SDGs169のターゲットを紹介~目標6から11まで~|企業の取り組み内容もわかる! SDGs169のターゲットを紹介~目標6から11まで~|企業の取り組み内容もわかる!

SDGs169のターゲットを紹介~目標6から11まで~|企業の取り組み内容もわかる!

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この記事は目標6〜11のターゲットの詳細です。

SDGs169のターゲットは、各目標を達成するための具体的な考え方や対策をまとめたものです。

これを読むことで、SDGs17の目標への理解をより深めることができます。

この記事では、SDGs目標6から11に設定されたターゲットを紹介していきます。

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目次
・目標6
・目標7
・目標8
・目標9
・目標10
・目標11
・すべてのSDGsターゲットはつながっている
 
 

目標6.安全な水とトイレを世界中に〜すべての⼈々の⽔と衛⽣の利⽤可能性と持続可能な管理を確保する〜



すべての人々が水とトイレを使用できる環境の実現と、その持続的な管理方法の確立をゴールとしています。

安全で安価な飲料水へのアクセスや、衛生施設の整備・確保を始め、山地や森林など水に関連する生態系の保護・回復なども盛り込んだ目標です。

<目標6のターゲット>
 6.1   2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。
6.2  2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。
6.3  2030年までに、汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物や物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加により、水質を改善する。
6.4  2030年までに、全セクターにおいて水の利用効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。
6.5  2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。
6.6  2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う。
6.a  2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術など、開発途上国における水と衛生分野での活動や計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する。
6.b  水と衛生に関わる分野の管理向上への地域コミュニティの参加を支援・強化する。

 

ターゲットのピックアップ


【ターゲット6.1、6.2】
まず国際広報センターが「事実と数字」でまとめている数値から具体的なイメージをつかみましょう。
 
・安全に管理された飲料水サービスを利用できていない→世界人口の10人に3人
・安全に管理された衛生施設を利用できない→10人に6人
・今でも屋外排泄を続けている人数→8億9,200万人以上

「水」に関するこのターゲットは、日本とは無縁と思いがちですが、日本の水道普及率は98%(2018年厚生労働省発表)、下水道処理人口普及率は79.7%(2019年日本下水道協会発表)と、100%に達してはいません。

2030年までに日本を含めて世界中のすべての人が利用できることを目指す取り組みが必要です。

<再掲>
 6.1   2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。
6.2  2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。

【ターゲット6.5】
<再掲>
 6.5   2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。 2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。

文部科学省によるとこの中の「統合⽔資源管理」とは、
"統合的水資源管理とは、水資源、土地資源、その他の関連する資源の調和的な開発及び管理を促進するためのプロセスであり、その結果もたらされる経済的、社会的な福祉の最大化を図りつつ、同時に決定的に重要な生態系の持続可能性を確保するもの。"
引用元:文部科学省「資料2 水資源の統合管理の概念整理」
と定義づけられています。

つまり、生態系の犠牲なしに水や土地、その他の資源の開発や管理を進め、その結果経済や福祉の向上を目指すということです。

これには、水に関する災害(自然災害による死者全体の70%を占めている)への対策も含まれます。

しかし、例えば河川浸食を防ぐためコンクリートで護岸を行ったことで生態系を壊すといった新たな問題を引き起こす可能性も考えられ、多角的な検討をしたうえで慎重に取り組む必要があるのです。

ここで、目標6に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

企業の取り組み【株式会社環境建設研究所】


株式会社環境建設研究所では、目標達成のために水質や大気質・土壌汚染などの専門技術者による調査、分析を進め、水質改善・管理に力をいれています。

具体的な取り組みは以下の通りです。
 
①河川・海域等の調査・分析
②大気質調査・測定・分析
③土地利用履歴調査・土壌汚染調査
④湖沼等の調査・分析
⑤細菌分析、付着藻類分析、生物分析
⑥環境教育、作業環境測定、放射線測定・除染計画

これらの研究が他の企業の道しるべとなり、より一層取り組み強化につながるでしょう。

目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに〜すべての⼈々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する〜



すべての人々が使用できる手ごろで信頼できる近代的なエネルギーを確保することをゴールとしています。

エネルギーへのアクセス向上から、環境負荷の低い再生可能エネルギーの割合を拡大させるなど、SDGs目標13にも密接に関わってきます。

<目標7のターゲット>
 7.1   2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
7.2  2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.3  2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
7.a  2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7.b  2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。
 

ターゲットのピックアップ


【ターゲット7.1】
2017年時点で、世界人口の10人に9人は電力を使用できるようになりました。

しかし、そのうち約4割の30億人は、薪や石炭、動物の排泄物を調理や暖房に使っており、危険なレベルの空気汚染にさらされています。

これを受けて7.1では、それらの人に現代的なエネルギーを供給すると同時に、それぞれの経済状況に合わせた価格で提供することが求められています。

<再掲>
 7.1   2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。

【ターゲット7.2・7.a】
ここで掲げられている再生可能エネルギーとは、太陽や風、地熱などの自然界にあるエネルギーです。

<再掲>
 7.2   2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.a  2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。

これらは、枯渇しない・どこにでもある・CO2を増加させないというメリットがあり、今後の普及が期待されます。

しかし一方で、天候に左右されやすい・発電設備の建設にあたって広大な土地が必要となるなど課題もあります。

【ターゲット7.b】
<再掲>
 7.b   2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

開発途上国のインフラ拡大が謳われていますが、例えば設備の建設により住む場所を追いやられる可能性などにも留意しながら進める必要があります。

メリットとデメリットがあるなかで、ターゲットすべてを同時達成するための検討が急がれます。

ここで、目標7に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

企業の取り組み【パナソニック株式会社】


パナソニック株式会社では、2013年から「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を立ち上げました。

これは電気がない地域にソーラーランタンを寄贈するもので、教育・医療・経済・安全など様々な課題の解決に貢献することを目指しています。

その他にも、インドネシアやミャンマー・ケニアなどの無電化地域に、独立型ソーラー発電システムの寄贈、太陽光発電システムに関わる人材を育成、電気を利用した地場産業のモデルづくりを進めるなど、様々な活動を進めています。

目標8.働きがいも経済成長も〜包摂的かつ持続可能な経済成⻑及びすべての⼈々の完全かつ⽣産的な雇⽤と働きがいのある⼈間らしい雇⽤(ディーセント・ワーク)を促進する〜



すべての人々の生活の質を上げるため経済成長を促し、だれもが人間らしく働きがいのある仕事に就ける社会をつくることをゴールとしています。

各国の状況に合わせながら、一人当たりの経済成長率を上げ持続することや、奴隷制・人身売買、児童労働の撲滅を目指します。

<目標8のターゲット>
8.1  各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。
8.2  高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
8.3  生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。
8.4  2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。
8.5  2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。
8.6  2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。
8.7  強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。
8.8  移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。
8.9  2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
 8.10   国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。
8.a  後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。
8.b  2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。
 

ターゲットのピックアップ


【ターゲット8.1〜8.4・8.a、8.5〜8.10・8.b】
8.1〜8.4・8.aでは包摂的かつ持続可能な経済成⻑、そしてすべての⼈々にとって完全かつ⽣産的な雇⽤について、8.5〜8.10・8.bでは働きがいがあり⼈間らしい雇⽤(ディーセント・ワーク)を促進を目指したターゲット設定となっています。

このなかでも特に重要になるのが8.4に書かれた「経済成⻑と環境悪化の分断を図る。」です。

これまでは環境を顧みず大量に生産・消費を繰り返し、経済を発展させてきました。

しかし、今後は経済成長に投入する資源を少なくしつつ、より多くの生産を行う取り組みや仕組みづくりが求められています。

この考えを前提として8.1〜8.3に取り組むことで、“持続可能な”経済成長が達成されるのです。

【ターゲット8.5】
すべての人が働きがいのある人間らしい仕事をすること、正規と非正規によって待遇差を発生させないことに言及しています。

<再掲>
 8.5   2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。

日本ではこれらの達成に向けて「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定され、実現に向けて2017年から「働き方改革」が掲げられました。

ここでは、長時間労働の是正やメンタルヘルス・パワーハラスメントの防止対策を強化することなどが挙げられており、誰しもが働きやすい環境を強く意識したものとなっています。

ここで、目標8に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

企業の取り組み【株式会社ピー.エス・インターナショナル】




近年、児童労働が問題となっている化粧品原料(マイカ)があります。

株式会社ピー・エス・インターナショナルが扱うエティークでは、そのような問題が確認されるマイカは利用せず、すべてリビングウェイジ(一定の生活水準を送るうえで必要となる賃金最低額)です。

>>エティークの詳細はこちらから(リンク先で音楽が流れます)
 

企業の取り組み【株式会社ワークスマイルラボ】


新型コロナウィルスの影響でテレワークが注目を浴びる中、株式会社ワークスマイルラボでは、小さな子供を抱える女性社員でも働きやすい職場をつくるため、働き方改革が叫ばれ始めたころから在宅で仕事ができる仕組みを取り入れてきました。

また、賃金格差をなくすためにも、労働時間ではなく「成果」で評価する制度も取り入れ、働きがいやモチベーション維持向上を図っています。

目標9.産業と技術革新の基盤を作ろう〜強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る〜



災害に強く回復力の高いインフラを整備し、すべての人々の所得を作り出す基となる産業を生み出す新しい技術を開発・拡大していくことをゴールとしています。

国内・国外ともに継続的な投資が不可欠です。

<目標9のターゲット>
 9.1   すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。
9.2  包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。
9.3  特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。
9.4  2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
9.5  2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとするすべての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
9.a  アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国への金融・テクノロジー・技術の支援強化を通じて、開発途上国における持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラ開発を促進する。
9.b  産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。
9.c  後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに普遍的かつ安価なインターネット・アクセスを提供できるよう図る。
 

ターゲットのピックアップ

【ターゲット9.2・9.3・9.5・9.a・9.b・9c】
ここでは特に開発途上国などを対象にしていることから、一見すると日本とは関係が薄いように見えるのではないでしょうか。

確かに開発途上国は、道路や情報通信技術、衛生施設、電力、水道といった基礎的なインフラが整っていません。

しかし、日本でも地震災害や異常気象による大雨災害を考えると、まだまだ完璧なインフラとは言えないのです。

開発途上国はもちろん自国の課題解決も含め取り組んでいく必要があります。

【ターゲット9.5・9.b】
9.5・9.bでは9.2・9.3・9.5・9.a・9.b・9cの解決に向けて、技術の発展を促進し課題を解決する取り組みが掲げられていることにも注目です。

<再掲>
 9.5   2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとするすべての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
9.b  産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。

この技術の発展の促進の例を、日本の取り組みから見てみましょう。

日本は現在、地方創生に取り組んでいますが、山間部のインフラ整備や高齢化社会への課題が大きいのが現状です。

これを解決するため、過疎地域にドローンなどを使って荷物の配送実験を行う取り組みを行っています。

このように、9.5・9.bは、様々な技術の発展を通して目標達成に近づこうとするものなのです。

>>地方創生についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

【ターゲット9.c】
ここまで見てきた9.1〜9.bを推進していくには、インターネットの存在は欠かせません。

そこで、9.cでは全世界で過不足なくインターネットが使えるようにしようといった内容が掲げられています。

<再掲>
 9.c   後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに普遍的かつ安価なインターネット・アクセスを提供できるよう図る。

世界人口の16%がネットワークにアクセスできないことや、日本でも世代間と年収間の格差(インターネット利用率は80歳以上が約20%・年収200万円未満の世帯が約54%)があることに目を向けながら活動を検討することが必要です。

しかし、これも目標7同様、インフラ整備による環境破壊やその地域に住む人たちのコミュニティへの影響にも留意しなければなりません。

ここで、目標9に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

【企業の取り組み】金沢工業大学


金沢工業大学は、小松精錬株式会社と熱可塑性炭素繊維複合材「カボコーマ・ストランドロッド」を共同開発しました。

これは組み紐技術を応用して開発されたもので、鉄の4分の1の軽さながらも耐久性と柔軟性に優れており、錆びにくい特徴があります。

また耐震補強に効果的かつ既存の木材を傷つけにくいため、すでに各地の文化財の補強に採用されており、今後地震対策への期待が高まります。

目標10.人や国の不平等をなくそう〜各国内及び各国間の不平等を是正する〜



国内国外を問わず、国や人の不平等をなくすことをゴールとしています。

所得の高低による不平等だけでなく、性別や年齢・人種による差別の撤廃を目指すとともに、特に開発途上国による国際経済・金融制度の意思決定への発言力向上を目指す目標です。

<目標10のターゲット>
 10.1   2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。
10.2  2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。
10.3  差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、ならびに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。
10.4  税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。
10.5  世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。
10.6  地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。
10.7  計画に基づき良く管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。
10.a  世界貿易機関(WTO)協定に従い、開発途上国、特に後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の原則を実施する。
10.b  各国の国家計画やプログラムに従って、後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国を始めとする、ニーズが最も大きい国々への、政府開発援助(ODA)及び海外直接投資を含む資金の流入を促進する。
10.c  2030年までに、移住労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を越える送金経路を撤廃する。
 

ターゲットのピックアップ

【ターゲット(10.1・10.2)(10.2・10.3・10.7・10.1)(10.4・10.5・10.6・10.b・10.c)】

ここでは、
 
・状態としての不平等の緩和(10.1・10.2)
・政治や政策による対応(10.2・10.3・10.7・10.1)
・経済による対応(10.4・10.5・10.6・10.b・10.c)

に分けたターゲット設定となっています。

世界の格差の現状を知るために、いくつかの数字を見てみましょう。

2017年にオックスファムがまとめたデータによると、世界の億万長者の資産は毎年13%ずつ増加しています。

それに対し一般的な労働者の収入の伸びはわずか約2%であり、格差は広がる一方です。

また、国連広報センターの「事実と数字」によると、
 
・最貧困世帯と最富裕層世帯の20%の子どもを比べると、最貧困層の子どもが5歳の誕生日までに死亡する確率は3倍も高い
・農村部に住む女性は都市部の女性と比べ、出産時に死亡する確率が3倍以上

と報告されています。

他にもジェンダー平等・高齢化社会・障がい者の雇用などへの対応などの課題が考えられ、包括的な視点で対策を検討する必要があります。

ここで、目標10に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

企業の取り組み【一般社団法人コミュニティビルダー協会】


一般社団法人コミュニティビルダー協会では、まちかど障がい者アートプロジェクトを推進しています。

これは、障がい者の経済的自立が進まない現状を改善すべく立ち上げられたプロジェクトです。

障がい者アートを建築現場の広告として活かし、少しでも経済的対価を得られる仕組みを作っています。

目標11.住み続けられるまちづくりを〜包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び⼈間居住を実現する〜



人々が社会的・経済的に前進するためには、安全で災害に強い都市と住居は不可欠です。

地域のコミュニティの強化と個人の安全を確保しつつ、技術革新や雇用を促進しながら、土地や環境に負荷をかけない都市を維持・発展させることを目指す目標です。

<目標11のターゲット>
 11.1   2030年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。
11.2  2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
11.3  2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
11.4  世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。
11.5  2030年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
11.6  2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。
11.7  2030年までに、女性、子ども、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。
11.a  各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。
11.b  2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。
11.c  財政的及び技術的な支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資材を用いた、持続可能かつ強靱(レジリエント)な建造物の整備を支援する。

目標11のターゲットは特に日本の課題と密接な関わりを持っています。

現在、日本では東京の一極集中が課題となっており(東京の人口は2020年時点で1400万人。この20年間で東京の人口は200万人増。)、このままでは近い将来、地方は衰退してしまうことでしょう。

この状況を是正するために2014年から「地方創生」が掲げられ、SDGsの手法を取り入れることでさらなる加速を目指しています。
 

ターゲットのピックアップ


【ターゲット11.2、11.3、11.a】
11.2の山間部や過疎地域の公共交通機関の改善、11.3の持続可能な⼈間居住計画の強化、11.aの都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりなどを解決し、地域コミュニティの活性化を目指すターゲットです。

<再掲>
 11.2   2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
11.3  2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
11.a  各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。

その取り組みの一環として「SDGs未来都市」という施策があります。

これは、SDGsに積極的に取り組む自治体を増やし、地方の人口減に歯止めをかける狙いに加えて、成功モデルを増やして国内外に広く発信しようという考えもあります。

【ターゲット11.4、11.5・11.b、11.6】

地方の人口減への対策としても、11.4の文化・自然遺産の保全や11.5・11.bの災害対策を総合的に取り入れた取り組みが必要です。

その際には、11.6でも挙げられている環境への配慮も勘案しなければなりません。
 
>>SDGs未来都市についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
SDGs未来都市とは?|過去の選定結果・事例から傾向を知ろう!


ここで、目標11に関する企業の取り組みも見てみましょう。
 

取り組み企業【アートコーポレーション株式会社】


アートコーポレーション株式会社では、自治体と連携を取りながら、地元に帰って働く・地方に移住することを支援しています。

地方への引っ越し料金の割引や情報提供をすることで、住むきっかけづくりに取り組み、人口減少の改善を図っています。

すべてのSDGsターゲットはつながっている


ここまで目標6〜11のSDGsターゲットをみてきました。

読んでいてお気づきかもしれませんが、SDGs目標はそれぞれ独立したものではなく、相互に関わり合いを持っています。

1つの目標を達成するために、他の目標を蔑ろにするのではなく、統合的に達成を目指すことが求められています。

いっぺんに理解することは大変ですが、SDGsターゲットの大枠をつかみ、最終的には17個のSDGs目標をリンクさせられるようになるといいですね。

このSDGsターゲットの記事は、SDGs目標1〜5・SDGs目標6〜11・SDGs目標12〜17の三部構成になっています。

SDGs目標1〜5・SDGs目標12〜17のSDGsターゲットの内容は以下の記事から読むことができるので是非目を通してみてくださいね。

>>目標1〜5
>>目標12〜17

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SDGs169のターゲットを紹介~目標1から5まで~|企業の取り組み内容もわかる!
SDGsの169のターゲットを紹介~目標12から17まで~|企業の取り組み内容もわかる!
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