テレビや雑誌でも特集が組まれるなど「サステナブル(Sustainable)」という言葉が注目を集めるようになりました。
この記事では、
サステナブルについて詳しく知りたい
自分にできることはなんだろう?
と考えている方に向けて、具体例を交えながらわかりやすく説明していきます。
目次 |
1.サステナブル(Sustainable)とは |
2.世界全体でサステナブルな社会を実現するための目標 |
3.企業ができるサステナブル |
4.「サステナブル」と「SDGs」の違い |
5.サステナブルに関連する言葉 |
6.サステナブルを取り入れた人気商品・ブランド2選 |
7.サステナブルな世界を実現するための行動・具体例をチェック! |
8.SDGsとは? |
9.サステナブルな暮らしを意識して世界を変えよう |
サステナブル(Sustainable)とは
「サステナブル(Sustainable)」とは、温暖化や大雨による災害など、地球が抱える環境問題を解決するために生まれた言葉です。この言葉を深く理解することで、今後私たちが取るべき行動のヒントが見えてきます。まずは「サステナブル」の言葉の意味や由来を正しく理解していきましょう。
混同されやすい「サステナビリティ(Sustainability)」との違いにも触れているので、あわせてチェックしてみてくださいね。
「SDGs」の言葉の意味、広まったきっかけ
サステナブル(Sustainable)=sustain(持続する)+able(可能な)⇒「持続可能な」という意味合いを持ち、海外では昔から使われています。
「サステナブルな地球環境を目指そう!など、環境問題とセットで語られたり、「サステナブルな社会を実現する」「サステナブルな経済活動を行う」といった社会や経済の文脈で使われることもあります。
さらに、ファッションや食事、観光業にいたるまで、幅広く注目されている言葉なのです。
では、このサステナブルはどのようにして日本に広まったのでしょうか。
きっかけの1つとして、2015年に国連サミットで採択された「SDGs」の存在があります。
「SDGs」は未来に向けた取り組みで知られる、Sustainable Development Goalsの略であり、その頭文字をとったSDGsのS(Sustainable)をきっかけに日本でもサステナブルが広まったと言われているのです。
>>サステナブルツーリズムの事例はこちらの記事をチェック
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環境に優しい【サステナブルツーリズム】を観光事業に取り入れよう |
サステナビリティ(Sustainability)との違い
サステナブルとよく似た言葉で「サステナビリティ」があります。
両者で大きな意味の違いはありませんが、サステナブル(sustainable)は「持続可能な」という意味の形容詞、 サステナビリティ(Sustainability)は名詞で「持続可能性」という言葉なので、使い方に気をつける必要があります。
「サステナブル」は、「サステナブル(持続可能な)投資」 「サステナブル(持続可能な)経営」など、どちらかというとビジネスシーンで、一方「サステナビリティ」は、健康などライフスタイルで使われることが多く、「一つの方法・手段」と捉えると分かりやすいでしょう。
◆サステナブルを含んだ造語も出現
サステナブルの流行とともに、世間では様々な造語が生まれています。
例えば『健康を考えたサステナブルな社会』を意味した言葉である「LOHAS(Lifestyle of Health and Sustainability)※」にも、このサステナビリティ(Sustainability)が含まれています。
世界全体でサステナブルな社会を実現するための目標

ここで言うサステナブルな社会とは、「資源を使いすぎずに、地球を壊すことなく、豊かな環境を持続させる社会」のことを指します。
このサステナブルな社会を実現する第一歩は、地球環境維持のため世界中で消費する資源を減らすことでしょう。
例えば、気候の変化による災害などは、地球温暖化が原因と言われており、その原因になるCO2の排出量削減なども、サステナブルな社会を実現するために必要不可欠な取り組みです。
とはいえ、サステナブルな社会の実現は簡単ではありません。
世界が一つになり、各国のひとりひとりができることを地道に行っていくことが大切なのです。
>>サステナブルな行動に間接的に携わる方法がわかる記事は以下をご参照ください。
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サステナブルな社会にプラスとなる企業や商品の選び方とは |
企業ができるサステナブル
「サステナブル」は、企業でも取り入れることができる考え方の一つです。
特にヨーロッパでは、資源のリサイクルに着目した活動を推進する企業が増えており、ファッション業界など私たちと身近な企業でも活発な取り組みが行われています。
「サステナブルの意識」が進むスウェーデンでは、企業だけでなく皇太子までもが積極的に「サステナブル」を国民へ呼びかけています。
サステナブル経営とは
「サステナブル経営」の元々の意味は、「企業が消費者の信頼を得て利益を上げることで、存続し続けること」です。
ただし、SDGsの広がりを受けて、消費者も企業活動に「サステナブル」を求めるようになったことで、企業としてはリサイクルやエコなどサステナブルな考えを用いた事業内容にシフトしなければ、消費者の信頼を得難い時代になってきています。
そのため、近年は企業の事業活動に「サステナブル」の概念を取り入れることを「サステナブル経営」と呼ぶようになってきました。
このように「サステナブル」は、時代の価値観を反映した言葉になりつつあるのです。
「ESG投資」を意識し持続可能な発展を目指す
サステナブル経営を行う上で意識したいのが「ESG投資」です。「ESG」とは、E(Environment:環境)、S(Social:社会)、G(Governance:企業統治)の略で、環境問題、社会問題、企業内部の不正や問題に配慮し、
企業活動の中でこれらへの対応にも注力していくことです。
近年投資家もESGに注目しており、単純に利益を生むだけの企業ではなく、
社会貢献に積極的な企業を評価し投資する「ESG投資」が世界的に行われています。
サプライチェーンマネジメントが叫ばれている中、大企業は今まで以上にこの「ESG」を意識しており、取引先企業にはサステナブルへの積極的な取り組みが求められています。
「サステナブル」と「SDGs」の違い

サステナブルは、地球環境をより良くして持続的にしていく取り組みを指します。
一方でSDGsはサステナブルな社会の実現に向けた具体的な手段として、2030年までに持続可能な社会を達成すべく定められた17の目標。
つまり、サステナブル社会という大きな目標達成に向けて、SDGsという具体的な17の目標が立てられたということです。
しかしこの2つはどちらも「持続可能な開発」を目指すものであるため、違うものとして捉えるのではなく、サステナブルな社会や経済・ファッションや食事を目指すことが、
SDGsの達成につながっていきます。
また、この記事の最後でSDGsに関して詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
>>SDGsを知るための第一歩!おすすめのSDGs本は以下の記事をご参照ください。
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SDGs本ならこれ!|おすすめの入門書&学生向け図書6選!社長の愛読書も公開 |
サステナブルに関連する言葉
サステナブルに関連する言葉は、上記の「SDGs」だけでなく「エシカル」「フェアトレード」などもあります。
他にも、「エコ」や「オーガニック」なども「サステナブル」に関連する言葉であり、どの言葉も共通するのが地球環境の維持です。
>>エシカルについては以下の記事をご参照ください。
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エシカルの意味や消費行動とは?意識して行動するポイントもご紹介 |
>>フェアトレードについては以下の記事をご参照ください。
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フェアトレードとは?仕組みと商品を見極めるためのマークを知っておこう! |
>>オーガニックについては以下の記事をご参照ください。
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オーガニックとは人体にも環境にも優しい?定義や認証機関についても解説 |
サステナブルデザイン
サステナブルを調べていく上で、「サステナブルデザイン」という言葉もよく耳にします。
サステナブルデザインとは、「次の世代のために地球環境を維持、向上させるデザイン」を意味しており、特に建築物に用いられることが多く、私たちの住まいに大きく関係します。
具体的には、古くなった建物を取り壊さず修繕して長く使う、古材を廃棄するのではなく再利用することがサステナブルデザインの取り組みの一部です。
サステナブルデザインは、インテリアや電気エネルギーの使用など、さまざまな方法で生活に取り入れることができるのです。
>>従来のデザインの問題点や、サステナブルデザインの事例は以下の記事をご参照ください。
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サステナブルデザインとは?身の回りの取り組み例を見てみよう! |
サステナブルシティ
サステナブルシティは別名「エコシティ」とも言われ、環境負荷を考慮して設計された都市のことを指します。
サステナブルの先進国であるスウェーデンの首都ストックホルムには、このサステナブルシティがあります。
これは「ハンマビー・ショースタッド」という地域で、ゴミを肥料として再利用する仕組みや、交通機関の使用の仕方など、環境に配慮した設計が町全体でなされているのです。
水質汚染や大気汚染の改善、CO2の削減などを目指し、国民ひとりひとりの意識によってサステナブルシティは作られています。
サステナブル素材
サステナブル素材は、言葉の遠り「持続可能な素材」を指します。
具体的には、
①地球環境に配慮していること…環境負担が少ない自然素材由来の原料・繊維や、リサイクルによる材料などを使用して作られているもの。
②適正な労働環境により生産されていること…製品の生産に関わった人が、適切な労働環境で働いていること。
を意識することが重要です。
>>サステナブル素材の詳細は以下の記事をご参照ください。
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サステナブル素材とは?特徴やメリットデメリット、ナイキなどのおすすめ製品も |
サステナブルフード

サステナブルには、サステナブルフードという言葉もあります。
その名の通り、サステナブルを意識した食べ物であり、その中でもサステナブルシーフードは、ヨーロッパを中心に浸透しつつあります。
マグロやウナギなど、魚の中にはいずれ絶滅してしまい食べることが出来なくなると言われる魚がいます。
サステナブルシーフードは、そういった食べられなくなると予想される魚の漁獲量や漁獲方法を配慮することで、絶滅を食い止めようとする取り組みなのです。
>>サステナブルな食事を実現する具体的な方法は以下の記事をご参照ください。
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サステナブルフードとは?サステナブルシーフードやコーヒーなど具体例を解説 |
ファッションとサステナブルの関係
ファッション業界でも取り組みが進んでいます。
いらなくなった洋服で新しい洋服を作り出すといったリサイクルに関わる施策から、天然素材を使いすぎないこと、地球環境に優しいオーガニックにこだわるなど、その素材へのアプローチまで、サステナブルな取り組みが広がっているのです。
ファストファッションで知られるH&Mでは、いらない洋服を回収するボックスを設置するなど、積極的な取り組みを見せています。
>>環境に配慮した服装選びがわかる記事は以下をご参照ください。
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サステナブルファッションとは?今後はエシカル志向なスタイルがマスト |
サステナブルを取り入れた人気商品・ブランド2選
サステナブルな考えを持つブランドは、世界中に増えはじめています。その中でも特にサステナブルにこだわる2つのライフスタイルブランドを紹介するのでぜひチェックしてみてください。
ethique(エティーク)

原料からパッケージまで商品に関わるもの全てにサステナブルを取り入れたブランド「ethique(エティーク)」。
エティークは、市場で販売されているビューティープロダクツが環境に与える問題に着目し、ニュージーランドで設立されました。
年間800億本廃棄されるシャンプーとコンディショナーのプラスティックボトルは、たったの9%しかリサイクルされていないという事実から、容器のない固形バー(髪や頭皮に必要な美容液成分と、必要最小限の洗浄成分を凝縮したシャンプー・コンディショナー)を開発。
これにより、2019年までの7年間で600万本のプラスティックボトルの削減を実現し、2025年までには5,000万本削減を目標にしています。
また、すべてのパッケージは生分解性(微生物によって分解される物質のこと)によるもので作られており、パッケージから商品に至るまですべての過程において、環境・動物・人体に影響を及ぼさないよう工夫されています。
さらに商品とあわせて、地球環境や海洋動物についての月刊情報誌を同梱し、親子、パートナー、家族で「環境」のことを話すきっかけを作れるような取り組みも行っています。
>>ethique(エティーク)の詳細はこちらのリンクから(リンク先で音楽が流れます。)
ecoffeecup(エコーヒーカップ)

コーヒー文化が浸透している現代では、コーヒーを入れる紙コップが毎年1000億個もごみとして捨てられています。
そこで立ち上がったのがこの「ecoffeecup(エコーヒーカップ)」です。
このエコーヒーカップは、竹の繊維やコーンスターチ、アミノ酸由来の樹脂などから出来ており、安心して使用することができます。
またカップは、土の中で分解することのできる素材で環境にも配慮しています。
蓋やホルダーは全てシリコンで作られ、取り外しも可能です。
カップを清潔に保ちながら繰り返し使用できます。
もちろん通い慣れたコーヒーショップやオフィスなどでも使える便利でエコな商品となっています。

サステナブルな世界を実現するための行動・具体例をチェック!
サステナブルな社会を実現するために、私たち一人一人ができることはたくさんあります。
すぐに取り入れることのできるサステナブルな行動をいくつか紹介します。
節電・節水

電気も水も限りなく存在するものではありません。
・お風呂のお湯を洗濯に使う
・こまめに電気を消す
といった基本的なものもサステナブルな行動と言えるでしょう。
使い捨てを減らし、長く使えるものを選ぶ

使い捨ては便利で簡単ではありますが、決してエコな行動ではありません。
使い捨てのものを長く使えるものに変えることで、ゴミを格段に減らすことができます。
先ほどご紹介したエコーヒーカップや何度も使えるオーガニック素材の生理用ナプキンなど、最近は長く使えるエコの商品がたくさん発売されています。
日ごろから使っているものを、エコの観点で見直すことが大切です。
>>オーガニックナプキンについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
![]() |
オーガニックナプキン生活を始めよう!肌に優しく生理痛が軽減することも |
車を使わず公共交通機関や自転車を使用する
CO2の排出量のうちおよそ2割が自動車などによる排気ガスと言われています。
この2割のCO2を削減することは、地球環境維持に大きな影響をもたらします。
車を使わずに公共交通機関や自転車を使用するといった取り組みもおすすめです。
食品ロス(フードロス)しない
日本は、世界に比べて食品ロス(フードロス)が多いことでも知られています。
イギリスなどのヨーロッパでは、食品ロス(フードロス)ゼロを目指して、コンビニなどでも早めの時間から割引を始めるなど、商品を売り切ることを徹底しています。
・本来食べられる部分まで捨てないように気を付ける
・保存の仕方を工夫する
などできることから始めましょう。
>>食品ロス(フードロス)ついて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
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食品ロス(フードロス)とは?その原因・問題点と私たちにもできる対策 |
エコバッグを使い、袋や過剰包装をやめる

日本でも2020年7月1日からレジ袋の有料化が義務付けられ、エコバックの使用もだんだんと広がってきました。
普段からしっかりとエコバックを持ち歩く・過剰包装のものを買わないといったこともサステナブルな行動です。
オーガニック素材・再生生地でできたエコバッグも増えているのでぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
>>プラスチックを再生利用して作られた「KIND BAG(カインドバッグ)」の詳細はこちらから
マイカップやマイタンブラーを使用する

エコーヒーカップのようにマイカップやマイタンブラーを使用してみましょう。
持ち運びができる再利用可能なカップは特に便利なので、この機会にお気に入りのマイタンブラーを探してみてはいかがでしょうか。
生分解性の商品を選ぶ
生分解性の商品を選ぶというのもサステナブルな行動の一つです。
この生分解性とは、植物などの生物資源で作られたもので、特定の微生物によって水とCO2まで分解することができるものを指します。
先述したethique(エティーク)もパッケージが生分解性の紙でできており、なおかつインクも植物からとれるベジタブルインクを使用しています。
そのため、例えば開けたパッケージに土とタネを入れて植物を育てることもできます。
一定の大きさに植物が育ったあとは、庭にパッケージごと埋められるのでゴミの削減につながるのです。
>>ethicameでも生分解性商品を扱っているのでぜひチェックしてみてください!
ゴミを出さない選択を
ここまで見てきたように、生分解性の商品を選ぶことやマイエコバッグ・マイタンブラーを持ち歩くことは、ゴミを出さないことにつながります。
ゴミを減らすことができれば地球環境の維持につながるため、ひとりひとりの小さな努力が必要です。
SDGsとは?
SDGsとは、SustainableDevelopmentGoalsの頭の文字を合わせた言葉で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。
読み方は、SDGs(エスディジーズ)です。
2015年9月、ニューヨーク国際本部にて開かれた国際サミットで、150を超える加盟国首脳の全会一致で採択されました。
これは、2016年から2030年の15年間で達成する目標を記したもので、「地球上の誰一人取り残さない」という強い意志のもと、地球を保護しながら、あらゆる貧困を解消し、すべての人が平和と豊かさを得ることのできる社会を目指して設定されました。
サステナブルとは切り離せない存在で、上記の取り組みや具体例に関しても密接なつながりを持っています。
>>SDGsについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
![]() |
SDGsとは?概要や背景・日本や世界の取り組みまで |
サステナブルな暮らしを意識して世界を変えよう
本記事ではサステナブルについて詳しく説明しました。サステナブルの意味を理解すると、私たちの生活と密接な関係があることがよくわかります。
平和で持続可能な環境を作るためには、ひとりひとりの行動が鍵となります。
ゴミを出さない努力など、地球を守るために身近に始められることから取り組んでみてはいかがでしょうか。