

<まずは実際のターゲット表を確認!>
 1.1   2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
 1.2   2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
※ここでは1.3〜1.5を省略
 1.a   あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
 1.b   貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。

目標1のターゲットを見ると、「1.1」「1.2」と数字が振ってあるものと、「1.a」「1.b」とアルファベットが振られているものがあります。

この違いの簡単な説明は下記です。

・数字→目標に対する具体的な課題の達成

・アルファベット→課題を達成させるための手段や策

つまり1.1〜1.5を達成させるために、1.a・1.bという手段をとりましょう、ということになります。



もう1点頭に置いておきたいのは、SDGs17の各目標やターゲットはそれぞれが独立しているのではなく、相互に関係しているという点です。

例えば目標1(貧困をなくそう)のターゲット1.1(2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。)の課題を達成するために、生産の規模をあげ経済を豊かにしていこう、と考えたとしましょう。

しかし、生産の規模をあげることに注力しすぎて温室効果ガスの発生が進み、環境破壊につながる可能性もありますよね。

すると目標13「気候変動に具体的な対策を」目標14「海の豊かさを守ろう」15「陸の豊かさも守ろう」などに代表される、環境の保護の観点を無視した形になってしまうのです。

それを避けるために、17個すべての目標と169のターゲットに目を通しておくのが良いでしょう。

ここまでがターゲットを見る上での基本事項になります。

次からはSDGs目標1から順に見ていきましょう。

最初にターゲット一覧、その後ポイントの説明、最後に具体的な企業の話の順で進めていきますので、1つ1つにこだわりすぎず気楽に読み進めてくださいね。

目標1.貧困をなくそう〜あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる〜



SDGs全体の最も基礎的で土台となる目標です。

世界中のあらゆる形態の貧困を撲滅することをゴールにしています。

ここで言う貧困とは、安定した生活をおくる収入や資産がないことだけではありません。

飢餓や教育、基本的サービスへのアクセス不足など、様々な形態で現れるすべての貧困を意味します。

<目標1のターゲット>
 1.1   2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2  2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3  各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4  2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5  2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a  あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
 1.b   貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。
出典:外務省「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット(外務省仮訳)」
 

ターゲットのピックアップ


ターゲット1.2
1.2で言う「各国定義」とは、それぞれの国の現状を鑑みながら貧困解決に向けて活動しようという主旨です。

<再掲>
 1.2   2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。

貧困には、「絶対的貧困」と「相対的貧困」があります。

前者は、食べるものがない・住む場所がないといった衣食住に困ることで、後者はその国の生活水準を下回ることを指します。

日本で見ると、この相対的貧困や子供・高齢者の貧困が問題となっており、解決が急がれます。

ターゲット1.5
1.5は、貧困と気候変動・社会、環境的ショックを関連づけられていることが特徴です。

<再掲>
 1.5   2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。

毎年のように大雨による洪水被害が騒がれる中、会社が流され収入がなくなってしまう・復興に時間がかかり、貧困解決にもなかなか取り組めないなど、様々な弊害が生じています。

また、新型コロナウィルスも同様で、コロナ禍で職を失ってしまい、貧困が加速しかねません。

貧困層がこれらの被害に合っても誰ひとり取り残されないような取り組みが必要です。

ここで、目標1に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

企業の取り組み【株式会社ピー・エス・インターナショナル】




株式会社ピー・エス・インターナショナルが取り扱っている「エティーク」の原材料は、フェアトレード(公正取引)、リビングウェイジ(生活に最低限必要な給料金額)であること絶対としており、ターゲット「1.a」「1.b」に則り、目標1の達成に向けた取り組みを行なっています。

>>エティークの詳細はこちらから(リンク先で音楽が流れます。)
 

企業の取り組み【フロムファーイースト株式会社】


フロムファーイースト株式会社は、「森の叡智プロジェクト」というカンボジアに植林するプロジェクトを2015年から展開しています。

これは森林が減少することを抑制し、またカンボジアに新しい仕事を生み出すことで、貧困解決につながっています。

さらに、この取り組みは気候変動での洪水被害を抑制する働きも兼ね備えていることからCOP21(気候変動枠組条約締約国会議)でも発表されました。

目標2.飢餓をゼロに〜飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する〜



飢餓を撲滅し、食料を安定的に確保できる仕組み作り。

そして、栄養状態の改善を達成しながら、将来にわたって続けていける持続可能な農業を推進することをゴールにしています。

農業の生産性向上と環境保護を両立できる方法やシステムを模索し、そこに投資をしていく必要があります。

<目標2のターゲット>
 2.1   2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
2.2  5歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
2.3  2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
2.4  2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
2.5  2020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。
2.a  開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
2.b  ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
2.c  食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。
出典:外務省「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット(外務省仮訳)」
 

ターゲットのピックアップ


ターゲット2.2
飢餓をゼロにしようといっても、ただお腹いっぱい食べられればいいというわけではありません。

2.2では、そこに必要な栄養を摂取する要素が加わり、特に子供・妊婦・高齢者が栄養をとれるようにすることが記載されています。

<再掲>
 2.2   5歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。

ターゲット2.4
食料の生産を増やそうとする一方で、過度な農業運営を行えばCO2の排出増加や土壌汚染にもつながる恐れがあります。

そこで2.4では生態系の維持・災害の適応能力の向上が挙げられているのです。

<再掲>
 2.4   2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。

2.b、2.cでも触れられているように、市場の公平性も大切な要素です。

あらゆる面から検討した上で目標2の達成に取り組まなければなりません。

<再掲>
 2.b   ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
2.c  食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。

ここで、目標2に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

企業の取り組み【三井製糖株式会社】




三井製糖株式会社は、さとうきびを利用して目標2の達成を目指しています。

さとうきびはご存知の通り、砂糖の原料となり生活を豊かにしてくれるものですが、実は他の植物に比べてCO2を吸収しやすい特性を持ちます。

また、さとうきびを砂糖に加工する過程で出た不要箇所は、畑に還元されて土壌を豊かにする効果もあるのです。

さらに、茎に含まれる繊維質「バガス」は工場を動かす燃料となるなど、目標2のターゲットを網羅しています。

目標3.すべての人に健康と福祉を〜あらゆる年齢のすべての⼈々の健康的な⽣活を確保し、福祉を促進する〜



あらゆる年齢のすべての人々に、生涯にわたる健康的な生活を保証し、幸福度をあげていくことをゴールにしています。

マラリアや結核、HIVなどの主要な感染症の流行を食い止めることを含め、健康と福祉に関する新旧様々な問題に対処していこうとする目標です。

<目標3のターゲット>
 3.1   2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
3.2  すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
3.3  2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
3.4  2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
3.5  薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
3.6  2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
3.7  2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。
3.8  すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
3.9  2030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。
3.a  すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
3.b  主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特にすべての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。
3.c  開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。 3.d すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。
出典:外務省「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット(外務省仮訳)」
 

ターゲットのピックアップ


ターゲット3.1〜5
妊婦や新生児の死亡率の改善から交通事故による死傷者の半減まで、幅広いターゲットが設定されています。

最近では新型コロナウィルスの流行により、3.3に書かれている感染症への課題が世界各国で浮き彫りになりました。

<再掲>
 3.3   2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。

ターゲット3.8
UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)の達成も掲げられています。

<再掲>
 3.8   すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。

UHCとは、健康に関するサービスをすべての人が支払い可能な費用の中で受けられるようにすることです。

達成には、
 
①物理的アクセス(近くに医療施設がないなど)
②社会慣習的アクセス(言葉が通じない・サービスの重要性を知らないなど)
③経済的アクセス(医療費の負担が高いなど)

の3つのアクセスの改善が重要になります。

ターゲット3.5、3.a
アルコールやタバコの規制が記載されています。

<再掲>
 3.5   薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。 3.a すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。

しかしただ単にそれらをなくせばいいというわけではありません。

規制することで、アルコールやタバコ産業に関わる人たちの生活が困窮する可能性があるため、慎重な検討が求められるのです。

このように目標3を達成するには、様々な分野が連携して、総合的に取り組む必要があります。

ここで、目標3に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

企業の取り組み【サラヤ株式会社】


サラヤ株式会社は、「衛生・環境・健康」の視点から目標達成への取り組みを行なっています。

そのなかでも「病院で手の消毒100%プロジェクト」と「ハッピー手洗いプロジェクト」は目標のターゲットを網羅している活動です。

「病院で手の消毒100%プロジェクト」は、東アフリカでアルコール手指消毒剤の生産を進めたり、医療従事者への教育や普及に力を入れる活動です。



これにより、院内感染のリスクを軽減させ、乳幼児・妊婦の死亡率低下を目指しています。

また、現地の雇用拡大の側面も持っているプロジェクトです。

一方「ハッピー手洗いプロジェクト」は、カンボジアの医療施設・教育施設にて、アルコールによる手指消毒の指導と普及に取り組んだものです。

さらには適正価格にて液体石鹸の販売のテストを行うなど、同様に乳幼児や妊婦の死亡率の低下が期待されています。

目標4.質の高い教育をみんなに〜すべての⼈に包摂的かつ公正な質の⾼い教育を確保し、⽣涯学習の機会を促進する〜



すべての人に公平で質の高い教育を提供し、生涯にわたり学習の機会を与え続けられる社会を目指します。

日常生活に必要な知識を提供するだけでなく、目の前の課題に対する解決策を考える思考力や、情報を集めるなど能動的な行動を生み出すためのツールを授けます。

同時に技術的・職業的スキルを身につけた若者・成人の割合を増加させることも狙った目標です。

<目標4のターゲット>
 4.1   2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
4.2  2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達支援、ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
4.3  2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手頃な価格で質の高い技術教育、職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
4.4  2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
4.5  2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
4.6  2030年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
4.7  2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
4.a  子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
4.b  2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
4.c  2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員養成のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。
 出典:外務省「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット(外務省仮訳)」
 

ターゲットのピックアップ


ターゲット4.1
SDGsの前身であるMDGsでも、教育に関する目標が挙げられていました。

MDGsでは、教育の普及について言及されていましたが、SDGsでは「質」を高めることに重きを置いています。

<再掲>
 4.1   2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。

例えば、MDGsは達成の指標を就学率や識字率で判断していました。

それに対し、ターゲット4.1の達成の判断となる指標は、読解力と算数で、最低限の習熟度に達している次の子供や若者の割合です。

ターゲット4.2〜4.6
乳幼児・職業に関する教育・脆弱な立場にいる人への教育を提示しています。

すべての人が学習できる機会を提供することを目指しているのです。

ターゲット4.7にも記載があるように、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得することで、17の目標すべてを達成する足がかりとなるのです。

ここで、目標4に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

企業の取り組み【株式会社日本標準】




株式会社日本標準は、「すべての子どもに学力を、生きる力を」を理念とし、教材の開発に取り組んでいます。

なかでもインクルーシブ教育システム(障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み)に力を入れており、問題文にルビを振るなど誰しもが取り組みやすい教材を展開。

また、モロッコで算数教材を普及させるプロジェクトの準備も進んでいます。

モロッコでは学習教材は教科書のみ。

学校で学んだことを自宅で復習するための教材がなく、なかなか学力が定着しません。

そこで、同社のこれまでの教材作成ノウハウを元にモロッコのカリキュラムに合わせた教材の制作に取り組んでいます。

>>SDGs目標4については、こちらの記事で詳しく説明しています。

SDGs「質の高い教育をみんなに」とは|私たちにできること

目標5.ジェンダー平等を実現しよう〜ジェンダー平等を達成し、すべての⼥性及び⼥児の能⼒強化を⾏う〜



男女差別を撤廃し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図ることをゴールとしています。

女性が個々の力を発揮して活躍できる世の中にするために、女性への差別や暴力をなくし、教育や保健医療、また働きがいのある仕事への平等な機会を与えることを目指した目標です。

<目標5のターゲット>
 5.1   あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
5.2  人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
5.3  未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
5.4  公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。
5.5  政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。
5.6  国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、ならびにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する。
5.a  女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
5.b  女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
5.c  ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。
出典:外務省「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット(外務省仮訳)」

この目標を考える前提として、理解しておくべきはセックスとジェンダーの違いです。

セックスは生物学的な性差(性別)のことを指します。

これに対してジェンダーは、セックス(性別)に付け加えられた社会的・文化的な性差です。

これまでの社会では、男性はこうあるべき・女性はこうあるべきと語られる「セックス」に基づいた考え方でした。

目標5では、このセックスによる考え方「こうあるべき」を平等にすることが掲げられています。
 

ターゲットのピックアップ


ターゲット5.2、5.3、5a、5c
5.2は人身売買などのあらゆる形態の暴力の排除・5.3は強制結婚や女性器切除などの撤廃など、日本では想像が難しい内容です。

<再掲>
 5.2   人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
5.3  未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。

これらは社会情勢や文化的慣習の違いが大きく影響している問題ですが、当事者の価値観を変えることは簡単ではありません。

そこで、法や政策をもとに拘束力を高めることを視野に入れた5.a・5.cが存在します。

<再掲>
 5.a   女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
5.c  ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。

5.4では家事や育児・介護などの無報酬労働に対する経済価値の認識を、5.5ではあらゆる場面での女性の参画とリーダーシップの機械の確保が挙げられ、能力強化での達成を目指します。

ここで、目標5に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

取り組み企業【ウーマンズリーダーシップインスティテュート株式会社】




ウーマンズリーダーシップインスティテュート株式会社では、研修事業を通して女性リーダー・管理職へのキャリアアップの道筋を立てる支援と、女性リーダー・管理職の支援を行なっています。

また、女性職員を部下に持つ男性社員に向けての研修も用意しており、あらゆる面から女性が活躍できるようにする取り組みです。

すべてのSDGsターゲットはつながっている


ここまでSDGsの目標1〜5のターゲットについて見てきました。

難しい内容なので、一気に理解するのは大変だと思います。

初めは全体像を把握する程度から始めて徐々に深化させていきましょう。

このSDGsターゲットの記事は、SDGs目標1〜5・SDGs目標6〜11・SDGs目標12〜17の三部構成になっています。

SDGs目標6〜11・SDGs目標12〜17のSDGsターゲットの内容は以下の記事から読むことができるので是非目を通してみてくださいね。

>>目標6〜11

>>目標12〜17

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